ティモシー・シャラメ主演最新作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』を鑑賞。主人公が日本人のライバル選手に勝って世界一になるために奮闘する姿に大興奮の超必見作!
東京ウォーカー(全国版)
2026年3月13日より全国公開された『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は、1950年代のニューヨークを舞台に、実在する卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得て、ドラマティックな物語として完成させた作品。公開前に試写で観た本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。
【ストーリー】
1952年のニューヨーク。ロウアー・イースト・サイドにある手狭な靴屋の販売員マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)は得意のハッタリで靴を売り、合間には既婚者で恋人のレイチェル・マイズラー(オデッサ・アザイオン)との逢瀬を楽しんでいた。
販売員としての実績を認められたマーティは、経営者の叔父から店長への昇進を告げられるが、卓球の世界チャンピオンとして大成するという目標のために昇進の話に乗ろうとしない。
ある日、マーティは靴屋の金庫から航空券を買うための金を盗み、イギリスで開催される世界卓球選手権に出場する。イギリスの高級ホテルで見掛けた引退したアメリカ人女優ケイ・ストーン(グウィネス・パルトロウ)と、その夫でロックウェル・インクの社長ミルトン・ロックウェル(ケビン・オレアリー)に好機を見出したマーティは、2人に接近。
言葉巧みに自らの試合を見に来るよう説得したうえ、ケイとはそのまま愛人関係へと発展する。そのあとマーティは、新開発のラケットを武器に強豪選手を次々と打ち負かしていく日本人選手コト・エンドウ(川口功人)と大会で対戦するが、結果は惨敗。
そんな中、レイチェルの妊娠が発覚し、卓球協会からは選手資格はく奪を言い渡される。万年金欠のマーティはありとあらゆる手を使って、日本で開催される世界選手権への渡航費を稼ごうとするが…。
ティモシー・シャラメが卓球の世界チャンピオンを目指す男をエネルギッシュに熱演!
監督を務めたのは、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ主演『神様なんかくそくらえ』(2015年)、ロバート・パティンソン主演『グッド・タイム』(2017年)、アダム・サンドラー主演『アンカット・ダイヤモンド』(2019年/日本ではNetflixで独占配信のみ)を弟のベニー・サフディと共に手がけたジョシュ・サフディ。
これまではサフディ兄弟として世間から注目され、作品を世に送り出してきたが、今回は兄のジョシュ・サフディが監督と脚本を務めた渾身の作品となっている。
ジョシュ監督は、2017年に『グッド・タイム』のパーティーでティモシー・シャラメと出会い、そのあとすぐに連絡をしていたそうで、その時は彼が『君の名前で僕を呼んで』(2018年/アメリカでは2017年に公開)でブレイクする前だったという。このエピソードから、いち早くティモシーの才能に目をつけ、交流を深めながら信頼関係を築いていったことがわかる。
本作の主演を務めたティモシー・シャラメは、以前、
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2025年)のレビュー記事
でも紹介したが、今最も人気のあるハリウッド若手俳優だ。近年では『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023年)、『デューン 砂の惑星 PART2』(2024年)などの大作映画の主演が続いている。
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』では、卓球の世界チャンピオンを目指すマーティ・マウザーを演じている。これまで、わりとクールな役柄が多かったティモシーだが、今回のマーティは自信家で目的のためなら簡単にうそをつき、恋人(人妻!)を妊娠させてしまうなど、“クズ”と一言では言い切れない欲望に真っ直ぐな熱い男を好演。
試写で初めて観た時は、“俺は卓球界のトップになる!!”と、突き抜けた行動をするマーティにただただ圧倒されるだけだったが、劇場の大きなスクリーンで再鑑賞した際は、状況に合わせて瞬時に変わるマーティの表情や仕草など、どれだけ細かい芝居をティモシーが丁寧にやっていたのかに気づいて驚いた。ティモシーの新境地と言えるような芝居を引き出した“最低で最高のマーティ”というキャラクターは、観客を夢中にさせること間違いなしだ。
