葬儀のあとに猫も逝った…「一緒にお散歩したかった?」孤独だった祖父を変えた“晩年の親友”との、不思議な絆に震える【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
現役の郵便配達員たちが体験した不思議な話や怖い話を漫画化した『郵便屋が集めた奇談』が話題だ。今回紹介するのは、配達先のおじいさんと愛犬にまつわるエピソードである。
人が亡くなった際、その人が愛情を注いだペットも時を同じくして亡くなる…という不思議な現象を耳にしたことがある人は少なくないのではないだろうか?日ごろから町の隅々まで配達をして回り、住民たちと浅からぬ関わりを持つ郵便局員たちは、そういった現象を目の当たりにすることがあるという。
飼い主を追って逝くペットたち
本作を読んだ読者からは「おじいちゃんのこと、大好きだったんですね…。一緒にお散歩したくて追いかけてっちゃったのかも」「実はうちも祖父が亡くなった半年後に猫さんも…。けっこう歳だったし、病気持ちだったのだけど、やっぱり祖父についていったのかなあ」と、共感の声が殺到した。
また、「ウチの犬、亡くなってもう4年も経ちましたが、私が行くまで待っていてくれるでしょうか(泣)」「5年ほど前に亡くなった我が家のインコを思い出しました。今度の休日、久々にお墓に行ってあげたいです」という、先に亡くなってしまった愛するペットを思うコメントまで相次いだ。
この漫画の作者は、関東の郵便局で社員として現役で働いている送達ねこさん(@jinjanosandou)。同僚たちが体験した不思議な話を漫画化しているうちに、次々と話が集まってくるようになり、今回のエピソードも別のK局に勤める同僚・Hさんから届いた体験談である。
猫嫌いだった祖父の変貌
送達ねこさんいわく、「この現象は自分もいくつか見聞きしたことがあり、少なくない事例なのではと思います」とのこと。実は、送達ねこさん自身も不思議な体験をしている。
「自分の場合は、祖父のお葬式のときに同居していた老猫が時を同じくして亡くなり、祖父への献花をもらって、猫も花でひつぎを飾られました」
実は祖父は猫好きではなかったという。実家では触る姿を見たこともなかった。でも、あるとき帰省したら、すごくかわいがるように変わっていたそうだ。「母が言うには、引退してから家でふさぎがちだった祖父が、猫の世話をするようになって仲よくなったようです。猫の遊び棚を作ったり、並んでテレビを見る様子は本当に一緒に楽しんでいるようでした」
ずっと仕事だけだった祖父には、肩書も何もなく親しめる友人が晩年にできた気持ちだったのかもしれない。
郵便屋が集める「現代の民話」
「『(猫に)先に逝かれるのを考えると涙が出る』と話したこともあったようで『おじいちゃんが寂しくないように少しあとで追いかけたのかも。言葉がなくても気持ちが通じるものがあったのかもしれない』と葬儀のあとで母が話してくれました」
送達ねこさんが『郵便屋が集めた奇談』を描き始めたきっかけは、同僚から「現代の民話集をやってみたい」とメモを見せてもらったこと。自身がNHKのラジオでドラマ脚本を書いていた経験もあり、構成できるかもしれないと考えた。
本作以外にも、配達先で体験した怖い話・不思議な話が多数収録してある『郵便屋が集めた奇談』。「配達があるので怖がってばかりもいられず、ただただ怪異に出合う郵便局員たちの話がそろっています」と語る。日本のどこかの町でひっそりと起こっている“怪異”をぜひのぞき見してみよう。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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