早すぎる親の介護…母が亡くなり突然始まった父の介護生活!令和の介護録270日に共感の声続出!【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
家族の介護という問題に、いつか向き合わなければならない人も多いはず。もしもそれが、予期せぬタイミングでやってきたら…?実際に母親の死や家族の介護に向き合ったコミックエッセイが、X(旧:Twitter)で話題を集めている。この漫画を描いたのは、「発達障害グレーゾーン」の特性を持つクロミツさん(
@kuromitsu1510
)。「甘え」「怠慢」と世間から疎まれる「生きづらさ」を描いた作品『灰低 生きづらい+グレーゾーン』や、脳腫瘍に苦しむ父親の介護生活を描いた『電子書籍と親父の介護』を発表している漫画家だ。
「ひとりで抱え込まないで」作者が込めた読者へのメッセージ
本作『令和介護録270日』は、作者・クロミツさんが2018年に父親が倒れたことをきっかけに描き始めた、実体験にもとづく作品だ。介護のなかで特につらかった出来事について、クロミツさんは「父は、倒れてから軽い認知症を発症しました。そのため、私とささいなことで“言い争い”や“衝突”を繰り返すようになってしまい、それがつらかったですね」と振り返っている。
物語は、母親を亡くしひとり暮らしとなった父親を心配した弟から「実家に戻って同居してほしい」と頼まれるところから始まる。主人公はこれまで、自分の生き方を理解してもらえず帰省のたびに叱責されてきたこともあり、父親に対して苦手意識を抱いていた。それでも「今まで親孝行らしいことをしてこなかったから」と、自分なりの区切りとして実家に戻る決意をする。
小さな衝突を重ねながらも穏やかに過ぎていく同居生活。しかし半年が過ぎたころ、父親が突然倒れたとの知らせが届く。病院で告げられたのは、脳に異常が見つかり一週間後に緊急手術を行うという現実だった。
母親を亡くしてから間もない時期に起きた出来事に、主人公は大きな不安を抱えながら手術の日を迎える。待合室で父親を待つ間、「まだ母さんのところへ行くには早い」と、ただ祈るしかなかったという。読者からは、「家族の形は本当に人それぞれ」「今を大切にしようと思えた」といった共感の声が寄せられている。
クロミツさんは、同じ立場にいる人へ向けて「つらいと感じたらひとりで抱え込まず、誰かを頼ってほしい」とメッセージを送る。距離のあった父親との同居と介護を率直に描いた本作は、静かに心に残る一作だ。気になる人は是非読んで欲しい。
画像提供:クロミツ(@kuromitsu1510)
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