スターバックスの第19代コーヒー アンバサダーが決定！アンバサダー カップをレポート

コーヒーへの情熱やスキルを競う2年に1度のスターバックス コーヒーの社内競技会「第19回コーヒー アンバサダー カップ」が2025年10月、TOYOTA ARENA TOKYOで開催された。今回は「コーヒーでつながろう。コーヒーを届けよう。」をテーマに、参加者213名の予選を勝ち抜いたファイナリスト4名が、2種類の競技を披露。会場に集結した3000人のパートナー(従業員)を熱い感動に包み込んだ。はたして「第19代コーヒー アンバサダー」の栄冠は誰の手に？当日の模様をお届けする。

2つのステージで届けるそれぞれの思いとは？

今回の競技会には、3つのリージョン(地域)から東日本代表の渡邉さん、中日本代表の山内さん、西日本代表の堤さん、そしてスターバックス リザーブ(R) ロースタリー 東京(以下、ロースタリー 東京)から山口さんの4名がファイナリストとして出場。全国2000を超える店舗に勤めるパートナーは約5万5千万人。その中からバリスタの頂点を決める大会だ。

少し緊張した面持ちで登場した4人は、自己紹介のムービーでそれぞれこのように意気込みを語っていた。

「1杯のコーヒーを通じたつながりの楽しさ、面白さを伝えたい」(渡邉さん)

「誰かの心が温かくなるパフォーマンスを届けたい」(山内さん)

「皆さんの思いを背負って最後まで走りぬけます」(堤さん)

「“ひとつながり”が自分の中のテーマ。いろいろなつながりを感じていただけるようにしたい」(山口さん)

1stステージは、5分間で4人のお客のオーダーに、コミュニケーションをとりながらこたえる「Craft ＆ Connect」。普段、バーで実践している姿が見られる競技だ。アイスのカフェ アメリカーノ、無脂肪乳を使ったエスプレッソ ショット追加のスターバックス ラテ、ホットのホワイト モカ…など、オーダーはランダム。店内利用もあればテイクアウトもある。

ハートがたくさん描かれたチューリップのラテアートを披露したり、カスタマイズを提案したりと、笑顔で話しながら、流れるような手さばきでドリンクを作る出場者たち。一杯一杯を提供するたびに、会場からは温かな拍手が沸き起こっていた。

2ndステージは「Craft, Coffee Story & Connection Performance」。10分間で、ハンドドリップと、シグネチャービバレッジ(創作ビバレッジ)を作りながら、「バリスタとして、どのように“コーヒーでつながろう。コーヒーを届けよう。”を実践するか」をテーマに思いを語る。コーヒーへのひたむきな情熱、創造性や革新性のあるスターバックス体験が感じられる競技だ。4人が披露した独創的なシグネチャービバレッジにフューチャーしながらその様子を紹介しよう。

――「私たちパートナーが目的地。それがスターバックスエクスペリエンス」(渡邉さん)

2ndステージは渡邉さんからスタート。

「おいしいコーヒーをいれる知識やテクニックはもちろん、発見を誰かに届けることが大切。そして一歩踏み出すこと」と語る渡邉さん。

「私たちスターバックスには変わらないものがあります。それはバリスタの思いです」と、渡邉さんがカスタマーとしてある店舗に通っていた時のことを振り返る。バリスタが気分や好みに合った商品を提案してくれたり、ドリンクに込めたストーリーを話してくれたりと、一杯のコーヒーを目いっぱい楽しむためにベストを尽くす思いを感じ、“今日は誰とどんなシーンに出会えるのか”というワクワクする気持ちが活力になったと語る。

「目の前の一杯からぬくもりや愛情を感じられた時、私たちはただのカフェではなく温かいコーヒーハウスを作り出し、店舗以上の価値を生み出すことができます」

そんな温かなコーヒーハウスの光景をイメージして創作したビバレッジでは、キャラメルシロップやりんごのみずみずしい甘みで優しいぬくもりを表現し、トッピングのりんごジャムはお店に灯る明かりを象徴した。

「商品が目的ではなく、私たちパートナーが目的地。それこそがスターバックス エクスペリエンスなのです」

――「一杯のコーヒーが、勇気をくれ、新たな挑戦へと導いてくれる」(山内さん)

2番目に登場した山内さんは、ハンドドリップにもシグネチャービバレッジにも、コーヒー豆に「サイレン ブレンド(R)」を選択。それは、自分に勇気をくれた、大好きな豆だから。

ストアマネージャーであり、一児の母でもある山内さんは、ライフステージの変化の中で、「女性はこうあるべき」という社会の見えない壁を感じた経験からストーリーをつむぐ。そんな時、サイレン ブレンド(R)を通して、1粒のコーヒー豆によって自分たちの人生や家族の未来を切り開いた女性たちのストーリーを知り、「彼女たちの姿にいつしか自分を重ね、勇気をもらっていました」と語った。

そして、新店舗のストアマネージャー(店長)として働く中で、「自分がやりとげたいことに、自分らしい道のりで挑戦していくこと。自分の人生の選択に誇りを持つことが何よりも大切だと気付きました」と笑顔を見せた。

山内さんのシグネチャービバレッジは、“挑戦が未来を開く一杯”を表現。

シトラス果肉に少量のチョコレートを加えたオーツミルクに、サイレン ブレンド(R)のエスプレッソ ショットを注ぎ、ココアムースとメイヤーレモンのゼストをトッピング。エスプレッソの豊かな苦味で挑戦の高揚感を、柑橘のさわやかな香りでポジティブさを、そして混ざり合ったまろやかな味わいで挑戦の先にある優しさや希望を表現した。

