山梨県甲斐市「サントリー 登美の丘ワイナリー」のリニューアルしたワイナリー見学ツアーに参加してきた!
東京ウォーカー(全国版)
山梨県甲斐市にある「サントリー 登美の丘ワイナリー」では2025年9月に見学ツアーを一部リニューアル。晴れた日には富士山も望めるブドウ畑や、8月に竣工したばかりの新しい醸造棟、山をくり抜いて作られたという熟成庫をバスで巡る、充実の120分ツアーが新しく登場した。これまでは、ブドウ畑と熟成庫のみだったツアーが、栽培、醸造、熟成と、ワイン造りの一連の工程を見学することができるコースに生まれ変わったことで、登美の丘ワイナリーのワイン造りと、造り手たちの想いをより体感できるように。
ブドウが育つ環境や、ワインが造られる過程、その銘柄やワイナリーを深く知ることで、より一層おいしく感じられるようになるのがワイナリーツアーの魅力でもある。ということで、さっそくリニューアルした見学ツアーを体験してきた。
東京からアクセスしやすい!週末に日帰りで出かけられる登美の丘ワイナリー
登美の丘ワイナリーは新宿から特急あずさで約90分、さらにJR甲府駅から車で約30分と、東京からのアクセスがいいので休日の日帰りプチ旅行にぴったりだ。ただし、ワイナリーでの試飲を楽しみにしている人には、車の運転がネックに。その点、登美の丘ワイナリーはJR甲府駅南口より無料のシャトルバスを運行しているので安心してほしい。金、土、日、祝日限定で1日5便、予約は不要なので気軽にアクセスできる。
JR甲府駅からシャトルバスで約35分、到着したらまずはゲストハウスへ。受付を済ませてから、見学ツアーに参加しよう。ツアーにはガイドがついて、見学をしながらブドウやワインについて解説してくれるので、ワインの知識がなくても大丈夫。ガイドについてバスに乗り込むと、ツアーがスタート。
まずはブドウ畑からスタート。見学ツアーは広大な敷地内をバスで移動
登美の丘ワイナリーの敷地は広大で、およそ150ヘクタールもあるのだそう。さらに高低差もかなりあるので、見学はバスでの移動になる。標高約600メートルから500メートルと、広大な畑は高いところと低いところの標高差が100メートル近くもあるのだそう。また、日の当たり方や土壌の質など、同じ敷地内でも畑の区画によってブドウの生育環境は異なる。複雑な地形から生まれる土壌の特徴を最大限活かすために、登美の丘ワイナリーでは畑を約50区画に分け、異なった個性を持つブドウを、それぞれの区画に最適な手法で育てている。
まずは連なるブドウ畑の、一番高いところにある「眺望台」でバスを降りる。標高約600メートルの見晴らしはとにかく最高。一面のブドウ畑に甲府盆地、南アルプスや八ヶ岳などの山々を眺めることができる。もちろん、天気がよければ富士山も。この標高の高さと、盆地の気候によって生じる寒暖差は、おいしいブドウを育てるのにとても重要だ。寒暖差があると糖分がしっかりと蓄えられ、高品質なブドウに育つとされている。
眺望台の周囲では「メルロ」と「プティ・ヴェルド」を育てている。どちらも赤ワインになるブドウだ。フランスなど海外のワイン造りで使わている品種なので、聞いたことがある人も多いのではないだろうか。ここの畑は「垣根仕立て」という栽培方法。地面に対して垂直に枝を伸ばしたブドウの木の、だいたい腰の高さほどの位置にブドウが育つ。1本あたりの房の数が少なく、より小粒で凝縮された実が育つ。
バスに乗り込んで、次の畑へ移動する。この畑では、「甲州」という白ワインになる山梨県固有の品種を育てている。こちらは「棚仕立て」といって、日本で古くから栽培されている主流の仕立て方。棚に沿って樹が育つため、頭の上にブドウの実がなる。ブドウ狩りなどでよく見る栽培方法だ。ここには、樹齢47年を迎えた、場内で最も古い樹がある。樹の状態を見ながら植え替えをしていくため、歴史の古い畑には、若い樹と古い樹が共存しているのだそう。
ブドウ畑は周囲には遮るものが何もなく、とにかく日差しが強いので夏場の見学には日傘を忘れずに持っていきたい。暑い時期には、見学者に麦わら帽子を貸してくれるサービスも。ブドウ栽培には、この日当たりのよさもとても大切だ。また、360度を山に囲まれた甲府盆地は周囲の山が雨雲を遮ってくれるので、年間通して全国的にも雨量の少ない土地として知られている。晴れの日が多く、雨が少ない環境はブドウを育てるのに最適なのだ。
