二人芝居、三人芝居に続き、今度は4人芝居！　猫のホテル最新作「アバエスク」上演中

劇団猫のホテルの最新作「アバエスク」が下北沢ザ・スズナリにて上演中。前回の「あの女」では三人芝居にトライした”猫ホテ“。今回も劇団初の試みとなる”4人芝居“だ。タイトルの「アバエスク」とは、”アバ風“という意味を表す造語。「アバ」は「ダンシングクイーン」などのヒット曲で、70年代から人気を誇った北欧のミュージシャン。作・演出の千葉雅子らしいタイトルとも言えようか。本作について千葉に語ってもらった。

「夫婦が重ねる年月に潜む哀切感、滑稽さ、温かみにあふれた物語です。中村（まこと）、村上（航）、佐藤（真弓）、私・千葉が初めて4人芝居に挑戦し、ときに激しくときにばかばかしくぶつかり合います。いつもの泥臭い世界とはひと味違う、すっきりとした作品です。付き合いの長い劇団員ではありますが、私が真弓さんや村上君に、物忘れを指摘してもらったり最新機器の使い方を教わったりしたとき、『ああ、老いとはこういうことか』と実感。劇団も年月を重ねると、みんなの成熟した姿がまぶしいなと思いましたね。すっかりいい大人の劇団となりました」とさすが、1990年旗揚げの歴史をもつだけある発言。公演前は、ラブシーンの経験は数多くある（!?）のに不慣れな千葉に対して、メンバー全員が駆け寄って演技指導をするなどほほえましいエピソードも見られるような熱の入った稽古場だったようだ。その稽古場ではさらに「宣伝のために路上ライブ映像を撮ろうと歌と演奏をたっぷり稽古したんです。結局、時間がとれずまぼろしの企画となりました。いつでも4人で、一曲やれるのですが…」と残念がる千葉だが、その成果が見られるかどうかは、舞台でご確認を！　上演前のお約束寸劇、声の出演でおなじみの劇団員が登場するのもお楽しみの一つ。上演は12月29日（日）まで。【東京ウォーカー】