ブルゾンちえみインタビュー ワクワクの初舞台! 憧れのウィル・スミスを目指して

関西ウォーカー

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昨年は紫綬褒章を受章、今年は第26回読売演劇大賞 最優秀作品賞・優秀演出賞を受賞した劇作家・演出家、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。

その名作戯曲の数々を、ほかの演出家たちが新たに創り上げるシリーズ「KERA CROSS」がスタートする。第1弾の「フローズン・ビーチ」は、1998年に初演した女優4人のミステリーコメディで岸田國士戯曲賞受賞作。

舞台は、大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾート・アイランドにある別荘の一室。そこに集まった、かなり愉快だが、かなり訳ありな“5人の女たち”…。

87年、95年、03年、と世相を鋭く映し出しながら、8年ごとの女たちの心の機微を描く密室劇の名作だ。それを、今回は鈴木裕美が演出。そして鈴木 杏、花乃まりあ、シルビア・グラブと共に、ブルゾンちえみが出演、初舞台を飾る。役柄は、陽気でエキセントリックで、かんしゃく持ちの市子。

来阪し、初舞台への意気込みを語った彼女は、“35憶のキャリアウーマン”のブルゾンちえみとは違う顔をしていた。

ブルゾンちえみが初舞台への意気込みを語る撮影=西木義和


【初舞台について】

私は舞台を観ることが好きで、東京に来てからは舞台をたくさん観ることができ、すごく楽しいです。俳優さんたちのキラキラ生きてる感が伝わってきて元気になる。どの音楽でもお笑いでも、生のあの感じ、ドラマや映画とはまた違う、人間が生で放つオーラやエネルギーをもらえるのが好きだったので。今回は観る側じゃなくて、出る側として、あのキラキラした感じを味わう機会を得られたことはすごくうれしかったですね。今回は4人だけの芝居で、セリフ量や責任感は一人一人の割合が大きくなりますけど、しんどい分、達成感がすごいんだろうなというワクワクはあります。

【今の気持ちは】

台本を読んで、これ、演る方は観る方より、大変だなって思いました。難しそう。他人事のように言ってますけど(笑)。初舞台ということもあり、セリフ量も半端ないので、ほんとにそれを覚えることができるかとか、舞台の稽古ってどんな感じなんだろうって。今はまだ、自分がどういうことを頑張るべきなのかさえも、わからないっていうのが不安です。すべてが初めて過ぎて。舞台も初めて、KERAさんの作品も初めて、鈴木さんの演出も初めて、共演者も初めて。だから、もう、逆に何も知らないのだからまっさらな気持ちで全吸収できるかと思って。よし、もうこうなったら、なにか過去にあった経験を生かしてとかいうよりは、ゼロから作り上げるという覚悟でやろうという感じですね。

【本読みを経験して】

みんな、やっぱ素晴らしいです! 普通のこと言ってますけど(笑)。私がどんなボールを投げても、全部うまくキャッチしてくださって、おもしろい会話になる。だから上手だなって。これが決まってから「フローズン・ビーチやるんだよね」とか、「あの作品、僕好きでさ」とか、そういう声をよくいただきました。「フローズン・ビーチ」ファンの人にとっては、これはどんなバージョンになるんだろうって楽しみにしてくださってるのが伝わるので。不安なところもありますが、新しいのをご提供しようっていう気持ちでいます。

ブルゾンちえみが演じる市子って、どんな役?撮影=西木義和


【市子役について】

陽気でエキセントリック、癇癪持ちで…。普段の皆さんがイメージされてるブルゾンちえみの紹介するものとは遠いところにあると思うので、新しいブルゾンちえみの一面をお見せすることが理想ですし。そして観終わったお客様に、4人のバランスがあってこそいいんだよねって思ってお帰りいただきたいなと。みなさん、お一人お一人の個性を出されると思うので、私もそのエネルギー量に負けないように、市子のキャラクターを愛してもらえるように持って行きたいなと思います。

【演じることについて】

ブルゾンちえみの「35憶のキャリアウーマン」も、私の素とは違うものですけど。でも、アレをやってる時はストレス解消っていうか…。普段私は上から目線でこんなふうに言えないけど、私の代わりに言ってくれてるところが楽しいところでもあったりしていて。普段できないことを正々堂々、みんなの前でやれる、普段使わない部分を使えることは、自分にとって凝り固まってるところがほぐされたりするんじゃないかなって思ってます。私のネタの感じって、やってる筋肉は演技する方向に近いというか。なので楽しいんですよね、演技することが。

【違う自分になること】

普段の性格がめんどくさいっていうか…。よくまじめだねって、二言目には言われたりするんですよ。自分をこのまま出荷すると受け取りにくいだろうなって思うので、ある程度加工して、お客さんが受け取りやすい形、見やすい形にキャラ付けした方がやる方も受け取る方が楽なのかな、と思ってます。

【新しいことをするのは】

達成感を味わいたいんですよね。筋トレ、よく体鍛えたりしてる人が自分の筋肉みてホレボレするじゃないですか。それと一緒で、私も新しい経験とか知識を得た時に、あぁもう昨日の自分より知識が増えた、絶対に成長した、っていうものが好きなんですよ。ホレボレするんです。新しいことをやるとなると絶対そうじゃないですか。達成感が好きなんですよね。これはもう、かなり達成感。お話が来た時に、これは達成感が恐ろしいぞと思って、ワクワクしてるところもありました。達成感最上級。なんとなくできちゃったとかじゃないですもんね、これはほんとに必死で汗水たらしてやるから。

