神楽坂の小道を曲がった“角”にある古き日本家屋で立ち飲みを

過去は花街として賑わい、路地に入れば昭和の風情が漂う神楽坂。路地を辿ると素敵な隠れ家レストランが点在している。そんな隠れ家レストランの一つが「カド」。神楽坂のメイン通り、早稲田通りから路地に入って曲がった“角”にある。

「カド」では2つの楽しみ方を提供している。一つは座敷で膳を囲むスタイル、もう一つが立ち飲みスタイルだ。板塀を超えると入り口が2つあるので、立ち飲みの場合は右側から入ろう。

昭和24年に建てられた家の雰囲気を生かした立ち飲みスペースは、かつて土間だった場所。約4畳というスペースは店と客との距離感が近く居心地のいい空間だ。店内入って右手側には2席、椅子も用意されている。また、食や酒に関しての文庫本もあり、自由に閲覧できる。お酒についての本を読みながら一杯、というのも乙かもしれない。

一品料理はすべて300円！お酒と合う名メニューばかり

店内入って左側の黒板にはその日のおつまみメニューが書かれている。全品300円というお手頃さが嬉しい。飲み物は日本酒をメインにビール、焼酎、サワーなどを揃えている。

季節によってメニューは変化するが、定番の人気メニューの一つがへしこと牛すじ煮込み。へしことは若狭の特産品として知られる珍味で、サバを塩漬けにしたあと、さらに糠漬けにしたもの。しょっぱさが日本酒とマッチする。一方牛すじ煮込みは滋味深い味わい。居酒屋は濃い味付けが多いイメージだが、料理長の竹村昇平さんにうかがうと、「お酒に合う料理を作っていますが、変に味を濃くするのではなく、薄味を意識して作っています」とのこと。なるほど、食材の味わいを大事にしたつまみは、するすると胃の中へ入っていく。

「お酒を楽しんでほしい」という思いの元、日本酒は10種類以上をラインナップ。季節限定の銘柄もあるので、つまみと合わせて四季の移ろいを感じることもできる。立ち飲みスペースは土・日曜、祝日だと14時からオープン。昼から日本酒を一杯、そんな週末も楽しめそうだ。

東京ウォーカー編集部