帰省時の手土産におすすめの「どら焼き」4選 【川田裕美の東京あんこ巡り 第12回】
東京ウォーカー

第12回のテーマは「どら焼き」。国民的アニメキャラクターの大好物として有名で、「DORAYAKI」の名は世界に知れ渡っています。「コンビニなどでも売っていて、本当に安心できるあんこ菓子」と川田さんももちろん大好き。老舗の伝統品から、最新の創作系まで個性豊かなどら焼きを紹介します。
老若男女を問わず愛される、王道の「うさぎや」
テレビ局の現場でどなたかが差し入れていて、みんなが喜んで食べているという光景をよく見るのが「うさぎや」さんのどら焼き。上野、日本橋、阿佐ヶ谷にあって、それぞれ少しずつ味が違うので食べ比べてみるのも楽しいです。
今回紹介するのは、本家である上野の「うさぎや」さんのどらやき1個205円(税込)。創業は大正2年(1913年)で、どら焼きは2代目ご主人の代から販売しているそうです。

こちらのどら焼きはとにかく焼き色がキレイ。皮はモチッとしていて、まさに“ザ・どら焼き”といった安定感があります。あんこは粒あんでかなりなめらか。食べた時に粒が口の中にしっかり残るところが好きです。あんこの量は少なめに見えますが、皮もしっかり甘いのでちょうどよくバランスが取れています。
何より「うさぎや」さんの素晴らしいところは、奇をてらっていないところ。誰もが知っている昔ながらのどら焼きで、お子さんからお年寄りまでみんなに愛されている王道の逸品です。

見た目の可愛さはピカイチ!「紅谷」のミニどら
続いては表参道にある「紅谷」さん。こちらも大正12年(1923年)創業の老舗ですが、すごく控えめなお店です。以前は路面店だったそうですが、現在はビルの9階にあり、知らないとたどり着けません。私も店の前を何度も通っていたのに、まったく気づきませんでした。
名物の一つがミニどら1個226円(税込)。その名の通り、サイズはかなり小さいですが、あんこがギッシリ入っています。甘さ控えめの粒あんなので、たくさん詰まっていても甘すぎることはありません。
そして見た目の可愛さがたまらないです。手土産で持っていくと、まずその見た目で喜ばれます。そして「どこの店なの?」と聞かれたら、「『紅谷』さんという歴史があるお店なんですよ」と答えるとさらに興味を持ってもらえます。そんな会話も弾む、どら焼きです。


創業145年「岡埜栄泉総本家 いろがみ」の新名物
ここからは進化系のどら焼き。まずは「岡埜栄泉総本家 いろがみ」さんの香りのバターどら焼き1個300円(税込)。こちらのお店は、上野で145年営業していた「岡埜栄泉総本家」さんが2018年に麻布に移転し、新たにオープンした店です。
香りのバターどら焼きは、そのズッシリと大きなビジュアルに惹きつけられます。皮は厚めですが、手に持つとフワフワで、食べる前のワクワク感をいっそう掻き立ててくれます。そして一口食べた時の衝撃。中にフランス産の高級バターが入っていて、口全体にバターの芳醇な香りが広がり、まさにネーミング通りです。

もちろんあんこもさすがのおいしさです。北海道産の高級大納言を使っているそうで、粒がしっかり残っています。食感はすごくいいのですが、それでいて苦味や渋味は全くありません。そうさせているのが高級バター。大納言の強さに負けないくらい、バターの風味も利いています。
見た目は昔ながらのどら焼きですが、食べたら一味も二味も違う。そんな驚きの詰まったどら焼きです。

組み合わせは無限大! 「昼どら」の創作どら焼き
最後は中目黒の「昼どら」さん。2019年9月にオープンしたばかりで、こちらのどら焼1個200円~は、皮(3種)とあんこ(4種+季節あん)、そしてトッピング(10種以上)を自由に組み合わせるスタイルです。
今回はお店のおすすめの組み合わせ。一つ目は「練乳入りふんわり皮・こしあん・煮リンゴ&生クリームはちみつ」1個350円です。皮はモチモチで、最後に練乳がふわっと残る感じ。あんこは有名メーカー「茜丸本舗」さんのものですごくなめらか。リンゴのシャキシャキ感がアクセントになって、後味はスッキリです。
もう一つは「自家製塩麹入しっとり皮・つぶあん・マスカルポーネ」1個250円。生地は砂糖不使用で塩の風味が利いていて、しっかりと甘味がある粒あんとよく合います。そしてマスカルポーネとあんこの組み合わせが斬新。もともとあんこと乳製品は相性がよいので、味は間違いありません。あんこの甘さの後味をふんわりまろやかにしてくれます。


以上、いかがでしたか。私がどら焼きを初めて知ったのは、やっぱり子供の頃、あの有名アニメでした。どら焼きは食べやすさもあって、とても身近なあんこ菓子だと思います。それでいて今回紹介したように、いろいろなバリエーションがあるのが興味深いです。私自身、まだまだどら焼きを探求する旅は続く気がします。ぜひみなさんも“最高のどら焼き”を見つけてください!
取材・文=河合哲治郎/撮影=島本絵梨佳、吉澤広哉/フードスタイリング=片野坂圭子
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