夫の服の取れかけたボタンを縫う妻に「もっと早く気づけ」と叱責…悲しげな妻の“おまじない”の意味を知り、後悔【作者に訊く】
東京ウォーカー(全国版)
日本の伝承に基づいた短編『アルマ骨董堂のふしぎ夜噺 』や『古書店ミチカケ 心晴れぬ日はいまを忘れてひとやすみ』など不思議でちょっと温かい話を描く、漫画家のかんさび(
@kansabi_kk
)さん。今回紹介する『外套とまじないの話』は、「服を着たまま針を使って縫い物をすると縁起が悪い」そんな古くからの言い伝えをもとに、おまじないを唱えながら縫うという習わしを題材に描いた創作作品。X(旧:Twitter)に投稿すると、1.6万いいねを獲得した(2026年3月23日時点)。その感動の物語をご紹介しよう。
おまじないは迷信なのか、それとも優しさなのか?物語から見えてくる人の思いやり
取れかけたボタンを縫う女性が、代々伝わるおまじないを口ずさむ。衣服を身に着けたまま針を刺すのは縁起が悪いという言い伝えから生まれた習俗だ。その夜、意味を知った男性が後悔を抱えて現れる。妻が直すときに「先に気づいて直しておけ」と叱ってしまったからだ。
作者のかんさびさんは、日本の習俗や民間伝承に惹かれ、物語を考えることが多いという。作品を描いたきっかけについては「さまざまな資料を調べている中で、日本に今も伝わるおまじないの言葉に出合いました。自分の幸せだけでなく、他人の幸せや魔除けを願って使われてきたおまじないが、形を変えながらも現代に息づいていることに人の優しさを感じ、お話にしたいと思いました」と明かしてくれた。
漫画を投稿すると、読者からさまざまな古いおまじないの話が寄せられたという。「このおまじないが、ほかの地域でも少しずつ形を変えて存在していることを知り、とても興味深く感じました。衣服を身に着けたまま針を刺すのは縁起が悪いという考えには、他人への思いやりや気遣いといった日本人らしさが表れている。科学の発展した現代でもなお存在していることにうれしくなりました」と話してくれた。
かんさびさんの「ほっこりとした気持ちになっていただけるよう心を込めて描いています」という言葉どおり、読み終えたあとにじんわり温かさの残る本作、「外套とまじないの話」ぜひ覗いてみてほしい。
取材協力:かんさび(@kansabi_kk)
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