ヨーロッパから、いつもの食卓へ。「FOODEX JAPAN 2026」で見つけたヨーロッパの優しい味
東京ウォーカー(全国版)
春の気配が近づく3月。東京ビッグサイトでは、アジア最大級の食の祭典「FOODEX JAPAN 2026」が開催され、おいしいものを愛する人たちの心地よい熱気に包まれていた。世界中から数え切れないほどの飲料食品が集まる中で、ひときわあたたかい賑わいを見せていたのが、鮮やかなグリーンで彩られた欧州連合(EU)パビリオンだ。
EUパビリオンでは、乳製品やチーズ、オリーブオイル、食肉、菓子類、飲料などの欧州産品の背景にある伝統、真正性、そして厳格な基準が効果的に発信された。ライブクッキングデモンストレーションや専門的な商品ワークショップ、継続的な試食提供を通じて、来場者は欧州産品の独自性と信頼性を直接体感することができた。
見て、味わって。認証された品質を体感できる体験
たくさんの人で賑わったEUパビリオンでは、植木将仁シェフやアントニーステットレーシェフといったプロの料理人たちが腕を振るうライブクッキングも大人気だった。ヨーロッパの食材が、私たちの馴染み深い日本の食文化にどれほど自然に溶け込むのか。EU産食材が日本の料理の価値を高めることを実証するとともに、これら高品質な製品が日本市場において自然に適合することを改めて示した。
さらにEUパビリオンのあちこちでは、生ハムやチーズ、愛らしいお菓子などの試食に加え、生ハムとワインやチョコレートとスピリッツのペアリング体験、ビールやワインなどアルコール類の試飲も行われていた。バラエティー豊かな味覚を思う存分に楽しむことができ、訪れた人のお腹も心も満たしてくれる空間が広がっていた。
自然を大切にする暮らしは、ヨーロッパの人たちにとって特別なことではなく、毎日の食卓を守るための「当たり前のルール」だ。その姿勢が日本でも深く愛され、日・EU経済連携協定(EPA)の後押しもあって、今ではすっかり私たちの暮らしに欠かせないパートナーとなっている。
今回の総評:バイヤーたちが求める「誠実な基準」
今年のイベント全体を通して見えてきたのは、日本の食卓に食材を届けてくれるバイヤーたちの「選ぶ目」が、少しずつ変わってきているということ。
いま、ただ「おいしい」「安い」というだけでは、なかなか人の心は動かない。
「どこで、誰が、どんなふうに作ったのか」という道のりが、はっきりと見えること。地球の環境に、決して無理をさせていないこと。商品そのものに共感できるストーリーがあり、それが明日も明後日も、ずっと変わらず食卓に届き続けること。そんな、作り手の想いや配慮が感じられる基準が、何よりも大切にされている。その願いに、力強く応えてくれるのがEUの食材たちだ。
スーパーに並ぶヨーロッパ産のチーズや生ハムのパッケージで、赤や黄色、緑色の小さなマークを見かけたことはないだろうか。これらは「PDO(原産地名称保護)」や「PGI(地理的表示保護)」、「EUオーガニックロゴ」と呼ばれるもの。
たとえば「PDO」は、生産から加工までのすべての工程が特定の地域で行われ、その土地ならではの品質が詰まっていることの証。「PGI」は、少なくとも一つの工程が指定された地域で行われ、その土地と深い結びつきがあることを教えてくれる。そして「EUオーガニックロゴ」は、農薬や化学肥料に頼らない持続可能な農業や、動物にも優しい環境で作られたことを約束するものだ。
単なるデザインではなく、「特定の地域で、昔ながらの作り方を守って作られた本物である」「自然に優しい環境で育った」という、ヨーロッパからの確かなサインなのだ。明確な地理的表示および生産過程のトレーサビリティを確保することで、これらのラベルは、欧州食品の卓越性を形作る本物の職人技と地域の専門性に対する消費者の信頼を支えている。
アデリンさんに聞く、おいしさの理由と新しい挑戦
では、そんなヨーロッパの食材の魅力は、具体的にどういったところにあるのだろうか。駐日欧州連合代表部で通商部長を務める公使参事官のアデリン・ヒンドゥラーさんに尋ねてみると、その根底には「伝統」と「ノウハウ」、そして「真実性」があるという答えが返ってきた。
身近な加工食品であるベルギーチョコレートを例に挙げるとわかりやすい。最高品質の素材を生かす長い歴史と技術、そしてごまかしのない真実性が、あのおいしさをしっかりと支えている。さらに興味深いのは、ヨーロッパが「陸続き」であるという環境だ。ある国で培われた優れたノウハウが自然と国境を越え、結果としてヨーロッパ全体の食の品質を底上げする良い相乗効果を生み出しているという。
いつもの食卓を彩るヨーロッパの味
日本市場にやってきた食材たちは、確かな品質と作り手の想いをのせて、私たちのすぐそばのお店などにも並ぶようになっている。
見本市の会場に広がっていたあのおいしい熱気は、特別な日のごちそうだけのものではない。夕飯のサラダにサッとかけるオリーブオイルや、食後にほっと一息つきながらつまむチョコレート。そんな何気ないいつもの食卓を、これからもおいしく、そして豊かに彩ってくれるはずだ。
取材・文 = 北村康行、撮影 = 樋口涼
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