「祖母からの伝言だったのかも」震災で亡くした祖母とつながった奇跡の瞬間…看護師が再び前を向けた理由【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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担当した患者さんのご遺族から思いがけず祖母の話が。画像提供:ナース専科

幼いころから絵を描くことが好きだった漫画家のアヤ (@aokitaji) さんは、看護師・看護学生向けの総合WEBメディア「ナース専科」で、看護師の実体験をもとにした漫画を連載している。今回はその中から、東日本大震災の記憶と看護師としての葛藤を描いた作品「エンゼルケアができなくなった私に…」を紹介するとともに、災害時の医療現場や防災への思いについて話を聞いた。

エンゼルケアができない…祖母を失った看護師の後悔と葛藤

「エンゼルケアができなくなった私に…」01画像提供:ナース専科

02画像提供:ナース専科

03画像提供:ナース専科

物語の主人公は看護師として働いていた女性。東日本大震災の津波で、理容室を営んでいた祖母を亡くしてしまう。被災した状況のなかでも医療現場は止まることがなく、主人公は祖母の訃報を知ったあとも現場に立ち続けるしかなかった。

しかし、その出来事は心に深い影を落とす。祖母の死を受け止めきれないまま日々の業務に追われ、「エンゼルケア」ができなくなってしまったのである。エンゼルケアは亡くなった人の身支度を整える看護師の大切な仕事。それができないことに、主人公は強い後悔と自責の念を抱き続けることになる。

思いがけない再会がくれた“祖母からの言葉”

そんなある日、同僚の説得を受けて再びエンゼルケアを担当することになった主人公。患者のケアを行っているとき、付き添っていた家族がふとこんな話を口にする。「津波で流された○○地区に親族がいて、小さな床屋さんによく通っていたんです」

その店は、主人公の祖母が営んでいた理容室だった。思いがけない縁に気づいた家族は涙を浮かべながら祖母の話をし、主人公も胸がいっぱいになる。祖母を知る人と偶然出会ったその瞬間、主人公の胸にはある思いがよぎった。祖母が「看護師を続けなさい」と背中を押してくれているのではないか――。そう感じたことで、止まっていた心が少しずつ前を向き始める。

災害の現場で働く医療従事者への思い

アヤさんは、震災のような大災害のなかでも働き続ける医療従事者について、強い敬意を抱いているという。「コロナ禍の時期にも感じましたが、医療従事者の方々も当然混乱や不安や危機感を感じている環境下で、駆け込む患者さんたちを優先し安心を与えるべく動き続けています」。

その姿をメディアや実際の病院で目にするたび、感謝と尊敬の思いが湧くのだと語る。「その姿をメディアや自ら足を運んだ病院などでお見かけするたび、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになると同時に、この方々を十分にケアする環境や待遇を整えてほしいと心から思っています」。

災害はいつ起きるかわからない

2024年には石川県を中心に能登半島地震も発生した。災害に対する備えについてアヤさんは「避難バッグは一応用意してますが、中身は正直最低限の内容なので、今回の地震を機に明日は我が身と改めて感じたので、今一度見直して詰め直そうと思っております」と語る。

災害はいつ、どこで起きるかわからない。だからこそ日頃からの備えが重要だと改めて感じたという。また「ナース専科」で掲載されている漫画は、実際に看護師から寄せられた体験談をもとにした作品ばかりである。医療現場のリアルな出来事に興味がある人には、ぜひ読んでほしいと呼びかけている。

取材協力:アヤ(@aokitajimaru)

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