阪神・淡路大震災を振り返る。記憶しておきたい1995年当時の神戸の姿
関西ウォーカー
1995(平成7)年1月17日5時46分に淡路島北部を震源として発生した阪神・淡路大震災は日本で初めての、近代的な大都市における直下型地震だった。マグニチュード7.3の揺れで神戸市内から阪神間にかけて未曾有の被害をもたらし、人々の生活や産業、都市機能にいたるまで甚大な被害を受けた。
あれから25年、悲しみが癒えることはないが、まちは都市機能を取り戻して現在にいたる。神戸には今後も注目の施設が続々と誕生していく。その新たな歩みに期待しつつ、この震災のことを記憶にとどめておくことも必要だと考え、関西ウォーカーで本特集を企画した。<※情報は関西ウォーカー(2019年26号)より>
記憶しておきたい当時のまちの姿
25年の歳月を経て、まちの中から震災時の記憶が薄れていこうとしている。しかし忘れてはいけない、語り継いでいきたい。その記憶の一部を紹介する。

1936年に完成した神戸阪急ビル(阪急会館)には当時、阪急三宮駅、阪急百貨店三宮店をはじめ、映画館などが入り、市民に愛されていた。震災では5階が崩壊したほか、各フロアも建物全体に亀裂が生じ、震災翌月に解体。2021年に復活予定。

崩壊したそごう神戸店本館中央部分を撤去、「世界の人形時計」を設置するなどし、1996年4月28日に復興をとげた。

三宮センター街は、1丁目のアーケードが大きく崩壊し、震災後撤去された。現在の開閉式アーケードは1998年に完成。

栄光教会は赤レンガの会堂が崩壊。2004年に新たな会堂が再建された。毎年地震発生時とその正午には鐘が鳴る。

王子公園は、震災後には救援物資の集積場所となり、陸上自衛隊が大型ヘリコプターで物資を運搬。動物園は大きな被害を免れた。

旧国際会館が全壊し、1999年5月に現在の姿に再建。最上部には震災復興のシンボル「神戸キャンドル」がある。

JR六甲道駅は、線路と共に駅のコンコースが崩落。3月10日から復旧工事が始まり、4月1日に運転が再開された。

神戸市役所では、水道局などが置かれていた2号館の6階部分が崩壊。5階以上が撤去され、1996年から5階建ての庁舎として再開した。
被害の状態が保存されている公園
神戸港震災メモリアルパークでは、震災で崩壊したメリケン波止場の岸壁約60mが、そのままの状態でメリケンパーク東側に保存されている。メリケン波止場の震災から復興までを記録した写真や映像コーナーもある。


ひび割れた岸壁や傾いた街灯などがそのまま残されていて、周りの歩道から、被害状況を目のあたりにできる。
■神戸港震災メモリアルパーク<住所:兵庫県神戸市中央区波止場町2 電話:078-321-0085(神戸港“U”パークマネジメント共同事業体) 時間:自由 ※映像は9:00~22:30 休み:なし 料金:無料 アクセス:地下鉄みなと元町駅より徒歩10分>
【阪神・淡路大震災の被害】人的被害:死者6402人、行方不明者3人、負傷者数4万92人 住宅被害:全壊10万4004棟、半壊13万6952棟、一部損壊29万7811棟 火災件数:建物236件、車両9件ほか 公共施設等被害:文教施設1079か所、道路5577か所、橋りょう322か所、河川763か所、崖崩れ335か所ほか ※出典/兵庫県庁発表「阪神・淡路大震災の被害確定について(平成18年5月19日消防庁確定)」
※本記事の当時の写真は神戸市のアーカイブより
編集部
同じまとめの記事をもっと読む
この記事の画像一覧(全10枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介