コーヒーで旅する日本/関東編|溢れるアイデアで“濃度の高い”魅力を発信。「自家焙煎コーヒー角打ち VIVA COFFEE」が伝えたいコーヒーの可能性とは
東京ウォーカー(全国版)
巨大マシンを活用した贅沢な自家焙煎
コロナウイルスが世間を騒がせはじめたころ、もっと生活に寄り添ったコーヒーを伝えたいと思い、自分の店を開業しようと決意。「VIVA COFFEE」を開業したのは2021年のことだ。根幹にあるのは、苦手を克服させてくれたコーヒー体験を訪れた人にも実感してほしいということ。こだわりと遊び心に溢れたコーヒーや空間を用意し、人々を迎えてくれる。
「角打ちスタイルを取り入れたのは、コーヒーを楽しんでもらうためには、まず気軽さが必要だと思ったから。もちろん、雑味がなく飲みやすいスペシャルティコーヒーを用意しています。豆はエチオピアをはじめ、世界各国の農園から時期ごとに最良のものを厳選。常時10種類ほどを取りそろえています」
「豆は半熱風式の『Giesen』を使って自家焙煎。15キロの大型サイズですが、一度の焙煎量は1〜5キロ、最大でも7キロ程度と焙煎機容量の半分以下しか投入しません。すると大型なので蓄熱量が大きく余裕があるため、ボトム(温度が下がるタイミング)からの熱量の回復が早い。そして高い温度をキープできるので浅煎りでも芯までふっくら熱を入れることができ、狙った香りやおいしさにつなげる焙煎ができるんです。贅沢な使い方ですけど利点が大きいんですよ」
抽出方法はエスプレッソ、エアロプレス、ハンドドリップから選べるが、基本は「ハリオSwitch」でハンドドリップ。ネルフィルターを使用しているが、これは網目やサイズなど細かく特注したものでこだわりが強い中川さんらしいセレクトだ。ネルの特徴としてペーパーに比べると目が粗く、その分コーヒーオイルも落とせるため、コクが強く出て満足感のある風味に仕上がる。
コーヒーをワイングラスで提供するのもユニーク。マグカップとは違い、上部にコーヒーの香りがたまりやすく、自慢の豆の風味をより一層感じられるのがポイントだ。またコーヒーはもちろん、エスプレッソやカフェラテでもコーヒー豆が選べるうれしいサービスも。それぞれ豆の味の違いを楽しむために提案しているメニューなので、こちらもぜひチェック!
「単にコーヒーを飲んで終わり、だとなんだかもったいない気がして。いろんなメニューを用意して選ぶ楽しさまで提案するようにしています。メニューのなかで特におすすめなのが、コーヒーを日本酒の熱燗で抽出する『燗コーヒー』。コーヒーと日本酒はどちらも水が大事。それから飲み方にもホットとアイス、熱燗と冷酒など同じ液体をさまざまな温度帯で楽しめるという共通点があることに気づいて、合わせてみたらおもしろそうだなと思ったんです。コーヒーは約98%が水、残りはコーヒーエキスでできているので、水の部分を日本酒に変えたらどうなるんだろうという、好奇心から生まれました」
「実際に飲んでみると、思った以上においしくて。コーヒーの風味のなかから、日本酒の甘さがふわりと広がって、もう相性は抜群です!まずは日本酒をそのまま冷(ひや)で、次に熱燗を。そのあとはコーヒーグラウンズ(抽出後に出る粉)を使ったおつまみと一緒に、エアロプレスで淹れた『燗コーヒー』を味わう、コース仕立てで楽しんでもらっています。ネーミングはダジャレなんですが、そうするとハードルが下がって試しやすく、実際に飲んでみて想像を超えるおいしさを体験することで、“コーヒーって楽しい!”と感じてもらうことができる。コーヒーの楽しさを伝える意味でも、このようなユニークなメニューを今後も提案していきたいと思っています」
まさに酒屋の角打ちのように気軽なロースタリー「VIVA COFFEE」。店内は珍しいコーヒー器具やオリジナルグッズが並び、中川さんのコーヒー愛と遊び心が詰まった唯一無二の空間。ほかにも全国各地から厳選した酒、コーヒーがついた曲を集めた大量のレコードなどがあり、同店のおもしろさはまだまだ語り尽くせない、そんな魅力に溢れた一店だ。この場所に集まる人、情報、感動、楽しさといった魅力を通して、中川さんが伝えたいコーヒー体験は多くの人に発信されていく。
中川さんレコメンドのコーヒーショップは「二坪喫茶アベコーヒー」
「神奈川県川崎市にある『二坪喫茶アベコーヒー』。店主の阿部まりこさんは前職の『株式会社アマナ』時代に一緒に働いて、広告制作のプロデューサーからコーヒー店のオーナーに転身したんです。開業前に相談を受け、コーヒーのノウハウを指導した私にとって唯一の弟子。彼女はゼロからのスタートでしたが、センスがよく、エスプレッソはメルボルンで修業するなど向上心に溢れた人物です」(中川さん)
【「自家焙煎コーヒー角打ち VIVA COFFEE」のコーヒーデータ】
●焙煎機/Giesen 15キロ(半熱風式)
●抽出/ハンドドリップ(エアロプレス・ハリオSwtich、Kalitaウェーブ)、エスプレッソマシン(Slayer ESPRESSO V3 2Gr)
●焙煎度合い/浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり(600円〜)
●豆の販売/100グラム990円〜
取材・文/GAKU(のららいと)
撮影/大野博之(FAKE.)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
この記事の画像一覧(全13枚)
キーワード
- カテゴリ:
- タグ:
- 地域名:
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約1100カ所の紅葉スポットを見頃情報つきでご紹介!9月下旬からは紅葉名所の色付き情報を毎日更新でお届け。人気ランキングも要チェック!
全国約700カ所のイルミネーションを、エリアやカレンダーから探せる完全ガイド!クリスマスマーケット情報も!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介






