「ハローアルソン！」募金活動、ミス・ユニバース・ジャパンが懸命な呼び掛け

1日の家族全体の収入が100円程度という厳しい環境下にあるフィリピンの人々のため、未使用の歯ブラシやタオルの収集、募金活動、現地での医療活動などを行っているフィリピン医療ボランティアの「ハローアルソン！」。その活動に共鳴し、沖縄支部として活動する「ミス・ユニバース・ジャパン沖縄」のメンバーが1月28日、沖縄・那覇のパレットくもじ前で募金活動と歯ブラシ等の物資の寄付を呼び掛けた。参加したのは2012年の「MUJ沖縄大会」ファイナリストの長嶺花菜さん、小橋川塁さん、花城真理子さん、備瀬咲さん、新城貴和子さん、ルカシアク雪リンさん、粟国希望子さん、大城早貴さん、比嘉香菜絵さん、下地あいのさんの10人。20度を超す汗ばむような暑さの中、2時間にわたって道行く人々に笑顔で募金を呼び掛けた。

「どんどん重くなっていくのが本当にうれしいですね」。長嶺さんは、両手に抱えた募金箱を大事そうに抱えて笑った。もちろん、見向きもされず素通りされることも多々あるが、決して声をかけることを止めない。「自分にできることは小さくても、その積み重ねが大きな力になっていく。地道な活動が大切だと思います」。今回の募金活動は、MUJの活動を通して奉仕活動や国際協力について学んできたファイナリストたちが自発的に行動に移したものなのだという。

「通り過ぎたと思ったら、引き返して募金してくれるんです。沖縄のみなさんの温かさがうれしかったですね」。そう、目を輝かせるのは下地さん。募金をにぎりしめたままなかなか手渡せない高校生、募金をすると同時に恥ずかしそうに足早に立ち去っていく若い男性。募金はする方もなかなか勇気がいるものだ。そんな気持ちが分かるからこそ、募金をしてくれた方への「ありがとうございます」という感謝の言葉は自然と大きくなる。下地さんの笑顔に連鎖するように、募金をしてくれた人たちにも笑顔の輪が広がっていった。

募金と同時に寄付を呼び掛けた歯ブラシやタオルも、この日たくさんの協力があった。沖縄のリゾートホテル「オキナワ　マリオット　リゾート＆スパ」の総支配人・坂本公敏さんは、ホテルで使う新品の歯ブラシ250本を持って駆け付けた。MUJ沖縄大会の決勝が同ホテルで行われた縁でこの活動を知り、東京出張帰りのその足で急きょやって来たのだという。ミス・ユニバース・ジャパン沖縄の岡村代表は「本当にうれしい。沖縄にはまだまだリゾートホテルがたくさんある。歯磨き粉の消費期限が切れて廃棄する歯ブラシをハローアルソン！に送っていただけたら」と県内企業の協力にも期待を寄せた。

この日の活動で集まった募金は総額9万1147円。物資はタオル17枚、石けん10個、歯ブラシ410本、ペン22本、ブラシ5本。これらはハローアルソン！のスタッフによって直接フィリピンへ届けられる。同団体のフィリピンへの現地訪問は毎年行われており、今年で11回目。2月8日(水)から現地入りし、一家族に歯ブラシ10本とタオル5枚、米、衣類などを贈るほか、同行する歯科医師や歯科衛生士による1000人規模の診察・治療・指導なども実施する。

同団体では募金、歯ブラシ等の寄付を、沖縄をはじめ、長野、群馬、栃木、東京の各支部で随時受け付けている。例えば、旅行の際に自分の歯ブラシを持参して、ホテルに備えられている歯ブラシセットを持ち帰って寄付する――、そんな簡単なことでいいのだという。「心が動いたら、その時が『動く』 時なのです」とは同団体の代表・林春二さんの言葉。あなたの『動く』時は、いつだろうか？【東京ウォーカー】