酒女倶楽部の日本酒レポート22本目 ~「上喜元 純米吟醸 Napa Valley ワイン樽貯蔵」~
関西ウォーカー
今回ご紹介の日本酒は、かなり変わっています。ユニークです。しかし、いまわたしがドはまっている1本です。前置きは省いて、さっそくご紹介しましょう。「上喜元 純米吟醸 Napa Valley ワイン樽貯蔵」(酒田酒造)。
写真をご覧くださいまし。どこからどう見ても「ワイン」です。現に、この1本を見て、何人の人が「どこのワインですか?」と私に言ったことでしょう。いいえみなさま、こちら、ワインではございません。立派な「日本酒」でございます。日本酒大好きな方なら、一度は聞いたことのある「上喜元」という銘柄名。日本酒の輝かしい賞である全国新酒鑑評会の常連ですし、飛行機のファーストクラスのお酒にも選ばれている超実力派のお酒です。まさしく「日本がほこるサケ!」なわけですが、こちらの蔵さんがおもしろいのは、王道の日本酒だけでなく、新しい時代を切り開きそうな、いままでにない酒造りにも取り組んでいらっしゃるところです。
その典型的な例が、今回の1本と言えそう。だってだって、この日本酒、ワインの樽で寝かせたお酒なんですよ。「日本酒をワイン樽で?」って思いますよね。はい、わたしも最初、そう思いました。そして次に思ったのが「え〜?!ちゃんとおいしいのぉ〜?」ということ。日本酒とワインは、醸造酒というところは共通ですけど、使っている原料がまずぜんぜん違う(ワインはぶどう、日本酒は米ですもの)。香りも味も違う。それを合わせちゃっていいの〜?と反射的に感じたわけです。
でもね。お酒は飲んでみなきゃ分からない。ということで、一杯いただいてみました。飲んで思わず「お〜!」と声をもらしてしまいました。ワインのいいところと、日本酒のいいところが、ええ感じに混じり合っているではありませんか。酸味のある味わいはかなりワインに近いのですが、お米のやさしい風味もちゃんと生きています。なんともいえない新しい飲酒感!これはワインの国のみなさんにも、ぜひおすすめしたいな。
このお酒は不思議なことに、パスタや欧風料理を食べたくなると、無性に飲みたくなるんです。なんでしょうね、このクセになる感じ。一風変わった殿方に惹かれていく感覚…とでも言いましょうか。酒女を夢中にさせる異国情調がたまりません〜。
ところで、銘柄名にあるNapa Valleyですが、カリフォルニアではかなり有名な美味しいワインの産地なのだそうです。いい日本酒にはいいワインを、ということでしょうか。さすが^^ 上質なコラボが生む異色の日本酒、一度は召しませ。
甘さ度★★☆☆☆ 辛さ度★★☆☆☆ 女性度★★★★☆ 男性度★☆☆☆☆ ◆合う料理:チーズ、オイル系パスタ、魚のソテー◆このお酒を芸能人に例えると…日本人離れした美貌を持ちながら、ヤマトナデシコの凛とした魅力をたたえる「佐田真由美」さん!※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。
【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】
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