【GEAR'S VOICE Vol.32】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」デザイナー・辻野孝明インタビュー
関西ウォーカー
京都の街で絶賛公演中(現在は改訂期間中のため休演しています)のノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』の連載コラム第32回目(隔週木曜日更新)。今回は、衣装製作の辻野孝明さんのインタビューをお届けします。
「みなさまこんにちは、『ギア-GEAR-』制作スタッフのゆうじです。新バージョン開幕まで残すところ約2週間となりました。新バージョンでは、衣装もリニューアルされる予定です。新衣装を担当するのは、ローリング・ストーンズや長渕剛など、数々の著名人の衣装を手がけるデザイナー・辻野孝明さん。そんな彼に、衣装製作にかける思いなどを伺いました!」
ゆうじ:今日はよろしくお願いします。では早速ですが、デザイナーの道に進まれたきっかけからお伺いしたいと思います。
辻野:中学生の頃に山本寛斎さんが出演されていたCMを見て、彼のデザインする衣装に惹かれ、憧れるようになったのがきっかけです。専門学校を出てからは、彼のところで勉強させてもらったりもしました。
ゆうじ:そうなんですね。現在では、かの有名なロックバンド、ローリング・ストーンズのメンバーをはじめ、多くの著名人の衣装を手がけておられますね。ローリング・ストーンズの衣装を手がけるようになった経緯は?
辻野:ローリング・ストーンズの2度目の来日公演の時に、飛び込みで衣装を持って行ったんです。たまたまギタリストのキース・リチャーズ(以下、キース)が僕の衣装を気に入ってくれて、それから彼の衣装は何度も作らせていただいています。
ゆうじ:飛び込みですか!?それはすごいですね!衣装を作る時は、どのようにして作りはじめるのですか?
辻野:相手によりますね。かなり綿密なリクエストをくださる場合もあれば、全て自分で考える場合もあります。キースの場合なんかは後者ですね。
ゆうじ:彼の衣装をデザインする場合、どんなところにこだわっていますか?
辻野:彼はギターのアクションが大きいので、大きなアクションを取った時に、どう衣装が風になびくか、というところには気をつかっています。あとは、ギターにかかったシャツを直す仕草を彼はよくするのですが、その仕草を彼自身も気に入っているようで、わざとギターにかかるような長さにしているんです。
ゆうじ:彼のその仕草を知っていてデザインされたのですか?
辻野:いえ、二回目に彼の衣装を作った時にたまたまギターにかかる丈の衣装を作ったんです。そうすると、彼がその仕草を頻繁にするようになったので「あ、これはお気に入りの仕草なんだな」と感じ、以後はそのようにしています。少しでも長いとギターがおさまってしまうし、逆に短いと弦のところまでいかないので、そのバランスが難しいんですけどね。
ゆうじ:人それぞれの格好良さを最大限に引き出すのは、さぞ大変なことなんでしょうね。相手のことをよく知っておくというのは、やはりデザインをする上で重要な要素なのでしょうか?
辻野:意外とそうでもないですよ。全然その人のことを知らずに製作をすることもありますし。ただ、それぞれ決めのポーズとかはあるので、それをどれだけ格好良く見せられるか、というのは考えますね。ギアでもみんなで決めのポーズをするようなシーンがあると思うのですが、その時にどう見せると格好良いか、というイメージは常に持ちながらデザインしています。
ゆうじ:今回は、イメージイラストを描いてくださっている山田章博先生の原案があるわけですが、どのようなイメージで製作をされていますか?
辻野:極力、原案に近づけたいと思っています。その上で、やはり絵で見るバランスと実際に着用したバランスとは見え方が違ってくるので、そのあたりに注意しながら格好良いものを作れればと考えています。
ゆうじ:では最後に、衣装とはどういうものだと思いますか?
辻野:正直、ファンの方からすると誰が作ってもそんなに大きくは変わらないものだと思います。でも、通常100%に見えるものだとしたら、衣装の力で120%、150%のものを届けることはできると思うんです。衣装って、役者やアーティストがステージに上る前、一番直前に身につけたりするものじゃないですか?その力で、ちょっと背中を押してあげるじゃないですけど、「さあ、いくぞ!」って思ってもらえればいいな、と思っています。
ゆうじ:5月から始まるギアのVer.3.00では、そんな渾身の衣装を間近で見ることができるわけですね。僕自身もすごく楽しみにしています。ありがとうございました。
【ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』とは?】
ブロードウェイの『ブルーマン』や韓国の『ナンタ』などで注目を集めた「ノンバーバルパフォーマンス」とは、言葉を全く使わない新しいタイプの舞台公演。『ギア-GEAR-』は、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの超絶パフォーマンスとプロジェクションマッピングなどのテクノロジーが融合した、日本発・日本初の非言語エンターテイメント。舞台は古びたおもちゃ工場。かつてその商品だった人形「ドール」が、作業を続ける人間型ロボット「ロボロイド」とふれ合い、感情を獲得し、人間に近づいていく感動の物語。
待望のVer.3.00が5月3日にスタートします!チケットは絶賛発売中!
大人から子どもまで、日本語がわからない外国の方でも楽しめる70分100席限定の衝撃体験を、ぜひ劇場で!
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