名古屋・円頓寺商店街の活気の源泉「BAR DUFI」

店内の活気が円頓寺商店街全体に伝わるような、オープンな造りが特徴の「BAR DUFI」。昼はハンバーグなどリーズナブルでボリューム満点なランチを、夜は会社帰りにタパスをアテにちょっと一杯など、使い方はさまざま。どの時間帯も楽しそうな声が響き渡り、どうにも素通りし難い不思議な吸引力を持っている。

オープンは2010年。「当時はいわゆるシャッター街。まじめにコツコツと営業して、地道にファンを増やしていこうという思いで始めました」とオーナーの水野俊之さんが話すように、当時の円頓寺商店街は個性的な飲食店が多く集う現在とは真逆の状況。そんな円頓寺商店街に意を決して飛び込み、成功モデルを作った同店はまさに「パイオニア」と称するにふさわしい。

新しい円頓寺の展望を開いた「BAR DUFI」

新進気鋭のショップや飲食店が集まるようになった現在の円頓寺商店街だが、その礎を築いた「BAR DUFI」。「中区の新栄でカフェをはじめて8年ほど経ち、何か新しいことを始めたいと思っていた矢先に『円頓寺に店を出さないか？』と誘いを受けまして。当時の円頓寺商店街の状況を考えると断って当然かもしれませんが、僕自身のポリシーに、おもしろそうならやってみるというのがありまして」と出店の経緯を語る水野さん。

当時は「スペインバル」という業態もまだ名古屋市内に10軒ほどしかなく、珍しかったそう。そんな流行の最先端のスペインバルが、彗星のごとく円頓寺商店街に出現した。

定着し軌道に乗るまで1～2年は我慢を覚悟していたと話すが、蓋を開けてみれば大盛況！実は丸の内のサラリーマンが帰宅のため地下鉄の駅へと向かう導線に沿った立地であり、グラスワイン250円～(当時)などリーズナブルな価格がその層の心を掴んだという。また、780円で時間無制限食べ放題のランチバイキングもたちまち話題となり、サラリーマン以外にも次第に注目されるようになった。※現在ランチバイキングは非実施。

王道のスペインバルとしてはもちろん、焼鳥屋感覚で楽しむのもGood

店内の大きな黒板には、手書きのメニューがズラリ。まずはアヒージョやパエリアなど、スペインバルの定番料理に目が行く。「新鮮な魚介を使った料理が多いので、日本人にもなじみ深い味ですよ」と水野さん。

トマトソースをベースにした「魚介のパエリア」(税別1人前980円)は、魚介のダシの旨さと相まってとても味わい深い。また、濃厚な「カンバスアヒージョ」(税別680円)に添えられた「バゲット」(税別1人前190円)は、市内の有名店とコラボし、アヒージョに合うパンとして開発したもの。こだわりの詰まった逸品に、思わず唸らされる。

スペイン料理という枠にこだわらず、様々なフードをラインナップしているのも特長のひとつ。例えば店の中央には炭火が焚かれており、豚肉や鶏肉を串のまま豪快に焼き上げている。「砂肝」(税別100円)、「豚バラわさび味噌炙り串」(税別180円)なども人気で、焼鳥屋感覚で訪れてもOK！

ここではとにかく、好きな料理を好きなドリンクと共に、自由に楽しめばOKなのだ。そしてお財布に優しいのもうれしい限り。

クオリティの高い露店が集う「円頓寺 秋のパリ祭」

「円頓寺商店街にお店が増えてきたことは、相乗効果という意味でもとてもよいことだと思います。そして、円頓寺には“安くてクオリティの高い店”が多いと、認識してもらえているのはさらによい傾向ですね」と水野さんは話す。

水野さんが主催している、円頓寺商店街の一大イベントが「円頓寺 秋のパリ祭」。フランスを文化や食、芸術など様々な側面から楽しめるイベントで、2013年に初開催以来大盛況を博している。「円頓寺には感度が高く、おしゃれな方がたくさん訪れるようになりました。それに引っ張られてかパリ祭の出店者も年々クオリティが高くなっていて、とてもよろこばしいことです。パリ祭が円頓寺商店街を更に活性化する一助になれば」と水野さん。

全面ガラス張りになっており、商店街と一体になった感覚で楽しめる「BAR DUFI」。ワインやサングリアを片手に、気のおけない仲間とワイワイ過ごしてみては。

※「BAR DUFI」はAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です。

【構成＝CRAING/取材・文＝安田淳(しらかべ企画社)/撮影＝タバタ☆ヒロミチ(APOLLO STUDIO)/ウォーカープラス編集部】

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