コーヒーで旅する日本/関東編|まずはコーヒーを気軽にシンプルに。「自家焙煎のあべちゃんコーヒー」が伝える“楽しさ”がファンへの入口に

東京ウォーカー(全国版)

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも関東エリアは、伝統的な喫茶店から最先端のカフェまで、さまざまなスタイルの店が共存する、まさに日本のコーヒー文化の中心地。

東京をはじめ、関東近郊にある注目店を紹介する当連載。店主や店長たちが教える“今、注目すべき”ショップをつなぐ、コーヒーリレーの旅へ。

南太田駅前の広場を抜ければすぐに見つかる

第9回は神奈川県横浜市にある「自家焙煎のあべちゃんコーヒー」。豆売りをメインにする“街のコーヒー屋”として親しまれる一店だ。店主の阿部智剛さんはバスの運転手からカフェのオーナーへと転身した人物。運転手時代からカフェや喫茶店によく通っていたコーヒー好きの店主が、何気ない雑談のなかで「コーヒーは気軽で楽しいもの」だと伝えることを大切にしている。

店主の阿部智剛さん。過去には福岡で勤務したこともあり、数ある名喫茶に通っていた

Profile|阿部智剛(あべ・ともたけ)
1976年(昭和51年)、神奈川県生まれ。福岡や東京で20年以上にわたりバスの運転手として活躍。会社員時代、鎌倉の喫茶店で飲んだコーヒーに感銘を受けたことをきっかけに、自身でもコーヒーの抽出や「富士珈機」開催のセミナーやイベントに積極的に参加するなど、コーヒーの世界にのめり込むようになった。バス会社を退職し、2021年6月に「自家焙煎のあべちゃんコーヒー」をオープン。これまで培ったコーヒーの知識と技術を活かした自慢の一杯を提供している。

コーヒーの“難しい”をなくし、ファンを増やしたい

【写真】店は横浜駅から電車で約7分。南太田駅を出て左手の角を曲がるとすぐに見つかる

阿部さんが一気にコーヒーにハマったのは神奈川・鎌倉にある喫茶店「café vivement dimanche(カフェ ヴィヴモン ディモンシュ)」のコーヒーに出合ったことがきっかけ。

「そこで飲んだコーヒーがとにかくおいしくて、豆を買って家で抽出しはじめたのもこのころ。自分でコーヒーを淹れて飲んでみると『お店との味の違いはなんだろう』と気になって、家でいろんな抽出方法を試してみたり、コーヒーへの興味が尽きませんでしたね。また焙煎機の存在を知ったのも、このお店がきっかけ。自分でも焙煎をしてみたいと思うようになり、そこで見た焙煎機が『フジローヤル』だったこともあって、販売元である『富士珈機』のセミナーや焙煎機を試せるイベントに参加しはじめたんです」

客の多くは地元の常連。「“街のコーヒー屋”として利用してくれているのがうれしいです」

ドリップパックやグッズも販売。豆の購入は19時ギリギリまでOK

セミナーやイベントへの参加をはじめ、本格的にコーヒーにハマって6年ほど経ったころ、2021年にコロナ渦のタイミングでバス運転手の仕事を退職。自ずと次の一手として浮かんだのはカフェだった。7席の小バコな店内空間だが、客との会話を楽しむのにちょうどよいサイズ感だ。裏道に面した店だが、駅までの抜け道になっていて人通りが意外に多く、仕事の帰りなどに寄り道してくれる常連も多いのだとか。

住宅街が広がる落ち着いた街の一角。裏道に面しているが、駅に向かう人々が行き交い、店の周りは活気がある

「お店を通じてコーヒーファンを増やしたいと思っているので、来てくれた人にまずは『コーヒーは気軽で楽しめるもの』と伝えるように心がけています。コーヒーは豆の産地や焙煎度合い、器具の種類などさまざまな要素が細かくあり、知れば知るほど深くなっていくもの。コーヒーに対して面倒や難しいと感じる人もいるかもしれませんが、あくまで嗜好品なので自分自身が楽しめれば、それが一番なんですよ。私もそうでしたが、コーヒーが好きであれば自ずと突き詰めていくもの。その“入口”となる楽しさを伝えることで、ファンが増えていくと思うんです」

