酒女倶楽部の日本酒レポート28本目〜「森　原酒（香川県）」〜

急に肌寒くなってきましたね。みなさん、お風邪など召していませんか？わたしは「なんだか風邪気味だな…」というときは、あったか〜くした日本酒をクイと飲んでさっさと寝ます。体調が良かろうが悪かろうが日本酒！百薬の長、万歳！（「高野さん、飲み過ぎです」と怒られた…）

今回ご紹介する「森　原酒」は、そんな「あったか〜くして飲む」とおいしいお酒。「ふ〜ん。ところで、あっためて飲むとおいしい日本酒と、冷やして飲むとおいしい日本酒と、どう区別するの？」というあなた。実に良い質問でございます！　巷ではよく「吟醸酒や大吟醸酒は冷やして飲むものだ」と言われていますが、そんなこともないんです。どんなお酒でも、あっためて飲むと、また違った味わいになってすごく面白い。ただ、あっためると「キリリとしたイケメン」になるお酒と「香り高い艶オンナ」になるお酒があります。森は、どちらかといえば艶オンナになるお酒。味がまろやかになって、ほろりとした甘味が増すんです。

わたしが好きなのは、人肌よりもちょっと熱めの燗にして楽しむ飲み方。お酒の香りがふわっと立ち上り、温度とアルコール分がキュッと体をあっためてくれるのです。「ささ、お熱いうちにどうぞ」って、自分で自分に言いながら飲んでいるわたし、だいぶおかしいな…。

さて、この森という日本酒、どこで見つけたかというと、小説「二十四の瞳」の舞台にもなった小豆島。そう、このお酒は「島酒」なのです。この秋、ふらりと行った小豆島で、道路沿いにある酒屋さんに立ち寄りました。このかわいらしい島に酒蔵はないよねえ、と思いつつも「島の地酒、ありますか？」と聞くと、酒屋の大将はひと言「あるよ」。お〜！深夜食堂のような答え方ではありませんか！わたし、大興奮です。そして紹介してもらったのが、森を造っている森國酒造 http://www.morikuni.jp/。どうせなら蔵に行ってみたら？というので、さっそく訪ねてみました。

するとすると、どうでしょう。とってもステキな蔵バーがあるではありませんか！ここで冷たい日本酒を頼み、ご機嫌でゆるゆる。小豆島にこんなおしゃれな空間があるなんて、これはもう島の宝です！　ここで、いつものように、日本酒についていろいろと質問していたら、蔵の奥のほうからイケメン男子が出てきてくれました。なんとこの方、今年から新しく入った蔵人さんだとか。「こんなお酒をめざしたいんですよ」と熱く語ってくれました。いいですね〜。お酒の作り手さんから情熱を感じると、酒女としては応援せずにはいられないのです。これから出てくる森國酒造のお酒、楽しみだ〜。10月、11月は、酒造りがスタートする季節。日本全国の酒蔵のみなさま、酒女はみなさまを全力で応援しておりますよ。ええ酒、待ってます！

甘さ度★★★☆☆　辛さ度★★★☆☆　女性度★★★☆☆　男性度★★★★☆ ◆合う料理：豚の甘辛焼き、ブリの西京焼、さっぱりめの粕汁

◆このお酒を芸能人に例えると…ベテランの大女優ながら、いつまでも若々しく、そしてさっぱりとした気っ風と艶を合わせ持つ「浜木綿子」さん！ ※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。

【文・写真＝酒女倶楽部・高野朋美】