築100年以上の古民家をリノベーションした「Cantina do Masso」

2019年8月23日 11:00更新

東京ウォーカー(全国版) CRAING

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近年、円頓寺商店街に多くの人が訪れるようになった理由のひとつに、個性的かつ魅力的な飲食店が多く点在することが挙げられる。円頓寺商店街の東側に店を構える、「Cantina do Masso(カンティーナ・ド・マッソ)」もその一店。1階は商店、2階は住まいという円頓寺商店街に昔からある建物の典型を改装し、独創的な空間を築き上げている。

気品あふれるダークブラウンの扉が印象的な「Cantina do Masso」

気品あふれるダークブラウンの扉が印象的な「Cantina do Masso」

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ヴェネツィアが位置する北イタリアに多くある、“バーカロ”というスタイルの酒場が同店のモチーフ。豊かな漁場のアドリア海から揚がった新鮮なシーフードを味わえるバーカロと同じく、「Cantina do Masso」では東京湾や近海から揚がった魚介類を使ったオリジナルの一品を多数味わえる。

古民家ならではの温かみをベースにした独創的な空間

ホテルのレストランで腕を振るったのち、名古屋駅の周辺でイタリア料理店を営んでいたオーナーの西浦邦顕さん。「名古屋駅からタクシーでワンメーターの圏内で、新たに店舗を開店させるべく物件を探していたんです」と話す。

廃材を利用して製作されたテーブルが置かれるなど、店全体に統一感がある

廃材を利用して製作されたテーブルが置かれるなど、店全体に統一感がある

そんななか出会ったのが、屋根を支える梁など一つひとつの木材や建築技法が美しい円頓寺商店街のとある古民家。生まれ故郷である大阪に住んでいるときから、漠然としながらも「東海地方の大工仕事は優れている」という印象を持っていたこともあり、一気に惹かれたのだという。

立ち飲みスペースだけでなくテーブル席も用意。用途に合わせて使い分けられる

立ち飲みスペースだけでなくテーブル席も用意。用途に合わせて使い分けられる

もともとは1階が眼鏡店、2階が店主家族の居住空間という円頓寺商店街においてはデフォルトともいえる構造の建物。築年数は100年を優に超えており、水道などのメンテナンスは大変だったそうだが、内装は美しく保たれていたそう。

「大きな古民家に複数の店舗が入居するという施設も多くありますが、一棟貸しという点にはこだわりました。2階の部分を取り除いて、この立派な梁を見せたかったものですから」と西浦さん。天井が高く取られた吹き抜けの空間は開放感があり、照明を落とした店内でも圧迫感や閉塞感が少ない。

古民家ならではの温かみにあふれた店内には、アンティークの椅子やテーブルが並び、和とも洋ともいえない独創的な世界観が体現されている。

魚介類の素材のよさを生かしたシンプルな一皿

「Cantina do Masso」で味わえるのは、旬の魚介類をふんだんに使ったオリジナリティあふれる料理の数々。王道的なイタリアンである反面、ハマグリなど日本人にとって馴染み深い食材を中心に使用していることもあり、親しみやすい味わいだ。このバランス感覚も唯一無二。

「本日の魚介類のスープ仕立て“ズッパ・ディ・ペッシェ”」(税抜2400円)

「本日の魚介類のスープ仕立て“ズッパ・ディ・ペッシェ”」(税抜2400円)

メインとして提供されたのは「本日の魚介類のスープ仕立て“ズッパ・ディ・ペッシェ”」 (税抜2400円)。その時々の旬の魚介類などを鍋に入れ、ワインをはじめとする調味料とともに豪快に火にかける。この日はクロダイ、赤海老、白ハマグリなどが入り見た目にも華やか。魚介のダシがスープに溶け込み、旨みが口いっぱいに広がる。

「スパゲッティ まっ黒なイカ墨のソース」(写真手前・税抜1400円)、「白ハマグリのワイン蒸し 黒胡椒風味」(奥・税抜1200円)

「スパゲッティ まっ黒なイカ墨のソース」(写真手前・税抜1400円)、「白ハマグリのワイン蒸し 黒胡椒風味」(奥・税抜1200円)

素材の風味を魚介類本来の味わいを引き立てるような、シンプルな調理法で味わえるのも大きな魅力。「白ハマグリのワイン蒸し 黒胡椒風味」(税抜1200円)に使われるのは、東京から仕入れられた品質の良いハマグリばかり。アサリよりも味が濃厚で、適度な歯応えなど食感の良さも群を抜いている。「スパゲッティ まっ黒なイカ墨のソース」(税抜1400円)など、かつては限定メニュー的に出していたものの客の強い要望によって定番化された一品も少なくない。

“自由に楽しんでこそ”が円頓寺流

「Cantina do Masso」のもう一つの大きな特徴は、本場・北イタリアの“バーカロ”スタイルと同じように立ち飲みスペースがあること。会社帰りのビジネスマンや地元の住民などたくさんの人々でにぎわっており、常連客同士がワイワイと楽しむ和気あいあいとした雰囲気も心地良い。

ヴェネツィア周辺のワインを中心にセレクトしている

ヴェネツィア周辺のワインを中心にセレクトしている

同店ではワインを種類豊富に、リーズナブルな価格で提供しているが、18時から20時まですべてのドリンクが半額となるハッピーアワーを実施。より気軽においしい食事とワインドリンクを堪能できる。本格的でありつつ、肩肘を張らないこの雰囲気こそ円頓寺流なのだ。

マリアージュなども提案してくれるが、「自由に楽しむのがおすすめ」と西浦さん

マリアージュなども提案してくれるが、「自由に楽しむのがおすすめ」と西浦さん

「2015年にオープンした当初、商店街は閑散としていまして周囲にもそれほど多く店はありませんでしたね。さまざまな取り組みも功を奏してか、町全体が活気づいていることは肌で感じます」と西浦さん。場所ありき、にプラスして“建物ありき”で現在の場所に店を構えたCantina do Massoだが、結果的に「円頓寺商店街に最も似合う店」の一つとなったよう。

サクッと立ち飲みを楽しむもよし、大切な人とゆっくり語り合うのもまたよし。日本の建築美を感じられる空間で西浦さんが作る料理を味わえば、きっとお気に入りの一軒になるはずだ。

※Cantina do MassoはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です

【構成=CRAING/取材・文=安田淳(しらかべ企画社)/撮影=石塚実貴/ウォーカープラス編集部】

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