「サボれる」と聞いて入った陸上部→「さよなら陸上部!」退部の願いを込めて投げた砲丸が、まさかの伝説を作ってしまった件【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
学校の部活動が必須だった学生時代、誰もが意欲に燃えていたわけではない。SNSやブログで活動する漫画家・むめいさん(
@mumei10101
)が投稿したエッセイ漫画『無気力中学生の一大プロジェクト!!!』は、そんな「やる気ゼロ」の入部から始まった予想外の展開を描き、X(旧Twitter)で3.3万件を超える「いいね」を集めて話題となった。
「サボれる」はずの陸上部で待ち受けていた運命
中学入学当時、部活をやりたくなかったむめいさんは、友人から「部員が多いからサボれる」「足が痛いと言ってすぐ退部する人も多い」と吹き込まれ、陸上部への入部を決めた。「3カ月後にはやめてみせる」という決意を胸に過ごしていたが、顧問から命じられたのは、先輩とのマンツーマンによる砲丸投げの指導だった。
威圧感のある先輩に怯えたむめいさんだったが、実はその先輩は非常に心優しい人物だった。部活をやめたいという相談にも「先生が見に来たときだけがんばって」と協力してくれたことで、目標の3カ月を過ぎ、気づけば5カ月が経過していた。
さよならのつもりが「伝説」の始まりに
最初で最後の大会と決め、お世話になった先輩のために真面目に取り組んで終わろうと考えたむめいさん。しかし、「さようなら陸上部」と願いを込めて投げた砲丸は、まさかの大会新記録を樹立してしまう。思わぬ快挙によって周囲の注目の的となり、さらに1年間も部活に留まることになったという、漫画のような結末が描かれている。
読者からは「才能しかない」「熱すぎる展開」と驚きの声が相次いだ。今作を執筆したきっかけについて、むめいさんは「以前描いたバレー部の体験入部エピソードの際、読者から『結局何部に入ったの?』と質問があったから」と明かす。
進化し続ける独自の画風と表現力
むめいさんの魅力は、著書『へたくそなのに泣くほど笑える! カッラフルなエッッブリデイ』にも表れている独特な画風だ。今作では先輩の顔が砲丸に重なる描写など、表現力がさらにパワーアップしている。
作画の変化について、むめいさんは「以前よりも漫画のコマを大きくするように変えた」と語る。作業量は増えたものの、小さなコマでは描ききれない絵や背景の色使いで遊べるようになったことが、創作の楽しさにつながっているようだ。積み重ねられた表現の引き出しが、多くの読者を惹きつける要因となっている。
取材協力:むめい(@mumei10101)
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