【GEAR'S VOICE Vol.28 PART1】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」ダンサー・KATSUインタビュー@『カフェ ショコラ』
関西ウォーカー
京都の街で絶賛公演中(現在は改訂期間中のため休演しています)のノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』の連載コラム第28回目(隔週木曜日更新)。今回は、『ギア-GEAR-』に出演中のダンサー・KATSUさんにお話を伺いました。「みなさまこんにちは、『ギア-GEAR-』制作スタッフのゆうじです。少し暖かくなったかと思えば、またぐっと冷え込んだ日が続いていますね。春まであと少し、体調管理には気をつけましょう!今回のインタビューは、いつもにも増してかなり濃厚ですよ。表現者としてのKATSUさんの真髄を感じていただけるのではないでしょうか。」
ゆうじ:さて、今回は『カフェ ショコラ』さんにお邪魔しています。ここを選ばれたきっかけは?
KATSU:ギアの会場と同じ1928ビル2階のカフェで、前から来てみたかったので、この機会に選ばせていただきました。
ゆうじ:レトロなビルの雰囲気と、モダンなお店の雰囲気が、良い感じにマッチしていますよね。このビルならではの魅力だと思います。
さて、自らをボディアーティストと語るKATSUさんですが、普段はどのような活動をされているのですか?
KATSU:ダンサーとして様々なジャンルの舞台に立ったり、ダンスのインストラクターをしたり、バンド活動もしています。
ゆうじ:ギアのブレイクダンスシーンの音楽も自ら作曲してらっしゃいますもんね。では、まずボディアーティスト・KATSUのルーツからお伺いします。
KATSU:ダンスを始めたのは中学3年生の頃で、きっかけは当時のテレビ番組の人気企画「ダンス甲子園」でした。そこで見たブレイクダンスのカッコ良さに、一瞬にして虜になったんです。まあ、「これができれば女の子にモテるんじゃないか!?」という中学生的な発想も多少あったんですけどね(笑)。
ゆうじ:分かります(笑)。
KATSU:でも、ダンスをするうちに、そんなことはどうでもよくなったんです。純粋に楽しかったし、気づいたらダンスそのものの魅力にのめり込んでいました。
ゆうじ:バンド活動の方は?
KATSU:ダンスに出会う少し前に、THE BLUE HEARTSに出会ったんです。ボーカルの甲本ヒロトさんのぶっ飛んだ感じが大好きでした。僕が実際にバンド活動を始めたのは27歳の頃なのですが、間違いなくそこが原点ですね。
いずれにしても、14歳くらいの頃が「何かを表現する」ということに興味を持ち始めた時期なんだと思います。
ゆうじ:ダンススクールには行ったりしていたのですか?
KATSU:実は、当時ブレイクダンスはものすごい低迷期だったんです。ブレイクダンスなんてやっているヤツはダサい、と言われるような時代でした。当然ダンススクールもほとんどありませんでしたし、まともにブレイクダンスを学べる環境は整っていなかったんです。
ゆうじ:ん…そうか。考えてみれば、今のようにYouTubeなんかも無いですもんね。
KATSU:そうなんですよ。なので、一本のダンスのビデオテープが宝物で、擦り切れるまで何度も見返して練習していました。でも、それは決して不幸なことではなくて、僕は逆にそれで良かったと思っているんです。
ゆうじ:と言うのは?
KATSU:それが僕にハングリー精神を芽生えさせてくれたんですよね。今のように情報が溢れているのも便利でいいのですが、それでは色んなものが身近にありすぎて努力を怠ってしまうと思うんです。
ゆうじ:確かに、身近にあるもののありがたさに気づきづらくなりますよね。
KATSU:はい。だから、インストラクターとして誰かを指導をする時には、踊りの技術ももちろんですが、それ以上にハングリー精神を持つことの大切さをしっかり伝えていこうと常に考えながら指導をしています。
ゆうじ:今の子どもたちには必要なことかも知れませんね。
僕はダンスには詳しくないんですが、今のKATSUさんのダンスを見ていると、一般的なイメージとしてのブレイクダンスとはかなり違った印象を受けています。
KATSU:僕のダンスは、壊すダンスなんです。既存のルールを壊したいんです。以前はもちろん、皆さんがイメージするようなブレイクダンスもしていました。でも、25歳の頃に世界大会で準優勝した時から考えが変わったんです。そこには既に誰かが考えた技があって、それぞれの技に名前がついています。いくらその技が上手になったところで、結局その技を作った人には勝てるわけがないんですよね。そのことに気づき、「自分の表現したいことはブレイクダンスという箱の中だけでは表現しきれない」と感じるようになったんです。
ゆうじ:それから現在のスタイルが確立されていったわけですねKATSUさんがダンスを通して表現したいこととは何なのでしょうか?
KATSU:お!それ良い質問ですね!言葉で表すのは非常に難しいのですが、あえて言葉にするなら“自らのすごく弱い部分とすごく強い部分を隠している自分をクリアにしようと懸命にあがいている自分”を表現したいんだと思います。
でも、100%それを表現できたことは今まで一度もないんです。90%くらいまでなら経験はあるんですが。
ゆうじ:例えば90%というのは、踊っていてどういう感覚なんですか?
KATSU:そこまでいくと、だいたい記憶が無いんです(笑)ちなみに、僕にとって究極のダンスというのは、赤ちゃんなんです。
ゆうじ:赤ちゃんですか!?それはどういう意味でしょうか?
KATSU:赤ちゃんって、余計なことは何も考えずに本能のままに手や足を動かしているじゃないですか?あれがやりたいんです。「カッコよく見せよう」とか、そういう雑念を一切取り払って、純粋に心から表現したいことだけを踊りで表現する。これが本当に難しいんですよね。
【GEAR'S VOICE Vol.28 PART2】へ続く。
【ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』とは?】
ブロードウェイの『ブルーマン』や韓国の『ナンタ』などで注目を集めた「ノンバーバルパフォーマンス」とは、言葉を全く使わない新しいタイプの舞台公演。『ギア-GEAR-』は、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの超絶パフォーマンスとプロジェクションマッピングなどのテクノロジーが融合した、日本発・日本初の非言語エンターテイメント。舞台は古びたおもちゃ工場。かつてその商品だった人形「ドール」が、作業を続ける人間型ロボット「ロボロイド」とふれ合い、感情を獲得し、人間に近づいていく感動の物語。
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