関西ウォーカーWeb新連載 【GEAR’S VOICE Vol.01】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」プロデューサー・小原啓渡 @珈琲専門店インパルス
関西ウォーカー
今週から関西ウォーカーのWeb新連載として、京都で絶賛公演中のノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」の連載コラムがスタート! 更新日は毎週木曜日! ギアの制作スタッフやパフォーマーが、舞台裏の秘話から、劇場周辺の京都の“ええ店”紹介など、ニュースを届けてくれるぞ!
記念すべき連載第1回目は、「珈琲専門店インパルス(@河原町蛸薬師)」にて、プロデューサーの小原啓渡さんがギアの魅力を熱く語ってくれた。
「はじめまして!ギア制作スタッフの大名(ダイミョウ)と申します。この度、連載の聞き手をさせて頂く事と相成りました。京都・三条御幸町にある小劇場『ART COMPLEX 1928』で絶賛公演中のエンターテイメントショー“ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』”を創っている人々を語り手として、語り手が選ぶ“お気に入りの場所”でインタビューしていきます。初回はプロデューサーの小原啓渡氏と、喫茶専門店インパルスさんへお邪魔し、本公演「ギア-GEAR-」の本質について、話しを深めてみました」
大名:今日は珈琲専門店インパルスさんにお邪魔してます。このお店を選ばれた理由は?
小原:このお店は36年続いているらしいんですが、長く続く事への敬意と魅力を感じますね。地域の中に根付いた店には街の生きた情報や人との出会いがありますが、元来、喫茶店ってサロン的な要素を持っているものだと思うんですよ。新しい店は資金があればできますが、36年の時間の堆積はお金では作り出せない価値があって、今は忘れられつつある、大切にしたい何かが、この店にはあるような気がするんです。
大名:それでは、「ギア」に関してですが、作品のコンセプトは?
小原:「アートを切り口に、新しい価値を創造する」それが当社ART COMPLEXの社会的使命だと思っています。社会が抱えている問題、課題をアートを切り口に、その解決法を提案していく。「ギア」に関しては、舞台業界、特に小中劇場が抱えている「行き詰まり感」にアプローチしたいと思いました。観客人口のすそ野が広がっていかない状況、クオリティーの高い作品ができにくい制作環境などの課題を改善するために、ロングランで作品を公演し、その街に根付くために常設劇場化することが目標ですね。「京都に行けば、いつでもギアが見れる」というような状況をつくりたいと始めた企画です。
大名:ギアとはどんな作品ですか?
小原:「ノンバーバルパフォーマンス」つまり、言葉を一切使わず物語を展開していくライブエンターテイメントです。日本語がわからない外国の方や、子どもが観ても理解でき、楽しめる作品ですね。「ギア」というタイトルは、「つながり」というコンセプトを表しています。一般的に「社会の歯車になる」というような使い方をするとき、歯車(ギア)はネガティブな意味になるんですが、その反面、他者とつながる、協働するという事はすごく重要なテーマだと思うんです。個人ではできない事でも、みんなでやれば 大きな何かを動かす事が出来る。自身が回転し、他者も回転する。誰が誰を回す訳でもなく、お互いがお互いの存在と違いを認め、融合し、新しいものを創り出 す、そこに新しい何かが生まれる。尊重しあい、活かしあう、これは「調和」を重んじる日本人独特のな考え方でもあるんです。
大名:ギアを創る上で、心がけていることは何か有りますか?
小原:徹底して、観客目線で作品を作ることですね。演出家の名前が「オン・キャクヨウ」なので、「中国人ですか?」と質問を受けることが多いんですが、実はこ の演出家は架空の人物で、漢字で書くと「お客様」、つまり、演出の基本は、お客さんの意見や感想をどれだけ取り入れることができるかなんです。
大名:プロデューサーという仕事は?
小原:日本語で言うと「仕掛け人」ですかね。言葉を換えると「文化起業家」と言えるかもしれません。起業するには、資金や組織、戦略も必要です。それらすべての責任を持つのが会社の場合だと社長ですが、プロジェクトの場合はプロデューサーということになりますね。ということは、企画力はもちろんのこと、経営感覚も必要だし、幅広いネットワークも必要でしょうね。
大名:最後にギアの今後の展望を聞かせて下さい
小原:先ずはギアを継続させて常設劇場化する。それがうまくいけば、次の作品をつくりたいですね。今、趣味や嗜好が多様化していますから、ギアだけでなく、例えば日本のファッションや古典をテーマにした作品があってもいい。京都に、こうした違うタイプの舞台がいくつかあって、お客さんは自分の趣味や興味に合わせて選択できる、つまりブロードウェイのミニ版でもいいから、 そういう環境をつくりたいですね。「京都版ブロードウェイ」これが僕の夢ですね。
※※次回は「ギア」マジシャンの新子景視さんにインタビュー予定です。どうぞお楽しみに!※※
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