齋藤潤、最新作では西畑大吾と共演。俳優としての自身に一番大事なのは「今の自分と向き合い続けること」
東京ウォーカー(全国版)
俳優業は「自分に嘘をついたままではできない仕事」
――映画『カラオケ行こ!』などで、さまざまな賞を受賞しています。周囲からの高い評価について、ご自身ではどう感じていますか?
【齋藤潤】褒めていただくとうれしいですし、鵜呑みにしていた時期もありました。でも最近は、周囲の方が「よかった」と言ってくださることと、自分が芝居をして感じたことは別のものとして考えたいと思うようになりました。どんなに評価していただけたとしても、自分が納得がいく演技や表現をより追求していきたいなと考えています。
それに、作品は監督やスタッフ、共演者の皆さんと一緒に作るものですし、僕が芝居の場に立てているのも周りのみなさんのおかげです。作品は僕だけで成り立たないことを忘れずに、もっと上を目指していきたいです。
――12歳で俳優の道に進む以前から、俳優になるために何かしていたのでしょうか?
【齋藤潤】それが全くないんですよね…(苦笑)。小学生のころはずっとサッカーをやっていました。家族の影響もあって始めたんですが、ケガも多かったですし、自分が勝てないことも嫌で。監督の顔色を気にしながらやっていたところもあり、正直、あまり好きではなかったんです。
俳優をやりたいと思ったとき、事務所を勧めてくれたのは母でした。そこから作品を観る機会を与えてもらったりしたので、自分から「俳優になるためにこれをしなきゃ」と動いてきた感覚はあまりないんです。今も「努力できているのかな」と思うことはあります。
――それでもやはり、お芝居は楽しいですか?
【齋藤潤】楽しいです。ただ、楽しいことばかりじゃないところも好きなんです。自分に嘘をついたままではできない仕事だと思うので。先輩方が純粋に自分や役と向き合っている姿を見て、「だから俳優さんってすてきなんだな」と気づくことも多いですし、そういう方たちとつながれることも僕にとってすごく幸せです。
普段の人間関係では、自分の意見を言えないこともあります。でもお芝居の現場は、自分の意見や感情を持っていないと立てない場所でもある。いい意味で自分勝手に、わがままでいることを許してもらえるところが、僕にとっては救いでもあります。
――これまでの俳優人生で、転機になった作品はありますか?
【齋藤潤】『ストロベリームーン』が大きいです。演技をしていて、ものすごく悔しかったんです。「お芝居が全然できていないな」と思いましたし、自分のなかにある嘘のようなものにも気づかされた現場でした。
怖さもありますけど、それ以上に「もう一度ここでお芝居がしたい」という気持ちがあります。酒井監督は、もっと頑張りたいと思わせてくださる監督ですし、また酒井監督の現場に立てるように頑張りたいです。
――最後に、これからどんな俳優になっていきたいですか?
【齋藤潤】いわゆる“カメレオン俳優”になりたいです。でも一番は、作品を観た方に「勇気をもらえた」と思ってもらったり、何か衝撃を与えられたりできる俳優になりたい。そのためにも、もっと自分の引き出しを増やしたいです。いろいろな人と出会って、自分の素直な感情と向き合いながら、一人の人間として優しくありたい。それがお芝居にもつながっていけばいいなと思っています。
今後は英語を使ったお芝居にも挑戦したいですし、思いきり嫌われるような悪役もやってみたいです。演技の幅を広げるために、まずは今の自分と向き合い続けること。それが今、一番大事なことだと思っています。
取材・文=イワイユウ
撮影=八木英里奈
ヘアメイク=澤西由美花
スタイリスト=岩田友裕
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