「犬が憑いているからお祓いしろ」占い師の言葉で神社へ行くも…。愛犬の霊を除霊しに神社へ行ったら“涙の結末”【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
双子の野々子(ののこ)と菜々子(ななこ)。ある日、野々子が「菜々子の肩に、昔飼っていた愛犬『タロ』が憑いている」と言い出したことから物語は始まる。「見えているから落ち着かない」と除霊を勧める野々子に対し、菜々子は「タロなら憑かれていてもいいのに」と、どこか浮かない表情。
神社へ向かった二人は「除霊はできない」と断られつつも、とりあえず御祈祷を受けることに。しかし、帰り道にタロが遠吠えと共に姿を消してしまう。愛犬が去ったことに焦る菜々子。しかし、その焦燥の裏には、読者の想像を絶する切ない真実が隠されていた――。
sakura(@side_sinmom)さんが描く短編漫画『犬に憑かれた女の子が除霊できない話』。わずか8ページの中に仕掛けられた鮮やかな伏線と、ラストの衝撃がSNSで大きな話題を呼んでいる。
「最後まで驚かせたい」。タロを“カモフラージュ”にした緻密な構成
本作は、漫画講座「コルクマンガ専科」の課題として、「憑依」というテーマで描かれたものだ。ホラー映画好きのsakuraさんが最もこだわったのは、エンターテインメントとしての「驚き」だった。
伏線は貼るのですが、それをカモフラージュさせるためにタロをダシに使いました。どうにかして最後までバレずに驚かせたいという強い思いがありました、とsakuraさんは語る。
読み返すと、何気ない二人の会話や神社でのやり取りが、すべて結末への階段であったことに気づかされる。その構成の妙こそが、読者の「胸がぎゅっと切なくなる」という深い感動を呼んでいるのだ。
「実話」から生まれた物語。除霊を断られた経験が、肯定的な死生観へ
驚くべきことに、物語の前半部分はsakuraさん自身の「実話」がベースになっている。
私自身が占い師に『犬が憑いている』と言われたことがあります。昔飼っていた犬だったんですが、それを強くお祓いしろと言われて……。近所の神社に行ったら『除霊はしてません』と断られました(笑)、と意外なエピソードを明かしてくれた。
しかし、その経験が「可愛がっていた犬を無理に祓う必要はないのでは?」という考えに繋がり、愛する存在と一緒にいたいという強い想いを描くきっかけとなった。「仲良しの双子」という設定も、ずっと同じ時間を過ごしてきた二人だからこそ表現できる、絆の強さを象徴している。
「誰かの救いになる漫画を」。内側にテーマを秘めた創作活動
sakuraさんは今後、これまで描いたテーマの中から一つを選び、32ページの作品として仕上げる予定だ。
読んだ人が少しでも気持ちが楽になったり、抱える苦しみから救いになれたら――私も漫画を描く意味があったと思えます。おもしろおかしい話というよりは、内側にしっかりテーマを持ちつつ形にしていきたいです、と意気込みを語る。
『犬に憑かれた女の子が除霊できない話』は、単なるミステリーやホラーの枠を超え、遺された者の愛情や死生観を問いかける。タロと野々子、そして菜々子。三者の関係性が明らかになった時、物語は全く別の輝きを放ち始める。
■取材協力:sakura(@side_sinmom)
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