多様なドラマを抱えた参加者達。「サントリー1万人の第九」への想いに迫る

関西ウォーカー

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今年で37回目を迎える冬の風物詩「サントリー1万人の第九」。大阪城ホールで行われる12月の本番に向けて、関西、東京、札幌、仙台など日本各地でレッスンが開催されている。今回は大阪工業大学の梅田キャンパス常翔ホールで行われたレッスン(梅田Bクラス)の様子を覗いてみた。

大阪工業大学の梅田キャンパス常翔ホールにて行われたレッスン/サントリー1万人の第九


出演者は観客の倍以上!「サントリー1万人の第九」の特徴と魅力は?


1983年に大阪城ホールの完成記念として開催されたコンサートであり、公募で集められた1万人がオーケストラに合わせてベートーベンの交響曲第9番(第九)を熱唱するもの。当初は1回限りの開催を予定していたが、予想を上回る反響を受け継続的に開催されている。

【写真を見る】約3割が初心者。老若男女、多数の人でレッスン会場はいっぱいに/サントリー1万人の第九


合唱団は5月から一般公募で集められ、1万人の募集に対して今年は過去最高の約1万6000人が応募。合唱指導の先生と伴奏者だけでも60人近くおり、12月の本番に向けて全国42クラスでレッスンが開かれている。そして、参加者の年齢も幅広いのが同イベントの特徴。今年の最年長参加者は93歳で、最年少は参加資格が小学生以上であることから6歳。老若男女が参加し、人間模様もさまざま。皆がそれぞれの想いや背景などドラマを抱え本番へ挑んでいる。

鉛筆や色とりどりのペンで楽譜にポイントを書き込む参加者/サントリー1万人の第九


合唱にかける想いは人それぞれ。出演者の想いを聞く!


総監督・指揮は世界で活躍するマエストロ、佐渡 裕。1999年の第17回から「サントリー1万人の第九」の指揮をとり、今年で21回目を迎える。参加者の中には「佐渡さんの奏でる音のひとつになれる感動が忘れられず、今年で3回目の参加になります。子供にもいい機会なので、親子で頑張って歌い上げたい」と話す母親の姿も。子供たちも「発音が難しいけど去年よりもしっかりと歌えるように頑張りたい」「声変わりの時期で発声が安定しないけど、去年よりも大きな声で歌いたい」とやる気満々のようだ。

「子供にもいい機会になるから」と親子そろって参加する方も/サントリー1万人の第九


「去年よりも上手く歌えるように」と練習に励む親子/サントリー1万人の第九


「これまで10回参加しましたが、1万人で合唱する魅力を伝えたくて、職場の同僚や友人を誘って今回は4人で参加しています」「これまではソプラノでしたが、今回からアルトに初挑戦! 家ではずっとCDを聞いて、練習していますよ」と話すベテランの女性陣。1年をみんなで一緒に締めくくり、友人との思い出づくりのために毎年参加しているようだ。

友人4人で参加した女性は、今年で10回目の参加となるベテラン勢/サントリー1万人の第九


レッスン会ではソプラノ、アルト、テノール、バスの4つに分かれ、それぞれのパートと全体での練習をする/サントリー1万人の第九


ソプラノ、アルト、テノール、バスの4つにグループ分けされる会場。先生の指導のもと、2時間に渡るレッスンはまさに真剣そのもの。高い声域の男声であるテノールに、声域としては最も低い音域のバスと、男性陣の重厚な歌声が会場に響き渡る。「本番はもちろん練習も楽しい。こんなに大きな声で歌える機会はそうそうないですからね」「本番の感動が忘れられず、今回で5回目。前回よりも上手く歌いたいですね」と話す50代会社員の横では「初めて参加したのが高校生のとき。社会人になって参加経験のある人が身近にいたので、また挑戦したくなりました」と2回目の参加となる20代男性がいたり。過去に参加経験のある人は感動を忘れられず、再挑戦する方も多いよう。初心者も3割ほど参加し「いざ合唱が始まった瞬間、テレビに釘付けに。自分もその一員になりたい」と初ステージに胸を踊らせる方もいたり、参加者の人間模様も実にさまざまだ。

梅田Bクラスの指導者は池田真己先生、ピアノ伴奏は羽根田 操先生/サントリー1万人の第九


関西ウォーカーの編集長も今年はじめて参加しているが、折り返し地点の6回目の練習を終えた。「少しずつですが、ちゃんと歌えるようになっていくのが楽しいです。先生の丁寧なご指導はもちろん、歌うときはベテランの参加者の方々がしっかりリードして歌ってくれるので心強いです。とはいえ、これから難しい部分へ突入していくそうなので不安もありますね。ドイツ語の歌詞も暗記するのはかなり大変ですし…。ですが、簡単に攻略できないからこそ、歌い切った時の感動も大きいんだろうなとも思います。先生からは『日々の中で第九に触れる時間を増やしてほしい』とアドバイスをいただいており、通勤時の電車の中での復習は欠かせません。さすがに声は出せないので、イメージトレーニングですが笑。レッスンは週に1回ですが、体全体で声を出すこと、そしてみんなで歌うことは、カラオケとは比べものにならないぐらい爽快な体験です」

仕事帰りにレッスン会に参加する会社員も多数/サントリー1万人の第九


「夫婦で思い出づくりに」と参加した男性/サントリー1万人の第九


ゲストアーティストは山崎まさよし等!チケットの一般発売は10/19(土)から!


1部ではゲストが参加するライブ、2部では第九の演奏と、2倍楽しめる「サントリー1万人の第九」。今年のゲストアーティストには東儀秀樹、山崎まさよし、松室政哉が登場する。多様なドラマを抱えた1万人の合唱団。天井から星のように降り注ぐ歌声。そして、日本全土を感動の渦に巻き込む歓喜の合唱。日本各地では今日も、1万人が夢のステージへ向け練習を重ねている。チケットの一般発売は10/19(土)からで、問い合わせは下記参照。


■サントリー1万人の第九

期間:2019年12月1日(日)15:00〜 

会場:大阪城ホール 

住所:大阪市中央区大阪城3-1 

価格:7000円(指定席)、6500円(立見席) 

チケットに関する問い合わせ:https://www.mbs.jp/daiku/

交通:JR大阪城公園駅より徒歩5分

村井 貴臣

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