「俺、カレー屋になるわ」脱サラ男の挑戦に妻は猛反対!
東京ウォーカー
2017年12月に東京・戸越にオープンした「ストン」。手作りにこだわったカレーが人気で、遠方からわざわざ訪れるカレー通も多い。店を営むのは元サラリーマンの鹿島冬生さん。「飲食店の経験はゼロ」という鹿島さんは、なぜカレー店主になったのか?

最初はサラリーマンとカレー店主の”二刀流”で腕を磨く
国道1号線沿いに立つ「ストン」。入口は一面ガラス張りで、外からもモダンなカフェ風の店内が確認でき、女性一人でも安心して入れる。店主の鹿島冬生さんが奥様の仁美さんと営む店だ。
「まだ子供が高校生と中学生なので、主人が『会社を辞めて、カレー屋さんを始める』と言い出した時は当然反対しました」と仁美さん。
鹿島さんは店を開くまでインテリア関係の会社に勤めるサラリーマンだった。しかし長年、心の片隅では「いつか自分の店を持ちたい」という夢を持ち続けていたそう。そして「何の店なら自分でもできるか?」と突き詰めた結果が、学生時代から好きだった「カレー屋さん」だった。
そして2016年9月、ついに夢の実現に向けて動き出す。しかし長年勤めてきた会社だけに、後任者への引き継ぎなどですぐには退職できない。そこでひらめいたのが、サラリーマンとカレー店主の”二刀流”だ。
週の半分は会社に出勤し、残りの半分をカレーの研究に費やし、さらに週1日のみ、起業家を支援するコミュニティスペース「Impact HUB Tokyo」(目黒)で“間借り営業”し、実力を蓄えていった。

数種のスパイスを駆使した自慢のカレーの最大の“隠し味”は?
そして会社を正式に退職したあとは、日本橋の屋台施設「BETTARA STAND 日本橋」(現在は閉館)、表参道のインドカレー店「バラッツ! スパイスラボ」(現在は閉店)の定休日など、約1年に渡って”間借り営業”をし、その後2か月の準備期間を経て、2017年12月に地元・戸越でついに自分の店をオープンさせた。
約20種のスパイスをメニューに応じて使い分けているこだわりのカレーは常時3~4種。「チキンカレー」(850円)と「チャナマサラ(ひよこ豆)」(850円)の2種がレギュラーで、もう1~2種は気まぐれ。「マトンキーマカレー」(1050円)や「牛スジと牛蒡のカレー」(1050円)などが入れ替わりで登場する。

「カレーに対するこだわりは特にありません。自分がおいしいと思うものを作っているだけです」と鹿島さん。そこで「あなたにとってカレーとは?」と質問を替えてみると、「(脱サラをして店を開いたので)もう後には引けないもの」と考える間もなく即答した。
そんな鹿島さんの“覚悟”こそが、数種のスパイスを駆使して作る評判のカレーの“隠し味”になっているのかもしれない。


取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦
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