この夏、完成したばかりの「FROM FARM醸造棟」では除梗、選果、圧搾、発酵、瓶詰を行っている
ブドウ畑をあとにして、次は2025年8月29日に完成したばかりの「FROM FARM醸造棟」へ向かう。この新しい醸造棟は、ブドウとワインを丁寧に扱う「ジェントルハンドリング」を実現し、より高品質なワインを生み出すことができる施設。
なるべくブドウに負担をかけないよう、自然の重力を利用した「グラビティフロー」と呼ばれる設計と、フランスのシャンパーニュ地方で使われている新型プレス機を導入している。
また、50区画に分けた畑でそれぞれ育ったブドウは、26台の小容量サーマルタンクでブドウごとに別々に仕込むことで、その個性を最大限に活かすことができるのだそう。
除梗(ブドウから茎を取り除く作業のこと)、選果、圧搾、発酵、瓶詰までをこの醸造棟で行なっている。
年間通して16〜18度に保たれた「熟成庫」でじっくりと樽熟成
「FROM FARM醸造棟」の隣には、山をくり抜いて作られたという「熟成庫」がある。1950年代に建てられたという熟成庫は、真新しい醸造棟と比べて歴史を感じる。熟成庫内は年間を通して16〜18度の一定の温度に保たれているので、中に入ると夏でもひんやりと涼しい。
発酵した若いワインを詰めた樽がずらりと並ぶ中、作業している様子を間近で見ることができた。ゆっくり熟成することで渋みが柔らかく、酸味は穏やかに、さらに樽の成分が溶け込み深みのある味わいになる。
一通りツアー終え、最後はお待ちかね、ワインの試飲だ。バスを降りたら、富士見ホールへ向かう。試飲できるのは、「登美の丘 甲州 2022」、「登美の丘 赤 時のかさね」、「FARM登美の丘 プティ・ヴェルド2021」、「貴腐ワイン」の4種(時期によって変動あり)。たった今、巡ってきた畑や醸造棟、熟成庫を思い出しながら、じっくりと味わってみてほしい。ワインが飲めない人や、車を運転する人には「信州産メルロぶどうジュース」が提供される。
試飲のあとは、ワインショップで自由に買い物ができる。ワインショップ内のテイスティングカウンターでは有料でほかの銘柄のテイスティングもできる。1杯30ミリリットル、45ミリリットル、60ミリリットルから選べるので、いろいろなワインを試してみよう。
ショップ前の富士見テラスでも試飲可能。甲府盆地を一望し、晴れた日は遠くに富士山も見える絶景とともに、ワインを味わうのは最高の贅沢かもしれない。お気に入りの銘柄を見つけたら、ぜひお土産に。
ワイナリー見学ツアーは4タイプ。有料のツアーは公式サイトより予約が必要
ワイナリー見学ツアーは、今回紹介した「FROM FARM 登美の丘ワイナリーツアー〈プレミアム〉」以外にも所要時間や見学コースが短いものもある。有料のツアーは公式サイトより予約が必要なので注意。当日は、ブドウ畑を見学するため歩きやすい靴で、また熟成庫内は温度が低いので上着などを持参しよう。
FROM FARM 登美の丘ワイナリーツアー〈プレミアム〉
「眺望台」とブドウ畑、「FROM FARM醸造棟」、熟成庫の見学後、ワイン4種のテイスティング
開催:金・土・日・祝日(各日10時20分〜、14時20分〜)※要予約
所要時間:約120分
料金:1人8000円
FROM FARM 登美の丘ワイナリーツアー
ワインショップ近くのブドウ畑、「FROM FARM醸造棟」、熟成庫を見学し、熟成庫にてワイン2種をテイスティング
開催:月・火・木(10時40分〜、14時40分〜)金・土・日・祝日(11時15分〜、13時〜)※要予約
所要時間:約80分
料金:1人3000円
甲州ぶどう畑 散策ツアー
「甲州」のブドウ畑を見学後、畑でワインをテイスティング
開催:月・木(11時〜、14時〜)金・土・日・祝日(10時40分〜、15時15分〜)※要予約
所要時間:約30分
料金:1人1000円
富士見テラス・ワインショップ入場
見学用ブドウ畑の見学、ワインショップでの有料テイスティングや買い物を自由に楽しめる
開催:年末年始、休業日を除く毎日(10時〜17時 最終入場16時30分)
料金:無料
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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
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