【ネコ漫画】売れ残りの成猫→「どうせ誰も欲しがらない…」差し出された紳士の手と、“ふくまる”という名に込められた奇跡の物語【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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ペットショップで1歳になろうとしていたその猫は、かつて32万円だった価格が9万円まで下がってもなお、誰にも見向かれずにいた。「かわいくない」「もう成猫じゃん」。心無い言葉を浴び、ガラス越しの世界で「私にゃんて……」と心を閉ざしていた彼。そんな諦めの淵にいた彼の前に現れたのは、「この猫をください」と静かに告げる一人の紳士だった。

桜井海(@sakurai_umi_)さんが描く『おじさまと猫』は、累計数百万部を突破し、「次にくるマンガ大賞」など数々の賞に輝いた感動作。孤独を抱えた一人と一匹が、お互いを「かけがえのない存在」として見出していく再生の記録だ。

「返品にゃんか嫌だ!」 怯える猫を抱き上げた、亡き妻との約束

【漫画】「おじさまと猫」を読む画像提供:(C)Umi Sakurai/SQUARE ENIX

「おじさまと猫」第1話02画像提供:(C)Umi Sakurai/SQUARE ENIX

「おじさまと猫」第1話03画像提供:(C)Umi Sakurai/SQUARE ENIX

紳士な「おじさま」こと神田は、かつて妻と交わした「子供の手が離れたら猫を飼おう」という約束を胸にショップを訪れた。最愛の伴侶を亡くし、広い家で一人静かに暮らしていたおじさま。彼は、周囲から敬遠されていたブサカワなエキゾチックショートヘアの成猫に、自分と同じ「孤独」の影を見たのかもしれない。

「うちの子におなり」

おじさまの温かな腕の中で、怯えていた猫は初めて「名前」をもらう。出会えたことが幸福だからと名付けられた名は「ふくまる」。スマホでの撮影に四苦八苦したり、キャットタワーを買い揃えたり。仕事道具を遊び場にするふくまるとの何気ない日々が、凍りついていたおじさまの時間を少しずつ溶かしていく。

「1話目のふて腐れた顔」が、今は幸せでいっぱい。作者・桜井海が込めた想い


作者の桜井海さんは、ペットショップで売れ残る動物たちの悲しい現実を目にし、「彼らに飼い主さんが現れてほしい」という願いから筆を執った。

世の中は悲しいことで溢れていますが、目線を変えるだけで見えてくる優しさが必ずあるはず。そんな部分に気づけるようなお話を描きたい。

連載開始から数年が経ち、最新13巻まで物語は進んだ。桜井さんは、1話目で「どうせ……」とあきらめていたふくまるの顔と、今の幸せいっぱいの表情を比べると、作者自身も込み上げるものがあると語る。


取材協力:桜井海(@sakurai_umi_)
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