伝説の“間借りカレー”は、日本一予約が取りにくいカレー店になっていた!
東京ウォーカー
カレー界で今やすっかり定着している“間借り営業”。他の店舗を定休日などに間借りするスタイルで、そこで実力を蓄えてから独立する店主も多い。千歳船橋の「Kalpasi(カルパシ)」の店主もその1人で、間借り時代に爆発的なヒットを飛ばし、東京カレー界に旋風を巻き起こした。


間借り時代、1日25食のプレミアム整理券を求めて、営業前からファンが殺到!
店主の黒澤功一さんは、サラリーマンだった10年ほど前から趣味でカレー作りを始めた。そして独学で研究を重ね、イベントなどでカレーを提供。また、その間にはインドやスリランカ、ネパールなどに渡り、数々の店を食べ歩き、独自の料理スタイルを確立していった。そんな中、転機が訪れたのが2015年10月。知人の紹介で、浅草の日本酒バー「コメジルシ」を昼間に“間借り”し、「Kalpasi」の屋号で初めてカレー店を始めることになったのだ。基本のメニューは日替わりプレートで、インドやスリランカ、ネパールなどの郷土料理を自由な発想でアレンジ。数種のカレーやおかずなどがてんこ盛りのプレートは、口コミで噂が広がり、人気が爆発。1日25食のみの販売だったが、その整理券を求めて、毎朝営業前から長い行列ができた。

世田谷の閑静な住宅街に店をオープンさせた意外な理由とは!?
そしてそこで自信を深め、満を持して実店舗で独立!・・・と思いきや、実際はそうではないそう。浅草で間借り営業をしていたのは2015年10月から翌年2月までで、その後千歳船橋に店をオープンさせたのは同年10月。約8か月間の空白があるのだ。もしやその間、カレー道をさらに究めるべく、日夜ストイックに研究を続けていたのか。そのことを黒澤さんに尋ねると、まったく予想していなかった答えが返ってきた。「何もしていませんよ。ぶらぶら遊んでいました(苦笑)。僕は自分が食べたいカレーを趣味で作っていただけなので、特に店を出したいという強い気持ちはありませんでした。そもそも浅草時代も『なぜこんなにお客さんが来てくれるんだろう?』と、自分自身が一番驚いていました」。

本人はそう語るが、スパイスを巧みに重ね合わせ、さらに素材の旨味を引き出した黒澤さんのカレーには、食べ手を惹きつける力がある。さらに「今度はどんな料理をワンプレートの上で描き出すのだろう?」というワクワク感が二度、三度と足を運ばせる原動力になっている。そうしたファンの期待に応える形で、2016年10月に独立店舗で「Kalpasi」を再開することを決意。しかし新天地に選んだのは世田谷区の閑静な住宅街にあり、その存在を知らなければたどり着けない“秘密基地”のような店だ。「できるだけ目立たない場所で、ひっそりとやりたかったんです。あとは静岡出身なので、(実家に帰りやすい高速道路)東名から近い場所がよかった。その2つの条件にぴったり合ったので、ここを選びました(笑)」。

そんなマイペースな黒澤さんだが、移転オープン後もその人気は増す一方。基本的に夜営業だけで、メニューは週替わりのおまかせコース(3,000円前後)のみ。現在は1日24名のみの完全予約制で、競争率が高く“日本一予約が取れないカレー店”といっても過言ではない。予約の受付は毎週日曜22時から。店の公式LINE(ID:kalpasi)のみでその週の水曜から翌週日曜までの分を受け付けている。定員を越えた場合は抽選制。ハードルは高いが、カレー好きならば一度は訪れたい名店である。
取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦
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