「ありがとう、じいちゃん!」コロナ禍でお別れした祖父。心残りや後悔を「夢」がすべて消し去ってくれた【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
出産して落ち着いたら、ひ孫を見せに行くつもりだった。しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延で世の中は一変し、会いに行きたくても許してくれないという状況が長く続いた。そして、祖父は他界ーー臨月で葬儀にも参列できなかった後悔を描く、南波くわしく(@kwsk28)さんの実話『禍葬』を紹介するとともに話を聞く。
あのときは「ごめん」謝りたいこともたくさんあったけれど…
新型コロナウイルス感染症の蔓延で入院していた祖父と会うことができず、心不全で他界したと連絡を受けた。当時、南波さんは臨月。東京から実家の長崎に帰省することができなかった。連絡を受けたときは、「本当にいなくなっちゃったのかな?と、事実を認識できませんでした。亡くなった連絡をもらった時点でこの世にはいないはずなのに、『でも、まだ葬式見てないしな』『お墓見てないしな』と、他界したことを自覚しようとしても、理解できない状態でした」と南波さんは話す。
最後に祖父と言葉を交わせなかったことをとても後悔し、「あのとき電話していれば…」と何度も思ったという。うまくお別れができなかったことで後悔ばかりが募り、眠れない日が続いた。そんなある日、荷作りをする両親に祖父とガムテープを買ってきてと言われ、2人で夜道を歩く。他愛もない言葉を交わすなかで、これが夢だと気づいた。目が覚める瞬間、南波さんは「じいちゃん、じいちゃん!」と必死に叫んだ。夢で逢えたことについては「今振り返っても、とてもうれしかったです。当時、しばらく連絡取ってなかったことも心残りでしたし、今でも『話したいことたくさんあったけどな』と思いますし、夢だとしても話せたのは僥倖でした」と、南波さんは振り返る。
「自慢の孫だ」と言って南波さんの夢をずっと肯定し、応援し続けてくれたじいちゃん。祖父に言いたいことはたくさんあった。しかし、遠くへ遠くへと歩いていくじいちゃん。後ろ姿に向かって伝えられたのは「ありがとう!」という一言だった。目が覚めたとき、南波さんは「じいちゃんは、叶えにきてくれたのだ」と思ったそう。「漫画にしたことで、心残りや後悔、実はツライ・悲しいと感じていたことを言語化できたので、心が軽くなりました。帰省したときに祖父のお墓参りにも行けたので、心の整理につながったと思います」と話す。
南波さんは、広告漫画やビジネス書籍の挿絵や漫画を制作。SNSでは、おもに育児漫画やエッセイ漫画を描く。「祖父母が被爆者なので、長崎原爆の日に『原爆について』の投稿を行うこともあります。最近は、自身のアトピー性皮膚炎の体験を元に描いた創作漫画『エセ科学で育ちました。』を個人的に制作しています」と幅広い活動を行っている。
取材協力:南波くわしく(@kwsk28)
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