WEB連載【GEAR'S VOICE Vol.15 PART2】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」メイク担当のKOMAKIインタビュー@『スマート珈琲店』

関西ウォーカー

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【GEAR'S VOICE Vol.15 PART1】の続き。

大名:楽しんで仕事をすることの大切さは共感ですね。ところで、メイクさんはメイク道具を使われますよね、やはりこだわりがあるんでしょうか?

KOMAKI:道具はメイクのお仕事のコア(核)になるものだと思います。特に役者さんの肌に接するものなので、道具選びは慎重にしますね。この道具はここで買って、この道具はあの店でっていう風に。方向音痴の私には一苦労の作業ですので、買い出しの日は「ミッション」って呼んで、自分を励ましてます(笑)。買い出しの日ではなくても、仕事の合間に時間が出来ればデパートの化粧品コーナーに立ち寄ったりもします。あとは、その時期ごとにマイブームの色味があって、やたらめったらその色を使うことがあります。色を自分なりにまぜて、あーだこーだと工夫を常にしているんですが、たまに夜中に思いついて自分の顔で実験したりもするんです。そんなときは顔の右半分にメイクをして、左半分は元の顔のままにして見比べをするんですが、夜中なのに人にでも見られたら、お化けって驚かれますよね。

大名:中々ユニークなエピソードですが、できれば出逢わない方が良さそうですね。それでは次は「ギア」でのKOMAKIさんのお仕事に関してお窺いしたいのですが?

KOMAKI:今年のロングラン公演の立ち上げから私は関わらせて頂いてます。それ以前の「ギア」の世界感も既にあったとは思うのですが、「ギア」の性質上、常に変化して行く体勢のなかで、私自身関わり合いながら、常に新しい知識を「ギア」から吸収している感じです。先ほどもお伝えしましたが、「ギア」ではロングラン公演を行う性質上、セルフメイク(出演者自らがメイクをする)を採用しています。これは私の別の現場のお仕事に比べると、すごくハードルの高い仕事なんです。自分がイメージしたメイクで仕上げていただくには、すごくたくさんの準備とコミュニケーションが必要な訳ですから、それはそれは大変です。メイクの手順を出演者さんごとに説明書を作って伝えたり、皆さんに講習をして、コツを伝授したり。それでも毎回劇場へチェックに来る度に微妙に違うメイクになってしまうんです。さらに、メイクをするときに大事なのがお客さまとの距離なんですが、基本的にはどんな劇場に行っても真ん中あたりのお客様基準で作って確認しています。前列の人には濃いメイクでも怖くないか、後列の人には役者の表情が伝わっているかどうかを意識して大切にしています。「ギア」は客席がそんなに大きな劇場ではないので細かい部分まで見えますよね。メイクの精度は以外と高くないといけないわけです。とはいえ、お互いに人間だからこそのブレがあり、くりかえす上での学習があり、なかにはこの公演をとおして、目に見えてメイクが上達している人もいて、「ギア」ならではの状況が沢山あります。ほかには、男子目線と女子目線で「かわいい」と評価されるものが違うことも、このロングラン公演に関わりながら伝わって来るようになりました。いずれにしても、失敗を恐れずに常にトライできる環境が「ギア」の魅力ですね。

大名:これまた共感ですね。さて次は「ギア」でのメイクの内容はどんなイメージで作っておられますか?

KOMAKI:「ギア」の登場人物は人間ではありません。「ロボロイド」と「お人形」です。ですので、いまのプランとしては、「ロボロイド」は人間ではない、金属的な艶感を出そうとしています。これは私のなかでの設定ですが、マイムは赤色ですので、材料は銅でできていて、ブレイクは金、マジックは銀やアルミ、ジャグリングは青銅。そして、キャラクターを目の雰囲気で出そうとしています。マイムは「一文字」、ブレイクは「つり目」、マジックは「きれ長」、ジャグリングは「たれ目」。これでおおよそのキャラクターを表現しています。「お人形」はビスクドールをイメージしています。まさにお人形さん的な美少女メイクを目指してます。

大名:質問ですが、眉毛の雰囲気って時代の流れで、はやり、すたりがあるんですか?

KOMAKI:それには面白い話しがあって、眉毛の太さは景気に左右されるそうです。景気の良い時は「太眉」、景気が下がって来ると「細眉」、そして日本はいま「ナチュ眉」がはやってますが、景気回復の兆しなのかもしれませんね。「ギア」のドールは普遍的なフランス人形をイメージしてますので、どちらかと言うとクラシックな眉毛ですね。この辺りの設定なんかも、今後もドンドン変わって行くでしょうし、その時々でのベストをつくして行きたいと思います。

大名:ありがとうございます。それでは最期にKOMAKIさんの今後の目標についてお聞かせください。

KOMAKI:今後はヘアカットもできるようになって、トータルでヘア・メイクができるようになりたいと考えています。実はそのためにもう一度学校へ通うことになりまして、今度は美容師の資格を取ろうとしています。働きながら3年間勉強をして試験をうける予定です。頑張らなくちゃ(笑)できることなら自分が動けなくなるまでメイクの仕事を続けたいと思っています。

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