【WEB連載】田中稲の仮想DJ「昭和歌謡エンドレスリピート」 19曲目「青春ってなんだ!!」
関西ウォーカー
4月、それは新しい季節…。この時期になると意味もなく胸がキュンキュンしたり、夕日に向かって走りたくなったりするのは私だけでしょうか。3月という別れの時期を超え、新しい出会いへの期待と不安が一つになって…。あああ、ビバ、青春、青い春!!
……そう、落ち着け、私。青春とは「青い春」なのよ。つまり青春時代って「夢に満ち溢れ人生最高に楽しい」といえば決してそうではなく、「青さ」つまり若さゆえの残酷さが漂うわけでございますよ。
かくいう私も10代は「青い」どころか「濃紺」でしたねー、いや、青を超え、ズズ黒かったと言ってもいい。モンモンと若さをもてあまし、彼氏を作ったりスポーツに打ち込んだりバンドを組んだりしているリア充な同級生を横目で見ながらハンカチ噛み噛み嫉妬する毎日。
ひとりじゃなんもできなくって、半引きこもり状態、部屋の隅で三角座りをし、まっさん(注:さだまさしです)の暗い歌ばっかりチョイスしたマイ編集テープをエンドレスリピートで聞いていたっけ(遠い目)。半分涙目になりながら「愛は死にますか! 心は死にますか!」(by「防人の歌」)と一緒に歌っていたあの頃。今にして思うと私のメンタルはかなりヤバかった……(滝汗)。
この青春のヤバさがそのままズバリ歌詞になったのが森田公一とトップギャランの「青春時代」。その内容はシンプルイズベスト。
「青春時代が夢なんて後からほのぼの思うもので、その真ん中にいる時は迷ったり痛かったりすることばっかなんだよ!」
うぉー!! 分かる。その通りその通り。んもう聞くごとに首の骨が折れたかの如くガックンガックン頷いちゃうもんだから、軽くムチウチ状態になるという。作詞は阿久悠御大。うあー、やっぱりね、さすがよね!
歌っている森田公一さんのハリのある鼻声セイシュン・ボイスが驚くほど歌の世界観にジャストミート! ルックスや雰囲気は青春時代というより中間管理職時代っぽいが、それがなんちゅうか、それすら「不器用」さを醸し出していてGOODだ!
さらにもう一曲紹介をば。チューリップの「青春の影」。これはかなり危険なので聞く前にハンカチを5枚くらい用意すべし!ほっそーい、かすれた財津和夫さんの
「♪君のぉ心へ続くぅ長いぃぃぃ一本道はハァァァァ~」
という冒頭で涙腺がいきなりドッヒャーと崩壊するので仕事中聞くのはまずムリ(くうっ、自分で小さく歌っただけで早くも目頭が熱いぜ!)。
ただ、声がものっすごい繊細なので、あまり連続して聞くと、励まされるどころか「長い一本道」が限りなく険しくツラソーに感じて「生きるって大変なんだば」と逆に凹む副作用もあるので要注意。説得力のある名曲は、聞く側の精神状態によってはバッドトリップする諸刃の剣……。
春の新生活、皆さんもぜひ、これら青春の苦さを歌った名曲を肴に「オトナになって強くなったなあ」「オトナになって汚れたなぁ」などとビールでも飲んで盛り上がってください(そんなオチかい!)。
今回の締めの一曲は、これまた青春のもどかしさを歌った青い三角定規「太陽がくれた季節」で。燃やそうよ二度とない日々を……。ファイアー!!
また次回、お会いいたしましょう。田中稲でした(汗)。
【文=田中稲】
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