邦画の新たなマスターピースが誕生!「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」入江悠監督トークイベント【その1】

関西ウォーカー

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

5/5に「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」が大阪で公開初日を迎えた。1回目の上映の立ち見客が何と50人以上。さらに“マイティ”こと奥野瑛太が公開前後約2週に渡り大阪に滞在、連日朝から翌朝まで市内を練り歩いてチラシ配りの宣伝を行なってきた『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』。熱いクチコミ、そして粘り強いPRが関西の映画好きのハートを撃ち抜き、 “サイタマ”だけではなく“カンサイ”でも『SR』支持者続出中。そんな本作で監督を務めたのが、映画『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴りやまないっ』、テレビドラマ『クローバー』など話題作を次々手がける若手トップ監督の入江悠。彼のブレイクスルーとなった『SR』シリーズの“北関東三部作・最終章”について、関西ウォーカーの玉置編集長、「邦画の新たなマスターピースが誕生した」とこの作品を激賞する『ソウル・フラワー・トレイン』の公開が近づく映画監督・西尾孔志、映画評論家で本作宣伝担当でもある田辺ユウキが迫った。

※この原稿は2012年5/5に実施されたUSTREAM番組「関西ウォーカーTV」で配信されたインタビューを書き起こし、再構成したものです。

司会:大阪で封切られた感想は?

入江:十三は初めて行ったんですが、なかなか趣がある場所ですね。そして(シリーズを通して)大阪で初めて超満席を記録しました。シリーズ1作目のときはお客さんがとても少なかったので、今回は感慨深かったです。

司会:それではさっそく、質問をしていきたいと思うのですが、まずは田辺さんから御願いします。

田辺:昨年の大ヒット映画『モテキ』の大根仁監督を取材したとき、入江悠監督の宣伝をお手本にしたとおっしゃっていました。「映画会社に頼るのではなく、自分たちで動く手法」ということだったのですが、『SR』シリーズの宣伝方法とはどういうものだったのか、教えてもらえますか。

入江:基本的にチラシとポスターしかないので、それをうまく使ってやっています。ポスターを持って行列になって無言で歩くという(笑)。声を出してチラシ配りをすると怒られるんです。大阪について、大阪駅から阪急梅田の通路の間を行列で声を出して宣伝していたら案の定、怒られまして…。昨日も名古屋駅で怒られましたし。だから何とかポスターを見てもらう、というのが基本です。『モテキ』のようにCM、広告はないんで。まぁ、だから『モテキ』で(僕たちと)同じようなことをされると腹立つんですけど(笑)。CMで(PRを)やってるじゃねえか、と!

田辺:主演のマイティさん(俳優の奥野瑛太さんのこと)も大阪に2週間滞在して、各地で頑張って宣伝していらっしゃいますね。

入江:そうですね。できるだけキャストと映画館などに直接行って、お客さんの反応を見たいんです。お客さんが少ないと(映画が)届いていないと分かるじゃないですか。エンドロールの途中で帰るお客さんもいるし、そういう光景を直で見るのは僕たちも勉強になる。

玉置:Twitterなどでも(告知を)広げていますよね。いろんな方がマイティさんの写真を撮ってガンガンあげていますし。

入江:(宣伝の)お金もほとんどない作品ですし、チラシもあまり刷れないから、そのあたりはどんどんやっていくのが『SR』なんです。

田辺:あと、いま入江監督のもとにはきっと大手の映画の監督オファーが来ているんじゃないかと思うのですが。これからはバジェットの大きな作品も手がけていくはずですが、そういうオファーを受ける際「これだけは譲れない」という条件はありますか。

入江:1980年代のハリウッド映画で育っているせいか、やれるものは何でもやりたいと思うんです。ただ、あの~・・・、企画書とかの最後に「主題歌はB’z」とか書いていたら嫌ですね(笑)。題材に関しては何でもOKなんですが。西尾さんに同じ監督として聞きたいんですが、主題歌がB’zで決まっていたらどうします?

西尾:まず“ライン”について考える必要があると思います! エレカシ(エレファントカシマシ)ならOKですよね。で、BUMP OF CHIKINはアウトでしょう(笑)

入江:エレカシの方がすんなり入ってきますよね。

西尾:B’zだと・・・。

入江:アウトでしょう(笑)。先に「主題歌がB’z」と決まっていると、題材などほかのことも決まっている可能性があるじゃないですか。

西尾:入江さんは、B’zと一緒に映画を作るのはOKってことですよね。「B’zが主題歌」という、枠が決まっていることに対してですよね。

入江:そう、それがアウトなんです。

西尾:僕から聞きたいことは、今回の『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』は楽しげな雰囲気で観に行くと痛い目に遭うというか、かなり壮絶な話。入江さん自身が、これをどういうモチベーションで作ったのか、すごく気になります。

入江:やっぱり東日本大震災が起こったことが大きかったですね。なかなか状況が変わらないことに対して。2007年に『SR』の1作目を撮ったときから,

現在までで時代が変わった。あのときはサブプライムローンの前だったりして、コタツに入って夢を語れる時代だったけど、今はそんなことは成立しない。

(その2へ続く:http://news.walkerplus.com/2012/0511/9/)

【取材・文=田辺ユウキ】

この記事の画像一覧(全2枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る