時の流れや歴史に思いを馳せる…名古屋に根付くノスタルジー洋食店3選
東海ウォーカー
和食に限らず、独自の進化を遂げてきた名古屋の洋食店は、古きよき時代の流れを感じさせる独特の雰囲気を醸し出している。なごやめしを楽しむのなら、定番の味を追い求めるのもいいが、積み重ねてきた歴史を感じさせてくれる味に舌鼓を打つのもいいだろう。地元で長年にわたって愛されてきた理由を、垣間見ることができるはずだ。
創業100年を超える老舗「ラク亭」
新しい建物が増えている住宅地、東区にたたずむ老舗洋食店。1913年の創業時は洋食と中華が混在するハイカラなレストランだったが、洋食だけを残して営み続けている。所属していた料理人の中には外国航路の船に乗っていた人もいて、その名残であろう洋食メニューが今も残るのが特徴だ。すべてのメニューにおいて、昔ながらの手作りにこだわっている。


スカロップは、揚げたてのトンカツにデミグラスソースをたっぷり染み込ませた一品。濃厚でありながらも不思議としつこくなく、次々と口に運びたくなる。そしてなによりも、店主夫婦の客と料理に対する姿勢が魅力の店だ。それが多くのファンをひきつけている。
■住所:愛知県名古屋市東区筒井1-10-14 ■電話:052-936-3461 ■営業時間:11:00〜15:00、17:00〜21:00 ■定休日:水曜、臨時休業あり ■席数:36席(分煙) ■駐車場:3台(無料) ■アクセス:地下鉄桜通線車道駅より徒歩10分
創業から受け継がれてきた名物「とんかつオゼキ 鈍池店」
名古屋駅の西側に広がる住宅地に店を構える。1954年の創業当時は和食もそろえた定食の店として営業していたが、後に洋食一本にしぼり、名物の「焼きとんかつ」が誕生した。フライパンに少量の油を敷いて作るカツレツに似ているが、ここでは大きな鉄板にラードを敷き、愛知県知多半島産の豚肉をきめ細かい衣に包んで、じっくりと香ばしく焼き上げている。食感が柔らかく、旨味がより直接的に伝わってくるのが特徴だ。


このほか、ドリアやハンバーグステーキ、エビフライなど、多彩な洋食が並ぶ。どのメニューも、手間暇を惜しまない昔ながらの製法で作られている。従業員も客も親子代々で店に関わっていることが、醸し出される温かさにつながっている。
■住所:愛知県名古屋市中村区鈍池町3-6 ■電話:052-482-5525 ■営業時間:11:00〜14:30、17:00〜21:30、日曜・祝日11:00〜21:30 ■定休日:木曜 ■席数:100席(禁煙) ■駐車場:30台(無料) ■アクセス:地下鉄東山線岩塚駅より徒歩6分
独創的なオリジナルメニュー「とんかつキッチン カナン」
1977年に前身の店を創業した後、緑が多く落ち着いた雰囲気の緑区にオープンした人気店。50種類以上のトンカツなどバラエティ豊かなメニューは、味とコストパフォーマンスに自信をもつ実力店だからこそ挑戦できた、遊び心の賜物だ。なかでも「アメリカンとんかつ」や「イタリアンとんかつ」など、各国料理をイメージした"ワールドシリーズ"は個性的。さらに日本各地の名物を取り入れた"ご当地シリーズ"など、変わりトンカツメニューの開発が続けられている。


豚肉の下処理には筋切り機を使っているため、柔らかくて食べやすい仕上がりだ。幅20㎝もあろうかという大判のトンカツがリーズナブルに味わえるうえ、味にも納得できる店だからこそ、長年にわたって支持されている。
■住所:愛知県名古屋市緑区徳重5-909 ■電話:052-876-7762 ■営業時間:11:00〜14:30(LO14:00)、17:00〜21:30(LO21:00)、金曜・土曜〜22:00(LO21:30) ■定休日:月曜(祝日の場合は火曜) ■席数:50席(分煙) ■駐車場:21台(無料) ■アクセス:地下鉄桜通山線徳重駅より徒歩15分
山田瑠美
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