WEB連載【GEAR'S VOICE Vol.18 PART2】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」演出部 兼 映像担当の窪木享インタビュー@『あかやしろ榮』
関西ウォーカー
【GEAR'S VOICE Vol.18 PART1】の続き。
大名:大学以降はどのような活動をして来られましたか?
窪木:「電視游戲科学舘」と言う劇団を当時の演劇部メンバーと旗揚げして、全作品に出演しています。あと、振付け担当をしたり、演技トレーナーをしたり、代表だった時期もあります。その劇団でもロングラン公演に挑戦し、その頃に役者の先輩に言われた一言で、役者のなんたるかを知ることが出来ました。いま思えばこれもロングランだったからこそ感じ取ることができたものだと思います。その後、ロングラン公演を積極的に行う為にアートコンプレックスのスタッフとして働き始めたのですが、1ヶ月目でやった仕事が2006年の「三条あかり景色」と言う催しのなかで行ったプロジェクションマッピングでした。先週も「岡崎ときあかり」で行ったプロジェクションマッピングの技術担当も僕がしていたのですが、いま思えばこの技術は舞台分野だからこそ着想できた技術だったんだと思います。すでに当時、自分達の劇団では舞台演出に同じ技術を取り入れてましたし、その時期以後にプロジェクターの性能が飛躍的に進化して、現在の様に建物の外壁でもプロジェクションマッピングを行えるようになって行きました。そのほかにも「Alphact」と言うパフォーミングアートユニットで役者兼構成作家として活動したり、「ダンスコンプレックス」というジャンルフリーのダンスコンテストのイベントを起ち上げたりしてきました。
大名:「ギア」との関わりは?そして「ギア」で目指していることは?
窪木:実はいままでの活動の過程で、「ギア」の出演者さんやスタッフさん達とも出会ってきています。そして、いろんなことが重なりながらも、2010年に「ギア」の演出部に配属されました。当初は出演者の演技トレーナーの様な形で関わり始めました。「ギア」の出演者は各パフォーマンスの世界では一流の人たちですが、なかには演技経験の少ない人もいました。ですので、芝居のなかでの動きの意味、なんの為にいま動いたのか、などの意味合いを理解してもらう為の働きかけをしてきました。
その後、長崎でのトライアウト公演ではテーマパーク内で一か月間ギアの公演だけをやるという強化合宿の様な環境のなかで、出演者スタッフ共々ロングラン公演を行って行く上での貴重な経験をしました。「ギア」はパフォーマンスではあるけれども、演技を大切にして欲しい。そんな思いで演出部の仕事をしています。僕は「役者」よりもすごいパフォーマーはいないと思っています。「役者」の演技とは自分自身や共演者、観客の心理分析をした上で、自分の役柄を再現できることなんです。少し話しはそれますが、物事にはすべて理由があって、その理由を元に人々は行動をします。その行動を理解する為にはその理由が何処にあるかを知らなければいけません。人の脳の機能は面白くて、基本的には脳は記憶を取り出す装置です。その脳の記憶を引出す切っ掛けとなる想像の種を役者は観客に与えないといけないのだと思います。僕は「ギア」は情報を与えるだけのエンターテイメントではなく、お客さんの頭のなかで情報が作られる、そんな公演をしたいと考えています。「ギア」はパフォーマンスだけ見ても素晴らしい出演者が揃っています。だから僕が考えるべきことは、プラスáとしてなにをすれば「ギア」のパフォーマンスに活性を与えることができるかを工夫し、行って行けるか、という所です。ほんの一動作でお客様と共感を呼び起こすことや、お客様の人生を変えることも役者には出来ます。そんな高みを目指しながら「ギア」に関わって行きたいです。
大名:それでは、今から「ギア」を見る人に伝えたいメッセージは?
窪木:お芝居の見方に捕われず、ボケーっと無心で見て頂きたいです。そうすれば僕たちのメッセージが皆さんの心に伝わると思います。
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