「己の庭でデカイ顔するな!」伝説の元極道が激怒。組長をオモチャにする“野良猫”の正体【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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元極道と野良猫――。「仲がいいのか悪いのかわからないけど、ほっこりする」「猫の無表情がたまらなくかわいい」一度読んだ人は、ハマって抜け出せなくなる片倉頼さん(@kata_yoli)の『オヤジとにゃん吉』を紹介しよう。どちらも世知辛い世の中を生き抜いてきた強者同士の戦いがおもしろい。


「己の庭でデカイ顔をされて、黙っているほど老いぼれちゃいねぇ!」

画像提供:(C)片倉頼/小学館

画像提供:(C)片倉頼/小学館

画像提供:(C)片倉頼/小学館


鬼門組四代目組長・松方久秀は、組同士の抗争を取りまとめた伝説の男。今は代を譲り、1人寂しく余生を過ごしていた。そこに、まんまるフォルムの野良猫がふらりと庭を訪ねてくる。野良猫は三代目から引き継いだ盆栽の棚に座り込むと、ちょいちょいと手で盆栽を落とす。

大切な盆栽を壊された元組長は「己の庭でデカイ顔をされて、黙っているほど老いぼれちゃいねぇ!」と立ち上がった。引退したとはいえ、いまだ迫力の残る松方の怒声に、しかし野良猫はまったく我関せずといった風態。ほうきを持って、野良猫を追いかけ回すが――。

「ヤクザと猫」のお題から誕生!猫アレルギーの作者が叶わぬ夢を詰め込んだ作品


伝説と言われた元組長が、たかが野良猫一匹に翻弄されるドタバタコメディ。本作が生まれたきっかけについて作者に聞くと、「数人の漫画家で『ヤクザと猫』というお題で描く企画があり、それが始まりでした。猫のとてつもない魅力とそれによって激変する人間を見て衝撃を受けたことがあったので、それを描きたくて詰め込みました」と話した。

無表情のにゃん吉の「まんまるフォルム」は完全に作者の趣味で、「自分が思う一番かわいいフォルムを目指しました!」とのこと。にゃん吉の猫種は「雑種」という設定だが、元々は「マンチカンとたぬきのハーフ」という謎の設定から始まったという裏話も明かされた。

本作を読んでいると猫愛を感じるが、猫を飼っているのか尋ねると、「ありがとうございます!実は私の元に猫がいたことはありません」と意外な回答が。「長く一緒に過ごすと目や手が赤く腫れたり痒くなってしまうので、猫との生活は叶わぬ夢なんです。『オヤジとにゃん吉』には叶えられない夢を詰め込んでます」と、作品への特別な想いを語った。

「猫であって、人間には知ることはできない」それが面白い


ドタバタコメディを描くうえで気をつけていることは、「にゃん吉は猫であって、彼が思っていることは我々人間には知ることはできないということです。見てる人間が勝手に解釈して、一喜一憂する。そこがおもしろいし、愛おしいと思ってます」と、猫の「無表情の魅力」を強調した。


取材協力:片倉頼(@kata_yoli)
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