古き良き時代にタイムスリップ! レトロ喫茶、二俣川「昭和堂」へ
横浜ウォーカー
再開発が著しい二俣川エリア。駅直結の施設「ジョイナス二俣川」が開業し、みるみるうちに新しい街になっている。駅構内は近未来感があるが、駅から少し歩けば、昔の面影が残る住宅街や商店街もまだまだ健在。南口の坂をのぼり、歩くと見えてくるのが「昭和堂」という喫茶店だ。

昭和の香りが漂う古き良き店内
「万騎が原商店街」のアーケードの最後の方にある「昭和堂」。店頭ではロボットがお出迎え。ロボットや看板はマスターの畑中義之さんの手作り。「昭和と言えばロボット。ヒーローはみんなロボットだった」と言う。時間が今よりもゆっくり流れ,、みんなが希望を持っていた「昭和」という時代。そんな時代に心ひかれた畑中さんが、「忙しい日常を少しだけでも忘れて、昭和の想い出に浸ってもらいたい」とこの店を作った。確かに、ここだけタイムスリップしたような空間だ。

店内は昭和スターのポスターや小物などのレトロな雑貨で、ビッシリと埋め尽くされている。最初はマスターのコレクションだけだったが、だんだん「これも飾って欲しい」とお客が私物を持ち込むようになった。

小さなキッチンでコーヒーを入れるマスターの奥に飾られた「キンチョー」の看板。こちらもお客がずっと保管していたものを、処分するのはしのびないと持ってきたのだそう。だが、とっても店の雰囲気にマッチしている。


マスターが独学で極めたコーヒーのあれこれ
元サラリーマンだったマスターの畑中さんは、第2の人生として好きだったコーヒーの道に入った。スクールに通ったりもしたが、結局自分でおいしいコーヒー店に足を運ぶなどして独学。自分がおいしいと思うコーヒーを極め、2010年に開業した。コーヒーの種類は4種類と決して多くないが、豆は全て違う問屋から仕入れている。
注文が入ってから一杯ぶんずつ豆を挽くスタイルを徹底。挽きたての豆で丁寧にハンドドリップし、店内にふんわり豆の香りが漂う。オリジナルブレンドの、さくら(550円)。口当たりは優しくまろやかだが、コクはしっかりある。コーヒーが苦手な人には、これがオススメだという。ミルクを入れるより、ブラックで飲みたい一杯だ。

コーヒーを頼むと付いてくる、自家製のパヴェド・ショコラ(生チョコ)。コレがまた絶品。「うちのコーヒーに合うものが見つからなくて」と手作りしたチョコレートは、口どけがなめらか。口に入れてから2秒で溶けるように、生クリームの量などを計算。コーヒーの味わいを殺さずに、チョコレートの余韻だけが残り、コーヒーとの相性ももちろんいい。

こちらを訪れたら、大人の珈琲ゼリー(550円・1日5食限定)も味わいたいところ。赤糖を煮詰めて作った特製シロップと、ブランデー付き。そのままだと、珈琲ゼリーは苦味が強いのだが、赤糖シロップをかけることで、全く別物になるから不思議だ。苦味は消えないが、シロップの甘さでうまく調和されている。珈琲ゼリーにブランデーをかける、というメニューは、あのナポレオンも愛したという「カフェロワイヤル」をアレンジしたもの。
ほかにも、こだわりあふれるコーヒーや、コーヒーのアレンジメニューがたくさん。そのほか、トーストなどの軽食もある。仕事の休み時間に一杯のコーヒーと共にノスタルジックな空間に浸り、そこでリセットしてまた仕事へ向かう、というお客も多いとか。博物館のような空間に身を投じると、つい店内を眺めて時間が経ってしまう。平成という元号も間もなく変わり、3つの時代を駆けぬけることになるこの店。再開発が続く二俣川では時の流れも早く感じるが、ぜひタイムスリップしてのんびりコーヒーを味わいたいものだ。
取材・文=濱口真由美
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