【その1】7thアルバム「YETI vs CROMAGNON」を発売し、怒涛の全国ツアー中! ヒロト&マーシーに直撃!
関西ウォーカー
7枚目のアルバム「YETI vs CROMAGNON」で、ファーストアルバム「ザ・クロマニヨンズ」(06年10月発表)以来、約6年半ぶりに取材を。ヒロト(甲本ヒロト)&マーシー(真島昌利)の2人の前だと、いわゆる新作プロモーション取材になるわけはなく、自然にロックンロールの話題になる。意味はないけど熱はあるロックンロールタイトル、ロックンロール好きなら誰しも子供の頃に体験する“ほうきギター”や“エアギター”など…、他愛もない話からこそ本質が垣間見えてきた。
「Don't think. FEEL!」という言葉も話の流れからマーシーより出たが、とにかくロックンロールとは感じる事だと改めて、ふたりから教えられた。昔から、ヒロトとマーシーが鳴らすロックンロールには小難しい事がひとつもない。そんな事が勝手に伝わってくる純正なるインタビューとなった。
―アルバムタイトルの「YETI vsCROMAGNON(イエティ対クロマニヨン)」を見たときに、何かよくわからないドキドキに襲われたんですね。まぁ、プロレス好きなのもあるんですが(笑)。そしたら、こないだヒロトさんがTHE BAWDIESのROY君と洋楽の邦題について話されていて、「意味はないけど、熱はある」とおっしゃっていて。あぁ、そういう事か…と。
甲本「うんうん、邦題のおもしろさね。ROY君と話してて思ったことが、世代なんか関係ないんだなって思ったんですよ。それは僕らも中学生の時にロック大好きで聴いてたものが、僕らの世代のものじゃなかったんですよ。そういう意味で関係なく話ができてる中で、『でも、僕らの世代にしかなかったものが、これなんだよ』と提示できるものが、(洋楽の)タイトルや帯のバカバカしい熱だったんですよ」
―僕も「悲しみのアンジー」(ローリング・ストーンズ)とかは、衝撃的でした…。
甲本「『悲しみの~』ってね(笑)。その前のポップスの時代から、ずっとあったわけですけどね。『涙の~』とか『花の~』とかね」
真島「僕は邦題の文化、大賛成ですから。日本人がロックを楽しむ中で、他の外国人にはない楽しみ方なんでね。今、減ってきちゃった。未だにドキドキするよ」
甲本「例えば、『Born to Run』(ブルース・スプリングスティーン)が『明日なき暴走』じゃなきゃ嫌だよね。そういう風にドキドキしてもらえたら、今回のタイトルは役目を果たしています。特に(タイトルに)意味はないです(笑)」
―今の大学生とかはイエティを知らない子もいたりするので、そこから調べるのも面白いですよね(笑)。
甲本「その辺のUMA事情は、どうなの? 何が旬なの? チュパカブラとか一瞬、盛り上がったけどね」
真島「スカイフィッシュ以来、あんまりないかな。神戸の方にいるとかってね」
甲本「六甲山! メキシコと六甲山(笑)」
―(笑)。「イエティ対クロマニヨン」って本当に意味がないけど、熱は伝わると思うんです。今の時代、そういう意味のない熱をあるものが楽しむ余裕がなくなってきているなと。昔、ヒロトさんが「ロックンロールは、余裕がないと楽しめない」みたいな事をおっしゃっていたんですね。平常心が崩れていたら、駄目だと。例えば、アフリカの難民の方からロックンロールは生まれないみたいな。
甲本「そりゃな、やっとる場合じゃないもんな(笑)。そん時、そう思ったんだな。だから、そういう風に考えると平和のためにロックを歌うとかじゃなくて、平和だからロックできてるのかなってなっちゃいますね」
真島「ロックンロールって、やっぱお金かかるもんね。ボブ・ディランみたいな、ああいう感じだとギター1本でできるけど。60年代とか色々な国にボブ・ディランみたいな人はいたけど、ビートルズはいなかったもんね。経済的に余裕がないと、バンドなんてやってる場合じゃないってなるから」
甲本「そうなると『ハングリーって何なんだ?』という話だよね。ハングリーと貧乏は違うからね、言い切れないけど違う気はする」
―なるほど、そうですね。あと、最近、ロックンロール高齢化社会なんていう愉快な言葉もあったりしまして。
甲本・真島「何、それ!?(笑)」
―やはり演者さんと共にお客さんも、どんどん歳を取ってくるんですよね。それは致し方ない事なんですけど、やっぱりキッズ層にもロックンロールを聴いてほしいし、キッズの時に聴くロックンロールって楽しいなって思うんです。
甲本「いつも楽しいんよ。若いからとか歳を取ったからとか関係ないんだけど、自分の聴いてきた経験の中で、それはまだ中学1年とか2年の頃に『このバンドかっこいいー!』と思ってファーストを聴いて、セカンドやサードも聴くでしょ。『あれ、ファーストの方が良かったな…』とか『何かおとなしゅうなったな…』とかあったわけ。今、聴けば、全部の作品に必然があって良い作品なんだけど、中学1年の頃の僕はスローバラードが増えただけで、がっかりしていたんだ。それはね、まだ憶えている。今は、違うけどね」
【取材・文=鈴木淳史】
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