コーヒーで旅する日本/四国編|カメラをポットに持ち替えて。のどかな山懐で気持ち解ける、職人気質の一杯。「Coffee stand CANS Hutte」
東京ウォーカー(全国版)
日常を忘れさせる、開放感に満ちたカフェタイム
試行錯誤を重ね、現在、自店では、コスタリカとエチオピア・シダモを合わせた中深煎りブレンドと、エチオピア・シャキソ・オーガニックの深煎りという、二本柱でコーヒーを提案。奥四万十の天然湧水を使って淹れる、透明感のあるまろやかな香味は、じわりと染みわたるような柔らかな余韻が印象的だ。奥様お手製のベイクもまた、スペルト小麦やグラスフェッドバター、内子町の山放ち有精卵など、素材を吟味した滋味深い味わいが好評。なかでも、無農薬米粉を使ったマフィンは、「米粉を使って、この食感はなかなか出せないはず」というふっくらとした生地の柔らかさと、素朴な甘味があとを引く口どけのよさが自慢だ。また、「子どものためのメニューも作りたい」と考案したミルクコーヒーソフトクリームも、1年を通して人気だ。
「スタンドでは時間がかかりすぎるから、今はペーパードリップですが、本当は席のあるカフェをしたかったので、もしできたらネルドリップもやるかもしれない」。これまで、さまざまな仕事を経て、今やすっかりコーヒーの仕事に邁進する石戸谷さんだが、これが天職になるのか聞いてみると、「今の世の中、すごい勢いで変わってますから、先のことはわかりません(笑)」とのこと。それでも、コーヒーならではの楽しさがあるという。
「お客さんと直接顔を合わせてやり取りができることが大きい。また、店をしていると、知らない場所でも、自分のことを知ってくれているお客さんがいて、地域に溶け込むにも助けにもなります。店を始めてから地元の方とのつながりも広がって、ときに野菜や米を差し入れてくださる方もいらっしゃる。また同じ移住者同士だと、パン屋さんとかソーセージ屋さんとは、コーヒー豆との物々交換でやり取りしている店もありますよ」。そんな大らかな土地柄も、この店を形作る魅力の一つになっている。
いまや、ドライブやおでかけの立ち寄りスポットとして、界隈に定着しつつある「CANS Hutte」。ジャンルで言えばコーヒー専門店ではあるが、店のスタンスはいたって鷹揚だ。「コーヒーは勉強が必要というイメージがありますが、そんなことはないと思う。むしろ、もっと自由でいい。ここでは抽出のときにスケールとかタイマーとか使わないですし、それでも喜んでもらえる一杯は作れるはず」。もとより、開放感あふれるこの店に、難しい話は似合わない。日常を忘れて飲む一杯にこそ、ここに来る理由があるのだから。
石戸谷さんレコメンドのコーヒーショップは「手焼珈琲RODAN」
次回、紹介するのは、愛媛県伊予市の「手焼珈琲RODAN」。
「梼原に来たばかりのころ、地元のコーヒー店を巡っているときに、伊予市の焙煎所を訪ね、その後、松山にある姉妹店のカフェにもうかがいました。直接の交流はないのですが、訪ねたときに、何となく自分の志向と似たものを感じました。コーヒーは深煎り・ネルドリップのみと、独自のスタイルを貫いて、長年、続けてこられた店として、リスペクトするところが多い一軒です」(石戸谷さん)
【Coffee stand CANS Hutte のコーヒーデータ】
●焙煎機/手回し焙煎機1キロ
●抽出/ハンドドリップ(ハリオ)
●焙煎度合い/中深~深煎り
●テイクアウト/あり(450円~)
●豆の販売/ブレンド1種、シングルオリジン1種、150グラム1100円~
取材・文/田中慶一
撮影/直江泰治
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
この記事の画像一覧(全12枚)
キーワード
- カテゴリ:
- タグ:
- 地域名:
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国1400カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介







