「おじいちゃんのところに行ったのかもね」愛犬があとを追う!?郵便配達員が見た“絆”に涙腺崩壊!【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
現役の郵便配達員たちが体験した不思議な出来事を集めた「郵便屋が集めた奇談」。そのなかでも読者の涙を誘ったのが、あるおじいさんと愛犬の最期を描いたエピソードである。人が亡くなった時、その人を深く慕っていたペットがほどなくして旅立つという話を耳にしたことのある人は多いだろう。町の隅々へ配達に出向き、住民の暮らしと近い距離にある郵便局員たちは、そうした現象を実際に見聞きすることが少なくないという。
「大好きだったんですね」読者の涙を誘った別れの実話と寄せられた共感の声
作品公開後、コメント欄には「おじいちゃんが大好きだったんですね。追いかけるように旅立ったのかも」「祖父が亡くなって半年後に猫も天国へ…。ついていったのかなと思わずにいられない」といった共感や体験談が相次いだ。
一方で、「私が行くまで待ってくれているでしょうか」「亡くなったインコを思い出しました。久しぶりにお墓に行きたくなった」など、先に旅立ったペットを思い返す読者の姿もあり、愛情の深さが画面越しにも伝わってくる。
自身の祖父と老猫の絆——作者の身にも起きた“同行”の記憶
このエピソードを漫画化した送達ねこ
(@jinjanosandou)
さん自身も、似た出来事を経験しているという。祖父の葬儀の最中、長年同居していた老猫が同じ日に息を引き取り、祖父への献花を分けてもらって猫の棺が花で飾られた。
祖父はもともと猫好きではなかったが、引退して家にいる時間が増えると猫との距離が変わり、世話をし、遊び棚を作り、並んでテレビを見るほどの仲になっていたという。言葉を持たない存在でも気持ちは通じるのだと、当時の家族の言葉がその確信を強めた。
きっかけは同僚の「奇談メモ」。物語、脚本化経験、新たな仕事道具が揃い、作品化をスタートさせた
送達ねこさんが「郵便屋が集めた奇談」を描き始めたきっかけは、同僚が持っていた「不思議な体験メモ」だった。詳細不明のものも多かったが妙に心をつかむ話ばかりで、自身がラジオドラマの脚本を手がけた経験から「これは読み物として形にできる」と感じたという。
漫画制作ソフトを手に入れたタイミングも後押しとなり、作品化をスタート。今では別の郵便局に勤める同僚たちからも次々と体験談が寄せられ、作品世界は広がり続けている。送達ねこさんは「配達があるので怖がってばかりいられない郵便屋たちが、それでも怪異と向き合ってしまう。その素朴さを描いています」と語る。「いろいろなところに配達に行く郵便屋さんならではのお話!!」「こういう不思議で怖い話って好き」と読者から好評の奇談の数々を、あなたもぜひ覗いてみては?
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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