「私がいない方が、仕事が回る…?」パワハラ上司が改心するラストに、読者の共感が止まらない!お局様が自分の「心のブス」に気づくまで【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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「この資料、何がダメなのかわかる?」――威圧的な態度と冷徹な口調で後輩を追い詰める教育係・坪川。謝罪する相手にさらなる追い打ちをかける彼女は、典型的なパワハラ上司だ。しかし、周囲から頼られている自負があった彼女に突きつけられたのは「教育係解任」という非情な宣告だった。

12万いいねを獲得した『同じ顔の女』の著者・白梅僚人(@eiichi_manga)が描く新作『心のおブス絶対殺すマン』は、無自覚に毒を吐く女性が、自らの「心のブス」と向き合い改心するまでの過程を鮮烈に描く。

「自分がやった方が早い」という慢心が生んだ、職場の毒

心のおブス絶対殺すマン(1)画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)

心のおブス絶対殺すマン(2)画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)

心のおブス絶対殺すマン(3)画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)


坪川は決して仕事をサボっているわけではない。むしろ一生懸命取り組んでいるからこそ、「できない人」が目につき、感情をコントロールできなくなっていた。上司から教育係を外された際も、自分が会社に必要ないと突きつけられたショックで立ち尽くす。

そんな彼女の前に現れたのは、自称・魔法少女。坪川は「心のブス」を退治するという名目で、強制的に声が出なくなる魔法をかけられてしまう。風邪を理由に沈黙を守る日々。そこで彼女が目にしたのは、自分が口を出さないことで逆に活気づき、雰囲気が良くなっていくチームの皮肉な現実だった。

パワハラは「非合理的」。作者が込めた「加害者への救い」


作者の白梅は、自身が過去に受けた実習先でのパワハラ体験が制作のきっかけだったと語る。当時、指導者の言動に不快感を抱きつつも、ある時「相手には指導の余裕や感情をコントロールする心の余裕がなかっただけではないか」と気づいたという。

「指導者の指導内容そのものには、ためになる部分があったかもしれない。相手の印象が、“パワハラする怖い人”から“適切な指導や感情コントロールする心の余裕がない人”になった」

この視点の転換が、本作のラストに繋がっている。パワハラという行為は組織にとって非合理的だ。それでも手を出してしまう人は、実は自らも追い詰められ、苦しんでいるのではないか。白梅は、周囲に嫌われながらも仕事に邁進してきた主人公をただ突き放すのではなく、改心という形で「救い」を与えた。

誰もが持つ「心のブス」を退治して、より美しく生きる


物語の見どころは、無自覚な加害者であった坪川が、自らの言動を客観視し、最後に見せる変化の瞬間だ。また、魔法少女の補佐として登場するたぬきのキャラクター「たぬきゃ」の可愛らしさも、重くなり勝ちなテーマを和らげる良いアクセントとなっている。

「人間は誰しも本作の主人公のように『心のブス』を持っている。しかし、ちょっとしたきっかけがあれば退治してより美しく生きていくことができるはず」

この確信に基づいた結末は、職場の人間関係に悩むすべての人に、自分を振り返るきっかけと希望を提示する。


取材協力:白梅僚人(@eiichi_manga)
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