「2024年12月6日、夫が亡くなっているのを見つけました」20歳上の夫との奇妙な出会いと、難病の夫を襲った突然の別れ【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
『2024年12月6日夫が亡くなっているのを見つけました』。そのあまりに直截的なタイトルから始まる物語は、国指定の難病を患っていた夫との突然の死別と、その瞬間に立ち尽くす妻の痛切な心理をリアルに描き出したものだ。
作者の家事しないと死ぬ旦那(
@100dannashinu
)さんに、最愛の読者であり理解者でもあった夫との思い出、そして過酷な経験を形にしようと思ったきっかけを聞いた。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
「夫を面白がらせたかった」。筆を折る決意を翻させたフォロワーへの責任
家事しないと死ぬ旦那さんが漫画を描き始めた動機は、極めてパーソナルなものだった。「夫を面白がらせるため」。その作品を夫が気に入り、「万人に見せた方がいい」と背中を押してくれたことで投稿が始まった。
「夫がいなくなってしまったことで、もう描く意味がないと思い、筆を折るつもりでした。しかし、投稿が途絶えた後も心配してくださるフォロワーの方がいた。何が起きたのか、その経緯を伝えなければならないと思ったんです」
作中、救急車よりも先に到着した消防車の描写には、当時の混乱がそのまま投影されている。「記憶の中の消防車が消えてしまうのが怖くて、あえて資料を見ずに、脳裏に焼き付いたままの姿を描きました」という言葉に、その瞬間の生々しさが宿る。
20歳の年の差を埋めた、夫の「心地よい凸凹」。指輪にまつわる忘れられない記憶
生前の夫は、20歳ほど年上の「おじさん」だった。世代も感性も常識も異なる二人の関係を、作者は「凸凹」と表現する。
「夫がその凸凹を上手く合わせて、一つの形にしてくれる人でした。彼がただ私に合わせてくれていただけだったと気づいたのは、亡くなってしばらく経ってからです」
出会いのきっかけも印象的だ。離婚後も指から外れなくなっていた前妻との結婚指輪を、作者の「リングカッターで切ればいい」という一言を受けて後日、笑顔で外して報告に来たという。「アドバイスありがとう」と爽やかに語ったその姿に、一瞬で心を奪われた。
「頑張れ」とは言えない。難病と向き合う家族へ、寄り添うことの真意
夫の死後、死亡診断書によって初めて判明した「特発性肺線維症」という難病。癌の症状も併発しており、今では「夫の死も、彼の選択だったのだ」と受け入れている。
「難病で苦しむ人に安易に『頑張れ』とは言えません。当人こそが一番つらい。だからこそ、その人が吐き出す感情がポジティブでもネガティブでも、真っ向から否定せずに寄り添ってあげることが、何より大事なのだと今は考えています」
凄絶な経験を、飾らない言葉と線で描き切った本作。それは、突然の別れを経験したすべての人、そして今まさに大切な人を支えている人にとって、静かに、しかし深く共鳴する鎮魂歌となっている。
取材協力:家事しないと死ぬ旦那(@100dannashinu)
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