既婚者でマーティ恋人のレイチェル・マイズラーを演じたのは、『私がケーキを焼く理由』(Amazon Prime Videoで配信)、ホラー映画『アンティル・ドーン』(2025年)などで人気急上昇中の新星オデッサ・アザイオン。タロン・エガートンと共演した『She Rides Shotgun』(日本での公開は未定)が控えており、今後の活躍が期待される俳優の一人だ。
オデッサが演じたレイチェルは、夫がいるのに幼馴染のマーティと不倫をしている罪深き女性。最初は何を考えているのかわからないレイチェルがあまり好きではなかったが、彼女にひどい言葉をぶつける夫が登場してからは見え方がガラッと変わった。マーティとの子どもを妊娠したレイチェルは、自分のことでさえいっぱいいっぱいなのに、マーティのためにお金を工面しようと奮闘する姿に胸を打たれ、映画終盤では彼女のことが大好きになってしまった。そんなレイチェルを魅力的に演じたオデッサが、今後どんな役に挑戦するのか楽しみだ。
マーティと関係を持つ女優のケイ・ストーンを演じたのは、『アベンジャーズ』シリーズのペッパー・ポッツ役で知られるグウィネス・パルトロウ。ある時期から女優業から遠ざかっていたケイは、マーティと関係を持ったあと、演劇の舞台に立つことに。その舞台の稽古で、マーティがケイの共演者(『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』で重要な役を演じたフレッド・ヘッキンジャーが演じている)に、ナイフの持ち方に関してダメ出しをするのだが、このシーンのマーティがとんでもなくかっこいい。物語的には重要なシーンではないが、ティモシーファンの筆者にとって、何度もリピートしたくなるようなテンション爆上がりの名場面だった。若くてやんちゃで魅力的なマーティに、ケイが翻弄されるシーンは本作の見どころの一つである。
ほかには、ケイの夫でロックウェル・インクの社長ミルトン・ロックウェル役を『シャークタンク』(アメリカ版『¥マネーの虎』)への出演で知られる投資家ケビン・オレアリー(本作で長編劇映画デビューを果たした)、日本人選手コト・エンドウ役を東京2025デフリンピック卓球男子団体で銅メダルを獲得した川口功人(トヨタ自動車)さん、マーティの親友ウォーリー役をタイラー・オコンマ(世界的ラッパータイラー・ザ・クリエイターとして知られており、本作で長編劇映画デビューを果たした)、愛犬のことでマーティと揉める老人エズラ役を『キング・オブ・ニューヨーク』(1991年)、『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(1994年)で知られるアベル・フェラーラ監督など、個性豊かでユニークなキャスティングが実現した。
死の物狂いで日本にたどり着いた主人公マーティ、ライバルとのリベンジマッチに挑む姿に大興奮!
これまでたくさんのスリル満載映画を観てきたが、冒頭からクライマックスまで終始ハラハラさせられた主人公はマーティ以外にいないかもしれない。適当な接客で靴を売り、自分が働く靴屋の金庫からお金を盗み、世界卓球選手権に出場するために訪れたイギリスでは勝手に高級ホテルに宿泊して国際卓球協会を敵にまわす。
そのあとも既婚者の恋人を妊娠させたり女優と関係を持ったり、親友とイカサマ勝負をやって見ず知らずの人たちからお金を巻き上げたり…“この人は一体どこへ向かっているの?”と、途中から卓球に命をかけている人であることを忘れてしまうぐらいマーティは暴走する。
だが、もしもマーティが真面目に卓球の練習に励み、選手権に出場するための渡航費をしっかりと貯金しているような人物だったらどうだろう?…そうであればただのスポーツ映画になってしまい、あまり興味を惹かれなかったかもしれない。マーティが右往左往し、トンデモ展開が続くからこそ飽きずに楽しめるのだと感じた。
目的を果たすために暴走するマーティは、時には人に嫌われ、惨めな姿も晒すが、“日本で開催される大会でエンドウに勝ちたい!卓球のチャンピオンになりたい!”と奮闘する姿にいつの間にか引き込まれ、応援したくなってしまうのだ。
そんなマーティが死の物狂いで(本当に命を危険に晒すシーンも!)たどり着いた日本でのクライマックスシーンは、日本の上野恩賜公園で撮影を行ったという。3月の頭にティモシーと共に来日したサフディ監督は、
ジャパンプレミアイベントに登壇
した際に、「実は僕自身日本にゆかりがあって、ひいおじいちゃんが戦後日本にいたことがあるんです。だからこそ僕は、日本人のために日本で撮影したいと強く思いました。ロケ地=そこにいる人々なんだという意識で挑んだ日本での撮影は、僕にとってものすごく特別な体験になりました」と語っていた。
和風グラフィックや当時の大会ポスター風デザインを施し、1950年代の国際試合の雰囲気を再構築した日本でのリベンジマッチのシーンは、監督のこだわりが感じられてうれしかった。さらにティモシーと川口さんの芝居のケミストリーが予想以上の熱狂を生み、試合を見ている観客と同じように大興奮しながら鑑賞していた。
マーティは最後に何を手にするのか。ぜひ劇場の大きなスクリーンで鑑賞してもらいたい。
文=奥村百恵
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