ドリッパーは扱いやすく、手頃な価格で買えるのではじめての人にもすすめやすい

店で使う器具はネットなどでも気軽に手に入るものをセレクトし、コーヒーをはじめたいという人におすすめできるようにしている。たとえばドリッパーは「CAFEC フラワードリッパー」で、フィルターはペーパー。ひとつ穴タイプでお湯が一定の速度で落ちるため味が安定し、ある程度のお湯のコントロールも可能なので慣れてくれば応用が効くなど、おすすめしやすいのだとか。店で使われているので、使い方や味の出方を実際に見られるのも魅力のひとつ。

ハンドピックで上質な豆だけを選別し、自家焙煎を行う

焙煎機は「富士珈機」のセミナーで知識を深めた「フジローヤル」。よく通った「café vivement dimanche」ではじめて見た焙煎機であり、憧れの存在だったことから迷わず選んだ。直火式なので豆の香ばしさ、深みを出しやすいというメリットがあり、産地の異なる豆の個性を引き出すのに最適とのこと。

ドリップバッグは各1袋200円。シングル、オリジナルブレンドで全8種類ある

「焙煎度は中深煎りがメインで8種類、浅煎りと深煎りを1種類ずつ用意しています。豆の産地はブラジル、エチオピア、グアテマラなど一般的に知られた国のものをそろえ、コーヒーにあまり詳しくない人でも、なんとなく名前を知っていると選びやすいかなと。浅煎りから深煎りまでラインナップしているので、自分の好みに合う一杯を見つけてみてください」

豆の種類は常時10種類。たまにコスタリカの豆や季節のブレンドもそろう

手間はかかるが、その分品質を確保することが優先と考え、生豆のハンドピックを行っている

6種類のシングルオリジンに加え、「HOP」「STEP」「JUMP」と3種類のオリジナルブレンドも。この名称にはコーヒー屋としてステップアップしていきたいという想いも込められている。「HOP」は中深煎りのマイルドブレンド、「STEP」は中深+深煎りのビターブレンド、「JUMP」は深煎りのダークブレンドとなっており、それぞれの豆の風味が効いていて、舌に馴染む飲み口の心地よさが魅力だ。

スイーツとのペアリングで、よりコーヒーを身近に

ホットコーヒー「STEP」(店内580円)と「黒糖のチーズケーキ」(店内550円)

「コーヒーを楽しむための要素として、ケーキや焼き菓子との組み合わせも提案しています。たとえば酸味のある浅煎りのコーヒーにはレモン、ドライフルーツを使ったさわやか系のケーキを。深煎りのコーヒーはどしっと存在感のある味に仕上げているので、あんこを使った和菓子類やチョコレート系といった甘さの主張がしっかりとしたお菓子が合うんです。お店で出している『黒糖のチーズケーキ』(店内550円)や『あんぱん』(ドリンク+200円※毎週金曜限定)には、中深煎りのビターブレンド『STEP』なんかもおすすめですよ」

特製シロップで甘さを際立たせた「コーヒー牛乳」(店内480円、持ち帰り470円)もイチオシ

阿部さんレコメンドのコーヒーショップは「maruca coffee」

「東京都足立区にある『maruca coffee』。店主の加藤さんはもともと『富士珈機』のセミナーに通っていたときにアシスタントをされていて、大変お世話になった方です。焙煎、抽出だけでなく、焙煎機のメンテナンスのことまで幅広く教えてくれ、コーヒーの知識を深めてくれた大きな存在。豆売りがメインですが、店内で軽くコーヒーを飲むこともできます。コーヒー愛にあふれた加藤さんと、語り合う時間もとても楽しいですよ」(阿部さん)

【「自家焙煎のあべちゃんコーヒー」のコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル3キログラム(直火式)
●抽出/ハンドドリップ(CAFEC フラワードリッパー)
●焙煎度合い/浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり(ホットコーヒー570円ほか)
●豆の販売/100グラム780円〜

取材・文/GAKU(のららいと)
撮影/大野博之(FAKE.)

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