“新しい円頓寺”の発信拠点「なごのや」

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

円頓寺商店街で80余年愛された名喫茶「西アサヒ」が2013年に閉店し、2015年、現オーナーの田尾大介さんの手により復活。次第に地域の人々の交流の場としての機能も果たすようになり、円頓寺商店街を活気づけるさまざまなアイデアや企画がこの場所から生まれていった。2018年には『喫茶、食堂、民宿。なごのや』と屋号を改め再スタート。展示会やライブ、ワークショップを開催するなど、単なる喫茶店の域に留まらない多彩な取り組みを行ない、円頓寺におけるカルチャーの拠点となっている。

円頓寺商店街の理事長でもある田尾大介さんは、円頓寺を活性化させるべくさまざまな取り組みを精力的に行なっている


流行に敏感な若者を惹きつける魅力ある店やイベントが増え、かつてのにぎわいを取り戻しつつある円頓寺商店街。そんな“新しい円頓寺”を語る上で、「なごのや」の存在は欠かすことができない。

タマゴサンドとドコーヒーでほっと一息


なごのや名物タマゴサンド(750円)とオリジナルブレンドコーヒー(380円)


喫茶店の2階にある宿泊施設。長期滞在する宿泊客も多い。新館のラウンジスペースには2台の薪ストーブが置かれている。貸し切りのパーティーにも対応


2013年に惜しまれつつ休業した老舗喫茶を「みんなが集い、人と文化を繋ぐ場所を作りたい」という想いから、田尾さんをはじめ商店街ぐるみで復活させた。老舗喫茶の雰囲気を最も色濃く残すメニューは、名物の「タマゴサンド」(750円)。正式にレシピを受け継いだわけではないそうだが、当時の味を知る人の“証言”をもとに試行錯誤のすえ再現。タマゴのふわっとした食感は昔からの常連客には懐かしく、若い世代にとっては斬新な味わいだ。

「老舗・ハイカラ・煮出しコーヒー」の3つのキーワードからイメージして作ったというオリジナルブレンドコーヒーも深みがあり、どこかホッとする味わいだ。

「民宿」としてインバウンド客に愛されるなごのや


ランチタイムはビジネスマンや地元住民たちの憩いの場となっている


名喫茶に新たに追加された機能のひとつが「泊まれる」こと。2018年には新館もオープンし、合計30人ほどが宿泊可。土曜ともなるとインバウンド客を中心に多くの観光客がチェックインし、たちまち満員となる。「円頓寺は小さな町ですので、夜に30名が泊まるだけでもかなり風景が変わるんですよ。宿泊される方は周囲の飲食店にも出かけるので、にぎわいも生まれています」と田尾さん。

新幹線の駅から徒歩圏内に昔ながらの店が連なる景色も、外国人観光客の目には目新しく映るよう。外国人向けツアーの主催も行なっている田尾さんは「彼らにとって “日常の日本”を、便利な環境で感じられる場所なのだと思います。ここは観光客だけでなく地元の客の憩いの場でもあり、ゆっくりとした日常が流れているんです」と話す。

多面的な魅力を持つ「なごのや」のこれから


「なごのやの『や』には、お店という意味の『屋』と、集いの場所としての『家』の両方を掛けています」と田尾さん


多様な側面を持つ「なごのや」の一日は実に慌ただしく、時間帯によってさまざまな風景を見せてくれる。朝は宿泊者向けに朝食が用意されるほか、すっかり名古屋名物のひとつになったタマゴサンドを求め、多くの観光客が訪れる。昼はビジネスマンたちのつかの間の休憩タイム。夕方には大きなキャリーバックを抱えた宿泊客がチェックインし、慌ただしさを増す。そして夜は宿泊客たちが眠りにつく前、ドリンクを片手に語らいの時間を過ごす。

1日を通して多くの人が円頓寺商店街で活動したり過ごしたり、円頓寺商店街を目的地として訪れるというのは、一昔前にはなかったこと。「なごのや」の存在は商店街の活性化に一役も二役も買っているよう。


「円頓寺に行ってみたい!と思うきっかけとなるような店が増えたのは、とてもよいチャンス。店舗同士が繋がることによって、個人の力だけでは到底できないおもしろい仕掛けを作っていきたいですね」と円頓寺商店街の理事長も務める田尾さんが語る

この「なごのや」を起点にどんなムーブメントが巻き起こるか、期待は膨らむばかり。新しい風が吹いている円頓寺商店街に足を運んでみて。

※喫茶、食堂、民宿。なごのやはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です

【構成=CRAING/取材・文=安田淳(しらかべ企画社)/撮影=ふるさとあやの/ウォーカープラス編集部】

CRAING

この記事の画像一覧(全5枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

お花見ガイド2024

お花見ガイド2024

全国1300カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!

CHECK!今が見頃の花見スポットはこちら

ページ上部へ戻る