「全身の毛がごっそり」12個の精子を回収も全滅…不妊手術の代償は「全身脱毛」?精子採取の知られざるリスク【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
ぺ子さん(@peko_comic)は、SNSやブログを中心に実話に基づいた作品を公開している。フォロワーの実体験を基に描かれた『原因は、俺…?』は、男性不妊のリアルな治療現場と夫婦の葛藤を描き、注目を集めている。今回は、不妊治療の経験がある著者に、治療の痛みや費用にまつわる話を聞いた。
TESE手術の代償…夫の体毛が抜け、心も折れた
不妊の原因が夫にもあると判明し、夫はTESE(精巣内精子採取術)を受ける決意をする。手術の結果、12個ほどの精子を回収できたことに夫婦は安堵した。しかし数日後、夫がお風呂に入ろうと服を脱ぐと、衝撃の光景が広がる。なんと全身の体毛がごっそり抜けていたのだ。さらに仕事がつらく感じる、何もやる気が起きないなど、TESEによるホルモンバランスの崩れと思われる症状が夫を襲う。
「4回連続で陰性」貯金を切り崩す恐怖
貯金をかなり切り崩し、「これで子どもができなかったら」というプレッシャーの中で治療は続く。しかし、現実は残酷だった。医師から告げられた着床判定の結果は陰性。「一回目で妊娠できる人の割合は、そう多くありませんから…」という励ましもむなしく、その後も4回目まで陰性の結果が続き、夫婦は精神的に追い詰められていく。
妻は「最後の最後まで可能性にかける!」と前向きに振る舞い、いよいよ最後の顕微授精の判定日を迎える。だが、医師から告げられたのは「おそらく着床していないかと…」という非情な言葉だった。絶望的な表情をする夫婦に、医師はある提案をする。「福岡にあるS病院」への紹介だ。男性不妊の治療に力を入れているその病院なら、可能性を見いだせるかもしれないという。
ぺ子さんは「『あのときもう少しだけ治療していたら…』と思う可能性があるなら、貯金がなくなってでも治療したらいいと思っています。人生一度きりですから。後悔のないように夫婦でしっかり話し合い、決断されるのがいいのかなと思います」と思いを明かした。
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