『週刊少年チャンピオン』50周年、編集&漫画家の想い「怖くない、元気を届けてきた」

2019年7月26日 12:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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2019年7月15日、週刊少年チャンピオン(秋田書店)は創刊50周年を迎えた。週刊少年ジャンプ(集英社)、週刊少年マガジン(講談社)、週刊少年サンデー(小学館)と並ぶ4大少年漫画誌の中でも、自由な作風の作品が多いことが魅力の雑誌だ。一方、発行部数は他の週刊少年漫画誌の後塵を拝するなど、その道のりは決して順風満帆だったわけではない。創刊50年のキャッチフレーズ「必死こいて半世紀」にこめられた雑誌作りの矜持は何か。また、同誌を代表する作家は“週チャン”という雑誌をどう捉えているのか。創刊記念日に開催された記念イベントにて、週刊少年チャンピオンの武川新吾編集長と前編集長の沢考史氏、『刃牙』シリーズ作者の板垣恵介先生、『覚悟のススメ』作者の山口貴由先生に訊いて見えてきたのは、作品と読者に真摯に向き合い続ける姿勢だった。

“必死こいた”のは売上じゃなく作品作り 読者に向き合い続けた50年


【写真】週刊少年チャンピオン九代目編集長の沢考史氏(写真左)と十代目・現編集長の武川新吾氏(写真右)


武川氏と沢氏には、週刊少年チャンピオン50周年のキャッチフレーズ「必死こいて半世紀」をテーマに直撃。武川氏は、キャッチフレーズにこめられた意図をこう話す。

「週刊少年チャンピオンや秋田書店は、少しおっかないイメージがあると思うのですが、私たちは決して怖さを売りにしてきたわけじゃなく、みんな頑張っているから傍から見ると鬼気迫るように見えたんじゃないかと思っているんです。人間、本気でやっている時って怖く見えるものなので(笑)。一番頑張るのは各作家さんで、編集はそれに寄り添って、頭も体も使っていいものを作ろうという積み重ねで今に至る。こうした雑誌の成り立ちから“必死こいて半世紀”という標語が生まれました」(武川氏)

また、週刊少年漫画4誌の中で、発行部数で週刊少年チャンピオンは長らく他誌の後塵を拝してきた。そうした中で、編集者はどんな矜持を持って誌面を作っていったのか。武川氏は、売り上げや発行部数、他誌との差はあまり意識していなかったと語る。

「(売上には)意外とマイペースなんですよ。たとえば、1979年の週刊少年チャンピオン1月22・28日合併号は250万部を記録しました。それ自体は素晴らしいことだと思います。ただ、漫画は楽しい作品を読者の方にお届けすることが第一です。売上の部分だけについて、先を読んで結果を逆算して、というところまでは考えていられないですし、実際うまくいかないです。我々は、作品をどのように読者にお届けして楽しんでいただけるようにできるか、そのことに向き合ってきたつもりです。それが週チャンに限らず、世界に4つしかない週刊少年漫画誌の醍醐味じゃないかと」(武川氏)

「面白いものが世の中に出るって、単純にいいこと」


週刊少年漫画誌の中では個性や独自色が強いと言われるチャンピオンのカラーについても、沢氏が「作家さんが描きたいものを作り、編集は面白いものを届けようとする。そうしてお互い必死こくと元気な作品が自然と集まってくるんです。あえてカラーというなら、どういう誌面のバランスになろうと“元気色”をしているんじゃないかと(笑)」と、同誌のスタンスを語る。

こうした50年の積み重ねの中でチャンピオンが担ってきた役割や価値は何か。武川氏は「漫画を通して読者に元気を与え続けてきたということ」だと言う。

「毎日未来に向かって生きていく中で、気持ちが落ち込んだり大変なこともあると思います。そうしたときに、『大丈夫だから』と漫画で伝えてきたというのが大切なことなんじゃないかと」(武川氏)

沢氏は、「面白いものが世の中に出るって、単純にいいことじゃないですか。いい作品が毎週、たくさん生まれてくるというのが、チャンピオンの、週刊少年漫画誌の担う役割だと思います」と、週刊少年漫画誌の持つ意義を語ってくれた。

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