【ハードルの高さにおじけづくことは】

ありますあります。今回のお話をいただいた時も、私でいいんですか?っていう。段階を踏んで、ここまでたどり着きました、っていうんだったら私自身も納得できるというか。今までいろいろやって来たから、そっか、ここに到達したんだというのはありますけど、ノー武器で来た…。ほんっとにありがたいんですけど、いいんですかね、でもこの期待におこたえできるようにほんっとに頑張りますっていう気持ちはあるんですけど、プレッシャーも。毎回テレビに出ても思います、これでよかったんですかね、私って。「いいですよ」って言ってくださるんですけど、ほんとによかったんかな~とか、日々、思ってますね。いくら大丈夫だよって言われても、ほんまに大丈夫なんかなって思う性格は、治らないんじゃないかなとも思ってます、ここまで来たら。常に考えてます。考えすぎだよって言われるんですけど。無理ですね。「なんとかなるさ、ケセラセラ」みたいにアドバイスされても、無理。私、ケセラセラとは対極にいるかもしれません。

テレビの堂々としてる姿と本当の私とは違う撮影=西木義和


【テレビの堂々としてる姿と違う】

よく言われるんですけど、私、テレビでめっちゃそんなに堂々としてます? なんかそういわれるんですよね、めっちゃ自信あってっていう感じだと思ってましたとか。そんな感じに映ってるのか、と思ってます。

【映像と舞台について】

私は映画も舞台も好きなので、各々の良さがあるから好きなんですけど。舞台は、お笑いもそうですけど、やってる感が、エネルギー量も受け取り量も全然違いますね。ダイレクトにいいも悪いも伝わるので、必ずしも絶対気持ちよくなれるというものではないんですけど、でもそのダイレクトな部分、ウソがないから私は好きっていうか。リアルを味わいたいんですね。ほんとにこれ喜んでもらえてるのかなって。「ファンの人はたくさんいるよ」って言われても、ほんまかなって思ったりするところもあるんで。お笑いでも、地方に営業に行った時に、こんなに集まってくださるんだとかがうれしかったり、実感したり。実際そうやってわぁ~って言っていただけたりすると、ホッとするっていうか。やっぱ、映像ばっかりじゃなくて、時々こうやって生で人と接することって大事なんだなって思います。

【今後、目指す生き方は】

来年30になるんですけど。。プライベートでは、20代はそれこそファッションとかメイクとか、どうやったらキマルかなって、自然と外見的なものに興味や志向が行ってたんですけど、今は内面的に充実というか、丁寧な暮らしをしてる人とかに憧れていて。料理する時も器を楽しんでみたりとか。そんなのいままで全然、興味なかったけど、ちょっと時間をスローペースにして味わうとか。そっち方向がカッコイイ、大人になって行ってるなっていうのが楽しい時期ですね。

仕事では、これからの人生、ずうっとその時その時の感じでワクワクすることを、やっていくのかなぁって。どんなジャンルの仕事であれ、その時の気分が一番胸高鳴ることをやっていくんだろうなって思います。

憧れは、ウィル・スミスです(笑)。ウィル・スミスは、もう私の中で究極のエンタテイナーって思ってるので。彼ももともとはラッパー、ミュージシャンだけど、彼の今を知ってる人は普通に「俳優さんでしょ」って思ってると思うし。「オレはミュージシャンだから音楽一筋で」とかじゃなく、いろいろ楽しいことを全力で楽しんでるのが見てて伝わるので、あんな感じの大人になれたらなぁって思ってますね。

【大阪のこと】

大阪には、大学辞めて東京に来るまでの間に1年だけ住んでたことがあります。最初は十三に住みました。ディープでしょ、最初が十三って(笑)。そのあとは大正の方の桜川に。河川敷が好きだったんで。住んでみたら「ディープだよ」って、あとから周りに言われて「え、そうなの」って感じだったんですけど(笑)。もっと長くいると思ったから途中で引っ越したんですけど、急きょ東京行くことになって…。昨日は久しぶりに大阪時代の友達に会って、通ってたスクールのあった心斎橋とか難波のあたりを、あぁ懐かしいな、懐かしいなって言いながら歩きました。

ブルゾンちえみ●1990年、岡山県生まれ。タレント。2017年、芸歴2年目にお笑い番組「ぐるナイおもしろ荘」で優勝、独特な芸風とメイクで脚光を浴びる。同年、「人は見た目が100%」にドラマ初出演するほか、目覚ましい活躍でさまざまなジャンルの賞を受賞。番組ナレーションやCMなど多方面で活動中

STAGE KERA CROSS第1弾「フローズン・ビーチ」チケット発売中

KERA CROSS第1弾「フローズン・ビーチ」


公演期間:8/16(金)~18(日) 会場:サンケイホールブリーゼ

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:鈴木裕美

出演:鈴木 杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ 

価格:S¥9,000、ブリーゼシート¥6,500、U25チケット¥4,500

問い合わせ:06-6341-8888 

HP:https://www.keracross.com/

高橋晴代

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