今が見ごろ!「そうだ 京都、行こう。」冬の京都の楽しみ方を体験レポート
東京ウォーカー(全国版)
日本最小の石庭がある大徳寺 龍源院
まず最初に伺ったのは、禅めぐり帳でも紹介されている大徳寺 龍源院。大徳寺の境内にある、室町時代に創建された寺院だ。

方丈南庭の一枝坦(いっしだん)は白砂が雄大な海を表現し、その中にだ円形の苔庭が配されている。誰もが頭の中にイメージする「京都らしい禅寺の石庭」といった風情だ。

石庭は、移動する度に表情を変えていく。そんな石庭について昭和期の日本の作庭家である故・重森三玲の孫で自身も作庭家の重森千靑氏が解説をするというプランも用意されている。解説はとてもわかりやすく歴史や思想はもちろんのこと、自宅の庭やアクアリウムのアイデアになる話が満載だ。

龍源院には他にも庭がある。龍吟庭(りょうぎんてい)は、方丈北側に広がる三尊石組からなる室町時代の枯山水庭園で、杉苔は洋々たる大海を、中央の石組は須弥山を表している。

大きいだけが庭ではない。わずか4坪にして“日本最小の石庭”である東滴壺(とうてきこ)は、1960(昭和35)年、鍋島岳生によって作庭された現代壺庭の傑作で、白砂敷きのなかに5つの石が3・2の石組みに分けて配されている。一滴のしずくが大海につながる様子を表し、「ちいさな行いも大切にせよ」という教えを説いている。このミニマリズムと日本ならではの美意識には、ただただ圧倒されてしまう。

キリスト教と禅の教えが一つに集約した大徳寺 瑞峯院
続いて大徳寺 瑞峯院。キリシタン大名である大友宗麟が1535(天文4)年、菩提寺として創建。本堂、唐門、表門は創建当時のものだそうだ。

庭園の1つ、独坐庭は、砂紋で荒海を、苔と石で蓬莱山を表す枯山水の名園として知られる。どこか遠近法をはじめとして、計算されつくした美からは、大自然を感じることができる。背筋を伸ばして深呼吸をすると、スッキリした気持ちになれる。

事前に予約すれば、僧侶による御抹茶の接待と、法話、座禅ができるそうだ。僧侶の話はとても面白いので、機会があればぜひお伺いすることをオススメしたい。

方丈の北側にある閑眠庭(かんみんてい)は石組を“十字架”に見立てるという演出。石庭は仏教(禅宗)の印象が強いためキリスト教とは結び付きづらいのだが、自由な発想で作られた庭に驚かされるばかりだ。

まさに「雅の一言」曼殊院門跡

場所を左京区へと移動して曼殊院門跡へ。市バス「一乗寺清水町」で下車し坂を登ること徒歩約20分。かなり奥まった場所にひっそりとたたずむ曼殊院は、平安時代に始まる天台宗の寺院で、青蓮院、三千院(梶井門跡)、妙法院、毘沙門堂と並び天台五門跡の1つに数えられている。


「小さな桂離宮」とも称される枯山水庭園は、水の流れをあらわした砂の中に鶴島と亀島を配し、樹齢400年の五葉松が鶴の形を表しているという。

こうして石庭を見続けていくと、自分でも作ってみたいと思うことだろう。3月8日(日)と14日(土)には同所でスイーツで石庭を作るというイベントが行われる予定だ。

この記事の画像一覧(全41枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国1300カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介