影山貴彦のテレビのホンネ。「コトノハ=言葉」の 奥深い世界を探求!

2018年11月6日 9:00更新

関西ウォーカー 関西ウォーカー

Twitterで
シェア
Facebookで
シェア

アナウンサーたちが前に出過ぎず、「視聴者へのサービス向上」を意識する

7月からレギュラーで開始した「コトノハ図鑑」

全ての画像を見る(1件)

出演者は出演者の中で、制作陣は制作陣の中で、それぞれの世界観を共有し合えるものだ。もちろん、演者の間で犬猿の仲になったりすることもあるし、作り手の間で険悪な関係に至ることも少なくない。けれど、「演者同志」、「作り手同志」だからこそ多くを語らずとも理解できることは数多い。

人は自分の立場でのみ物事を考えてしまいがちだ。自分自身、放送局を辞め作り手でなくなってから、親しき演者がホンネを漏らしてくれることが増えた。嬉しいものだ。同時に、改めて自分の若き作り手時代を思い出し、恥ずかしくなったりもする。

そんな中、放送局のアナウンサーという立場は独特だ。演者で局の顔であると同時に、同僚である局のディレクターやプロデューサー等の意図をくみ取る力を求められることも多い。また作り手の方も、タレントと接する場合と、局アナと相対するときでは微妙に違う頭の回路を使う。ここだけの話、タレントと打ち合わせする時よりも、アナウンサー相手の方が気を遣う、なんてことも結構ある。もちろん「逆も真なり」だが(笑)。

アナウンサーが数多く出演する番組で思い出されるのが、「あどラン」の愛称で長く親しまれた、MBSの「あどりぶランド」(1984年~1998年)だろう。番組が終了して20年以上が経つが、当時を知る関西の人々が、今も話題にすることも多い。

そんな同局が7月からレギュラーで開始した番組が「コトノハ図鑑」だ。言葉のプロであるアナウンサーたちが交代で出演し、「コトノハ=言葉」の奥深い世界を探求する。試みとしてとてもいい。

「あどラン」の時代と今とを比べると、社会の色合いが変わった部分もある。アナウンサーたちが前に出過ぎず、「視聴者へのサービス向上」を強く意識して、さらに魅力的な番組に育つことを願っている。

【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

この記事の画像一覧(全1枚)

大きなサイズで見る

キーワード

関連記事

ページ上部へ戻る