【WEB連載】田中稲の仮想DJ「昭和歌謡エンドレスリピート」 21曲目「旅に出た気分になるトラベルソング」

いや～。GWですね。今年はそれほど長くもなく、かといって短くもなく。ええっ、あなたは休み関係なく仕事！そりゃエライッ。ほおっ、あなたは単発で仲間とワイワイですかい。えーやんえーやんッ。ありゃっ、あなたは旅行したかったが既にどこも満員でしょうがなく家モード！ぬぅぅ、残念ッ。

私なんかどっちでもないぞ！　最初から旅行に出る気力もなく、かといって誰と遊んだり飲んだりする約束もなく、さりとて家でボーっとするのも虚しいので、特に急ぎの仕事も無いのに土日含め事務所に出るッ！！ はっはっは、寂しいだろー。えーん（号泣）。

でも大丈夫。私のような「長期休暇を持て余す族」には歌が味方してくれる。そう。聞いているだけで知られざる遠い地に誘ってくれる、心を大空に飛翔させてくれる素晴らしい歌が！

さあ友よっ、一緒にエンジョイエアートリップ……。

ということで、まず1曲目は、メロディーに砂漠とラクダの映像がサブリミナル効果として組み込まれていると話題になった（なってないなってない）「異邦人」。

いろんな人がカバーしてますが、いまだ久保田早紀さんの透明感を超えるモノを聞いたことが無いという。明菜ちゃんverはちょい重くて入国手続きが大変そうな雰囲気、徳永英明verはちょい迷子になりそうな悲壮感…と全体的に惜しいッ。きっと、この歌は情感を入れたらイカンのですよ。ザラザラっとした高音で、ヘンに抑揚をつけずに歌うからこそ砂漠であり、ラクダであり、シルクロードなんですわ！（私は一体誰に熱弁しているのか）

2曲目はちょい欲張って世界一周！ 題名もそのままですが、上々颱風の「八十日間亜州一周」。

JALの沖縄旅行CMソングとして大ヒットした「愛よりも青い海」も名曲だけど、私は「八十日間亜州一周」を推す！ ネイチャードキュメンタリーの映像に自分が混じっちゃったみたいな錯覚に陥る浮遊感。飛行船に乗って、ユーラユラとまあるい地球を空から見下ろす感じっていうんでしょうか。目をつぶって聞くと、「ふえ～」と思わず風呂上りみたいな声が出ちゃう気持ち良さでござんす。是非ぜひ聞いてみて。現在、リーダーの紅龍さんが療養中にて活動休止となっている上々ですが、早く復活してほしいなあ。

ラストはやっぱこれでしょう～。旅行は海外より国内が好き、しかも普段の喧騒を忘れてのんびりしたいのよ、というそこのあなたッ。山本コータロー＆ウイークエンドの「岬めぐり」が癒してくれますぜ。るるる。

山本コータローの緊張感の無い声で、瞬時にゴトゴト岬を巡って走るバスに仮想乗車。窓から揺れ見える海まで脳内再現できる臨場感は素晴らしすぎて、三半規管が弱い人は乗り物酔いを引き起こす危険すらあり。聞く前に吐き止めを飲んでおこう！

さて、これ以外にも多々旅行気分を味わえる歌は山ほどあるのですが。厄介なのが、歌謡曲の特長として「旅」と「失恋」がワンセットであるという事よ。。。旅情溢れる歌にはもれなくブロークンハートな背景が付いてくるのがお約束なんっすね。従って、旅行気分になるために聞いたはずが、やっと忘れかけていた悲しき恋の思い出広場に到着してしまい、せっかくのGW、古傷がガンガン疼いて終わるという可能性も大。

しかしそれも運命。聞く前に様々な心の準備と覚悟が必要、それが昭和歌謡なのだ！（上々颱風の場合は平成のヒット曲ですが、そこんとこのツッコみはお許しください）

さて、今回の締めは、場所だけでなく時間までトリップさせてくれる原田真二の「タイムトラベル」で。時間旅行が叶ったら……マリリン・モンローとか取材したいなあ（英語もしゃべれんくせに！）。

では、良い休日をお過ごしください。また次回、お会いいたしましょう。田中稲でした。