――「思いやりと好奇心をもち、コーヒーを通じて”ひとつながり”に」(山口さん)

3番目に登場した山口さんは、これまで大切にしてきた「つながりを作るために思いやりと好奇心を持ち続けること」をハンドドリップとシグネチャービバレッジで表現した。
「生産者から届いたコーヒーをおいしく届けるための少しの工夫が、バリスタにできる思いやりです」と語り、コーヒー豆と抽出器具の特性をふまえ、よりおいしくコーヒーをいれるために少し細かく挽いたコーヒー豆を用意し、丁寧に抽出した。

また、ハートを重ねたチューリップのラテアートに「今日は本当にいい一日になる」と喜んでくれたお客が、毎朝通ってカフェ ラテ以外にもさまざまなドリンクを楽しんでくれるようになった喜びを語った。

「好奇心を持って届けた一杯のラテアートがお客様に喜びや新しい発見を届けられた」という実感から、シグネチャービバレッジでは、コーヒーが得意でなかった頃に出会った“コーヒー×炭酸”で思いを表現。スターバックスが創業当初に届けていたコーヒー、ティー、スパイスにちなんだ、美しい3層のドリンクに仕上げ、「思いやりと好奇心を持ってお客様とつながれた時に、全ての人が笑顔になります」と、語った。

――「あなたのためにと、心を込めた一杯に勝るものはない」(堤さん)

ラストに登場した堤さんは、バリスタとしての歩み、そしてこの競技会に向け支えてくれた仲間たちへの感謝の気持ちを、シンプルながらおもてなしの思いを込めた一杯のシグネチャービバレッジで表現した。

この競技会のために、妥協することなくあらゆる可能性を試しながらシグネチャービバレッジを開発してきた堤さん。おいしく仕上がったもののどこか物足りなさを感じていた時、最も感動した記憶がよみがえる。それは、「仕事で行き詰っていた時に仲間が持ってきてくれた、白いマグカップいっぱいにアートが描かれたラテ」

「あなたのためにと心を込めて作ったものに勝さるものはない」とあらためて感じ、「誰かのためならいくらでも力が出る。私の原点です」と伝えた。素材のよさや本質が際立つシンプルな一杯に、その気持ちを丁寧に注ぎ込んだ堤さんのシグネチャービバレッジ。それは、故郷・徳島と、現在勤務する香川の特産である和三盆をミルクに溶かしたラテ。心を込めてチューリップとハートのアートを描いた。

コーヒー アンバサダーとして描く未来

4人の熱いステージが終わり、いよいよ結果発表。3000人が見守る中、名前を読み上げられたのは、ロースタリー 東京代表の山口さん！感極まる山口さんを包み込むように、会場は歓声と拍手で沸き上がった。

競技を終えたばかりの山口さんに、大会の感想をうかがうと、楽しい一日だったと笑顔を見せてくれた。

「シグネチャービバレッジでは、自分が本当に好きな味を形にすることができました。コーヒーがあまり得意でないお客様にも楽しんでもらえるように、バリスタとして“おいしい”“面白い”“発見がある”と感じる一杯を、特別な材料ではなく、いつも身近にあるもので届けることができたと思います」

この大会に出場したきっかけは、エリアカップに出場した先輩の姿を見たこと。
「“コーヒーでこんなにつながれる場所があるんだ”と感じて、この競技会に出たいと思いました。コーヒー アンバサダーに決まりうれしさと共に、今まで大切にしてきたコーヒーへの思いを、会社の代表として届ける責任を感じています。これまで第18代コーヒー アンバサダーの下出さん、リージョナル コーヒー アンバサダーの菅原さん、西井さん、大貝さんが築いてきたものを受け継ぎ、今日ともに戦った3人とこれからの2年間を歩めることが心強く、楽しみです。自分に何ができるかを丁寧に見つめながら、取り組んでいきたいと思います」

そして渡邉さん、山内さん、堤さんも、それぞれのリージョンのコーヒーアンバサダーとして、これから2年間活動する。

「先輩のコーヒー アンバサダーの方々が、“濃密で、人生を変えるような仲間やきっかけに出会えた2年間だった”と話すのを聞き、前向きな気持ちで競技に臨むことができ、未来が楽しみになりました。知識やスキルに関係なく、バリスタとして自由に表現していいんだと感じたこの思いを、仲間と共有しながらつながりの輪を広げていきたいです」(渡邉さん)

「時短勤務だったため大会出場は考えていなかった私に、当時のディストリクトマネージャー(地区担当マネージャー)が、“今、ちゃんとコーヒーを大切にしている人にこそ出てほしい”と背中を押してくれ、仲間の支えで挑戦することができました。女性に限らず、さまざまな状況にあるパートナーの希望になれるようなコーヒー アンバサダーになれたらうれしいです」(山内さん)

「この競技会への出場は、６年前からの夢でした。店舗・エリア・リージョンの多くの仲間に支えられ、尊い時間を過ごすことができました。理想のアンバサダーは、人を大切にし、コーヒーでつながり、誰かの心が動かせる人。西日本リージョンだからできること、自分にしかできないことを、自分らしい方法で形にし、仲間の輪を広げていきたいです」(堤さん)

コーヒー アンバサダーは、“コーヒーを通じて人とつながる”というスターバックスの文化をさまざまな形で伝える役割を担う。4人それぞれの思いを胸に、彼らの新たな物語が始まる。

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。