夜9時半、連絡がつかない父を心配して実家のドアを開けたら…「父が全裸で倒れていた」一人娘が見た地獄絵図【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
母親の自宅介護と看取りを綴った『20代、親を看取る。』で大きな反響を呼んだキクチさん(
kkc_ayn
)。その2年後、今度は一人暮らしをしていた父親が病に倒れてしまう。母の経験があるからこそ落ち着いて対応できる一方で、一人っ子としてすべての決断を一人で背負う重圧。コミックエッセイ『父が全裸で倒れてた。』は、誰もが避けて通れない「親の老いと死」のリアルを鋭く描き出す。
消えた父との連絡、駆け巡る不安
原因が全くわからない、父親の体調不良。母の死後は頻繁に会いに行き、父もよく食べる方だったため、キクチさんは当初、最悪の事態など全く予想していなかった。病院での診断は「新型コロナかインフルエンザの後遺症ではないか」という納得感のあるものだったが、あるとき突然、父と連絡が取れなくなる。
「もし既に手遅れの状態だったら……」。激しい胸騒ぎを覚え、夜の9時半にパートナーと共に急きょ実家へと向かった。タクシーのなか、震えが止まらないキクチさんを励まし続けたのはパートナーだった。「お義父さんは携帯の通知に気づいていないだけだよ。何もなければ叱って、すぐ帰ろう」。その言葉に救われながらも、タクシーの時間は最も長く感じられたという。
パニックを抑えるために想定した「最悪の少し手前」
タクシーのなかで、キクチさんは必死に心をコントロールしていた。「最悪の事態を想像するとパニックになりそうだったので、考えないようにしました。『体調がひどく悪化してベッドで寝込んでいるだけかもしれない。まずは無事を確認して、翌日に病院へ連れていこう』と、“最悪よりちょっと手前くらい”までを想定していました」。
母を看取った経験があるからこそ、その「手前」の状況がどれほど過酷であるかがわかる。つらい状況のなかでも、淡々と、ときにクスリと笑える場面を挟みながら描かれるキクチさんの物語。一人暮らしの父が全裸で倒れていたという衝撃の光景を前に、彼女が何を感じ、どう動いたのか。手に汗握る展開のすべてを、ぜひ見届けてほしい。
取材協力:キクチ(@kkc_ayn)
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